表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

135/168

勝手に

石田三成「過ぎた事は仕方ありません。」

島津義久「其方らを制御するために、徳川殿や毛利殿を使った。ただ……。」


 他家は他家。


島津義久「大事なのは自分。利用出来るものは何でも使う。自家の権益を守るために。それが今の状況だな?」

石田三成「仰る通りであります。」

島津義久「『秀頼様のためならば。』

の者共を失うわけにはいかない。故に徳川方に付いたとは言え、清正を見捨てる事は出来ない?」

石田三成「大恩ある島津様の願いでありましても、聞き入れる事は出来ません。」

島津義久「……わかりました。義弘に兵を退くよう依頼します。ただこれはあくまで依頼である。義弘が拒否する可能性もある。その場合は……。」


 自力で何とかするように。


石田三成「ありがとうございます。」

島津義久「しかしすぐに矛を収める事は出来ない。決定権は其方らが握っているのがその理由。」

石田三成「はい。」

島津義久「まず所領安堵の御墨付をいただきたい。これが届かぬ限り、肥後を離れる事は無い。」

石田三成「わかりました。」

島津義久「その所領安堵の御墨付には……。」

石田三成「秀頼様御自身の名を記載します。それまでの間……。」


 人質としてここに留まります。


島津義久「それで大丈夫か?全国には義弘みたいな輩が機会を伺っているのだぞ?」

石田三成「いくさの場で、私が出来る事は兵站のみであります。私の代わりなぞ幾らでもいます。」

島津義久「義弘から聞いたぞ。先のいくさで、本当に秀頼様のために戦ったのは石田殿だけであった事を。」

石田三成「義弘様に評価していただけるのは光栄であります。ただ秀頼様のために戦っているのは私だけではありません。詳しくは、ここで申し上げる事は出来ませんが。」

島津義久「ん!?」

石田三成「島津様。心配なさらず。今、大坂からこちらに向け兵を動かしているわけではありませんので。」

島津義久「筑後から……。」

石田三成「立花様と秀包様は、島津様と共に家康と相対した仲であります。それに私が出来る事は……。」


 お願いするのみ。


石田三成「『肥後の件は穏便に済ませます。』

と伝えてあります。」

島津義久「清正殿は共通の敵になりますが?」

石田三成「『嫌でしょ。島津と国境を接するのは?』

と書状を送りました所

『今は兵を休ませる。』

との返事をいただきました。」

島津義久「なるほど。うちの名を使って、彼らを制御したんだな?」

石田三成「勝手に名前を使いました事。お詫び申し上げます。」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ