一ヶ月後
関ヶ原における戦いに手詰まり感が蔓延した所に示された豊臣秀頼からの停戦命令。これを徳川家康が受諾。書状の裏面に毛利輝元の花押が押されていたため、停戦が成立。その後、徳川毛利の間で話し合いが持たれ和睦。それぞれの本拠地へと戻っていったのでありました。一ヶ月後……。
「お前ら頭は冷やして来たか?」
声の主は増田長盛。場所は先のいくさで停戦ラインの1つとなった岐阜城。
石田三成「家康を亡き者にしない限り、豊臣に未来は無い。この思いに変わりは無い。」
福島正則「家康様は豊臣を第一に考えられておられる。それを其方が一方的に糾弾したから、先のいくさになってしまったのだぞ。」
増田長盛「相変わらずだな。ただこの場に足を運んでいただけた所を見ると……。」
福島正則「増田殿の依頼であったから来ただけの事。あいつの顔等見たくも無い。」
増田長盛「石田もか?」
石田三成「話し合いで解決する事は難しいと考えています故。」
福島正則「ならば今度は直接。」
石田三成「秀頼様の命令に反する事になりますぞ。」
福島正則「……すぐ秀頼様を使いやがる……。」
石田三成「福島は家康に騙されている。いつか後悔する事になるぞ。」
福島正則「秀頼様が幼少である事を良い事に、豊臣を牛耳ろうとしていたのは石田の方であろう!お前こそ豊臣家の獅子身中の虫。あのような小賢しい和睦案をお前が用意して無ければ、お前の戯言を聞かずに済んだものを……。」
増田長盛「福島殿。」
福島正則「何でありますか?」
増田長盛「あの停戦命令を作成したのは……この私だ。石田では無い。もし石田が用意していたのであれば……。」
あの局面で出す事は無かったであろう?
増田長盛「関ヶ原の最前線で戦っていた徳川方の中で、唯一健在だったのは福島殿のみ。これを秀元様らが把握した瞬間。其方は包囲殲滅される手筈となっていた。」
静かに頷く石田三成。
福島正則「やって見なければわからぬであろう。」
増田長盛「私は秀頼様に輝元様。そして大坂に居る玄以に停戦命令の作成をお願いし、皆に配布した。同時に石田に対し、これとは別に書状を認めた。その書状は?」
石田三成「ここにあります。」
増田長盛「直接渡したくは?」
石田三成「ありません。」
増田長盛「ならば一度私に。」
石田三成「わかりました。」
増田長盛「福島殿。」
福島正則「別に私は直でも受け取りましたが……。」
そこに書かれていた文言。それは……。
「このいくさで得をするのが誰だかわかっているのか?」




