不動
石田三成は陣を出ない。そう確信した黒田長政と細川忠興。そして加藤嘉明は、側面からの進出を目論んでいるはずの毛利秀元に一撃を加える事を決断。ただ何も無しに動いては石田三成の追撃される恐れがあるため、威嚇の意味も込め石田三成陣。正確には陣の前で挑発行為を繰り返す島左近目掛け……。
細川忠興「毛利を崩せば横と後ろから奴らを切り崩す事が出来る。」
黒田長政「三成相手に正面突破出来ぬのは屈辱以外の何者でも無いが、今は仕方が無い。」
加藤嘉明「その前に奴らの仕掛けを暴いてやろうでは無いか。」
3者合わせて1万を超える軍勢が一斉に前進を試みたのでありました。
石田三成「ついに来たぞ!」
蒲生郷舎「鉄砲衆迎撃の備えを!!」
細川忠興「敵方が柵の最前列に鉄砲を前に押し出して来たぞ。」
黒田長政「と言う事は、いづれ左近は柵の中に退避する事になる。」
加藤嘉明「その前に左近とのいくさに持ち込む事が出来れば鉄砲や大筒を使う事は出来ぬ。」
細川忠興「ならば毛利攻めは後回し。石田三成に狙いを定める!」
加藤嘉明「断る理由は無い!」
黒田長政「これまでの恥辱。晴らしてくれん!!」
と速度を上げる黒田に細川。加藤の3隊。これに対し島左近は……。
細川忠興「一歩も動かぬか!?」
加藤嘉明「まだ逃げ込めると考えてと言うのか?舐められた者だな。長政。」
黒田長政「『なぁに。こうなるように仕向けるために打った芝居に過ぎぬ。』
と後の世に評価させるためにも石田三成の首を刎ねる!!」
更に接近を試みる3隊に対し島左近は……一歩も動かず。
加藤嘉明「これでも動かぬと言うのか?」
細川忠興「あれは人形か?」
黒田長政「いや左近であろう。ただもしあれが人形であったなら……。」
人形もろとも大筒で破壊して来るやも知れぬ。
加藤嘉明「ここならまだ間に合う。毛利を目指すか?」
細川忠興「いやそうすると、あれが人形で無く左近であった場合、我らは甚大な被害を被る恐れが生じる。」
黒田長政「速度を緩め、物見を出すか?」
動かない島左近に不審を抱き、進軍を緩める3者。物見を出し、様子を伺った結果。
「島左近本人に間違いありません。」
加藤嘉明「人騒がせな連中だな……。」
黒田長政「ただこれで奴が人形で無い事がわかりました。」
細川忠興「ならば急いで捕捉しましょう。」
と前を見渡した所……。
細川忠興「ん!?左近の姿が見えぬぞ。」
加藤嘉明「えっ!?どう言う事だ?」
黒田長政「ん!?これは不味い!!」
細川忠興「どうした!?」
黒田長政「皆逃げろ!大筒が飛んで来るぞ!!!」




