表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/168

杭瀬川の戦い

 本多忠勝が徳川家康の指示を中村、有馬両隊に伝えようとしていた。丁度その頃……。


中村一栄「敵が川を渡るぞ!逃がすな!奴を捕らえ、奴らの戦意を挫くぞ!!」

と逃げる島左近を追い掛ける中村一栄は杭瀬川を渡河。そこに

「突撃!!」

の下知と共に森林から部隊が。その声の主は。

「石田三成家臣。蒲生郷舎ここにあり!」

突如現れた伏兵に浮足立つ中村隊。それを見て

「反転攻勢!!」

島左近が下知。正面から島左近。側面から蒲生郷舎。そして背後に川を背負った中村隊は右往左往。

「これはまずい!!」

と先程まで島左近と交戦していた有馬豊氏は、中村一栄を助けるべく杭瀬川の別の浅瀬を渡河。そこに。

「放て!」

の合図と共に有馬隊目掛け一斉射撃が。それを指示実行したのは……。


 少し前。大垣城。


宇喜多秀家「……なるほど。明石をか……。」

島左近「はい。」

宇喜多秀家の言う明石とは、宇喜多隊の先陣を務める明石全登の事。

宇喜多秀家「彼に全てを任せても良いと思うのだが?」

島左近「いえ、明石様は宇喜多様の先手隊長。斯様な方が現れたら家康も捨て置くわけにはいきません。明石様にお願いしたいのは……。」


 複数の部隊が杭瀬川を渡って来た時。


島左近「1人の将だけでありましたら対処する事が出来ます。しかしこれが複数となりました場合、私の手勢だけでは心許ない所があります。それに複数くる場合、その規模がわかりません。」

宇喜多秀家「その時に備え、8000の部隊を率いる明石の助成を願いたい。そう言う事だな?」

島左近「身勝手な願いばかりで申し訳御座いません。」

宇喜多秀家「いやいや流石は島殿である。危機管理もしっかりとされている。」

島左近「いえこれは……。」

宇喜多秀家「石田殿がここにいない事は、本人から聞いている。

『島が何か言って来たら。』

と頭を下げて来た。それに石田は……。」


 味方を危険な賭けに出させるような奴では無い。


島左近「出過ぎた真似をした事。深くお詫び申し上げます。」

宇喜多秀家「いえ、島殿の戦い方。尤もである。ただ敵は10万で百戦錬磨の徳川家康が居る。そんな火中の栗を拾うような真似は誰もやりたがらない。明石には言っておく。

『必ず島を帰還させよ!』

と。」

島左近「ありがとうございます。」


 戻って。

 島蒲生両隊に挟み撃ちされた中村隊並びに明石の待ち伏せに遭った有馬隊は退却を決断。この動きを見た島に蒲生。そして明石の各部隊が追撃。敵が全て川を渡り切ったのを確認した所で……。

「城へ戻るぞ!」

と下知。ほぼ損害を出す事無く、大垣城への帰還を果たしたのでありました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ