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この作品には 〔ガールズラブ要素〕〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

女の子達の物語

虫食い花と美しい蝶

作者: アイラブトマト

人を花と蝶に例えた話です

バットエンド的な話なので苦手な方はご注意ください

(今日は…どんな虫が来るのかな…?)


彼女は虫食い花文字通り虫を食べる植物だ

最近はハエしか食べれず憂鬱ぎみ


(たまには蝶が来ないかな…)


そう彼女の大好物は蝶

蜜を持っていることもあるから甘くて良いんだとか


虫食い花はぼんやりと食事の事を考えていると…


美しい蝶がやって来た


(よし!来た!)


準備よく構える


だが…




「貴女はとても美しい花ですね!」




そう美しい蝶は虫食い花に言った


虫食い花は驚いた


(そんなことは初めて言われた)



「蜜を貰っても良いですか?」



美しい蝶は近づいてくる…


「ダメです!私は虫食い花です!来ては行けません!」


虫食い花はさっきまで蝶を食べたいと思っていたが

美しい蝶への好奇心に負けた


すると美しい蝶は近くの葉っぱに止まり


「知ってますでも貴女が欲しくてしょうがない!


この短い命の中で貴女ほど惹かれる花は無かった!


食べられるのは覚悟の上


蜜を頂くことは出来ないですか?」


(彼女には興味があるでも…)


蝶は虫の中でも甘くて美味しいことを

知っている

しかし彼女への好奇心もあった


だから花は大いに悩んだ…


そして悩んだ末に


(今日だけ…今日だけよ…)


「いいよ少しだけなら…」


美しい蝶は微笑み「ありがとう」と言った

そして虫食い花に近づき


「――チュ――ジュルッ!」


虫食い花は必死で食べないように耐えた


(甘い香り…癖になりそう…食べちゃいたい…

あーダメダメ)


「ねえ?もう良いんじゃない?」


彼女は我に帰ったのか


「え?ああ!すいません」


そう言って美しい蝶は虫食い花から離れた

そしてこう聞いてきた


「あの…もし良かったらまた蜜を貰ってもいいですか?」


虫食い花は美しい蝶の

いまだ漂う香りボーとしながら


「良いよ」と答えた


それから何日も何日も美しい蝶は虫食い花のもとに来た

初めは少し蜜を吸ったあと少し話をするだけだったが


会っている内にお互い話す事が楽しくなり話をするだけで

終わる日まであった


お互いとても楽しかったしかし…


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

曇り空の下、美しい蝶は虫食い花を探す


「虫食い花さ~ん!虫食い花さ~ん!」


(おかしいなここにいつも居たはずなのに…)


そうなぜかどこを探しても見つからないのだ


(何で…何で居ないんだ…

は…!まさか!)


美しい蝶は思い出した

昨日の夜、蝶の長に言われた事を


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

蝶のかいごうで蝶の長がこう言った


「皆よく聞きなさい…

明日からは花の蜜を吸いに行ってはならん

野菜の蜜を吸うのだ…」


「どうしてですか!」


と誰かが聞いた

蝶の長は答える


「うむ…近い内に大きな獣が花を奪いに来る

その時に花のそばに居れば

我々は彼らに食べるために

連れてかれてしまうからだ…」


「そんな恐ろしい獣がいるのですか?」


「我々で戦えないのですか?」


とまた誰かが言った

蝶の長は「そうだ」と言った


「確かに居るワシは見たのだ

彼らは我々の何倍もの大きさをした者たちだった

そして全員が総力を上げても倒せない力があった

だから良いな明日からはワシが良いと言うまで

花の蜜を吸いに行ってはならん」


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

(どうしよう…どうしよう…

もしかしら大きな獣たちが虫食い花さんを

連れてったのかも…

どうしたら良いんだ…)


美しい蝶がどうしたら良いか悩んで居ると


――ガヤガヤ…ガヤガヤ…


「何だろう?」


美しい蝶は気になって

その騒がしいところに向かった


(あっあれは!)


近くの木に止まり見てみると

なんとそこには、見た事のない大きな箱の中に

曇っているせいか元気が無く眠っている

たくさんの花があったのだ


そしてその隅には探していた虫食い花が居たのだ


(助けなきゃ!)


危険もかえりみず箱に入った


「今助けますからね!」


―――うぐぐぅ…


―――うがーーー!


入ったのは良かったのだが

彼女を持ちあげる事が出来ないでいた


―――トコトコ…


(ヤバい来てしまったかでもまだ諦めない!)


すると彼女は目を覚まし


「――何故ここに!危険です逃げてください!」


美しい蝶は目に涙を浮かべ


「嫌です!あなたは私の大切な人です

離しません!」


虫食い花はそう言ってくれて

嬉しかったしかし


(この方を危険な目に会わせたくない!)


そう決意し自分の唯一動かせる部分

頭の部分を使い

美しい蝶を箱の外に吹っ飛ばした


―――ドカッ


美しい蝶は近くの木にぶつかり気絶し

地面に落ちるそして

彼女が目を覚ました時そこに虫食い花は居なかった


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

虫食い花はあれから近くの花屋の人に

観葉植物として売られた


美しい蝶は虫食い花を助けられなかった

ショックで彼女との思い出の地である

その土地を離れ旅に出た


そして二人はお互いを想い続け

寿命まで生きた


END

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