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 電話が鳴った。

 しまった! 会議中なのにマナーモードにし忘れてた!


 慌てて操作しようとする私の手からスマホを奪い取り、社長が鬼のような形相で言う。

「会議中は、マナーモードにしろと言ってあるだろう! このバカ、大バカ! だからおまえはダメなんだ!」

 そして、あろうことかそのまま耳に当てる。


 こういうパワハラや、個人のプライベートを無視したやり方に、私はもう我慢の限界をむかえていた。


「うちの会社はね!・・・」と社長が言い出す前に、電話の向こうから明るい声が聞こえてきた。

「先日の面接の結果、あなたの採用が決まりましたので・・・あれ? もしもし?」

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