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ひまわりの春と月物語  作者: 朝丸。
一…月宮家の人たちと来客
10/26

08


兄の蒼汰は中学で元運動部だっただけあってひょろひょろ体型ではない。肩幅が広くて身長は176cmある。


蒼汰と同じ高2の翔季さんだが、166cmの私とあまり体格が変わらない。蒼汰と比べると細身で本当に後ろから見れば女の子、に見える。


母親は152cmと小柄だが、私を含めた兄妹は180cmある父親の遺伝で背が高い方である。


ちなみに陽は162cmで、本人曰(いわ)く「今から成長期がくるから」らしい。


テーブルに用意された夕飯を見て椅子を引いて席につく蒼汰。その隣に当たり前のように腰掛けた陽。


その向かい側の椅子二つが空いた為、必然的に私と翔季さんが隣同士で座った。私の前には蒼汰。


「それではー」


蒼汰の声に私と陽は手を合わせる。


「「「いただきまーす! 」」」


声を揃えて言うとそれぞれにスプーンを手に取り食事を始める。

ついてこれなかった様子の翔季さんだったが、私達が食べているのを見ては小さく手を合わせ、自分もスプーンを手に取った。



私は隣で食べてて内心ドキドキだったりする。


シチューの味が気になって。


翔季さんの口に合う味だったか。


蒼汰は基本好き嫌いがない為ガツガツ食べる。

陽は好き嫌いが激しい方だが、シチューは好きらしく顔を(ほころ)ばせて食べ進めている。


一方隣の翔季さんはというと、スプーンを手に、シチューを食べているのは分かるのだが隣だから表情が見えない。


……確認したい。

味の確認したい。




「うっっまいな! 美味いよな翔季! 」


直球!!?


遠回しに「味、濃くないですか? 」的な感じで聞こうとしてたのに、美味いか美味くないって、直球な感想じゃないか。



「__うん。 温かい。」



隣から聞こえたのは、独り言のように小さく発せられた翔季さんのゆったりとした声。


早口にガツガツ食べながら感想を聞いた蒼汰とは違い、スプーンの手を止め、ゆっくり味わうように言ってくれた翔季さん。


「美味いよな」という質問に対して

「温かい」という答えだったのは、どう受け取ればいいか迷ったが。


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