表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/5

2 神の信託

 俺たちは街へと到着していた。

 クエルという名の街で、俺たちが属している国であるレイホーニア王国の中でもそれなりに発展している方の街らしい。

 まぁ俺が今までに訪れた場所と言えば、この街か自分の村か隣の村くらいのものだから真偽は定かではないが。


 俺たちはとりあえず街の中に入った。

 神の信託の時間は十二時からということなので、それまではまだ少し時間があるな。


「今が十時半か。場所だけでも確認しとくか。ってあれ、ジャムソンがいない」


「ああ、ジャムのやつならやったーと叫びながら商店街の方に走っていったぞ」


 同行してくれてるおじさんが教えてくれる。

 なるほど、そんなことになってたのか。

 時間までに戻ってくれば全然いいけどな。


 結局そのあとジャムソンはすぐに見つかった。

 そして神の信託が執り行われる場所へと足を運んだ。


「結構人がいるな! 最高だな!」


 ジャムソンがはしゃいでいる。

 信託の行われる場所は軽い広場のようになっていて、大きなテントが設営されている。その中がどうなっているのかというのはまるで分からないが。


「順番に入っていってるな。どういう順番なんだろうな」


「しらねー、ビコンが聞いてこいよ」


 えー、俺かよ。

 仕方ないので係員さんに聞いてきたところ、整理券を配っているということらしい。

 配っている場所にジャムソンと一緒にいき、貰ってきた。


「百五十三番かー、大分さきじゃねーかー」


「今が三十二番ってことだよ。まぁ待つしかないんじゃないかな」


 仕方ないので待つことにした。

 少し待つと俺たちの順番が回ってきた。


「よっしゃいってやるぜ! ここが俺の冒険の始まりだ!」


「全く大げさだな」


 俺たちはテントの中に入った。

 そこにはたくさんの男たちがいた。

 そのうちの一人が口を開く。


「信託は一人ずつでしか行えないルールとなっておる。片方のみ入場されよ」


「えー、そんなぁ、俺たちダチなんだけど! なんとかならないか!?」


「お互いが了承した場合のみ、同席を許可している」


 ということだったので、一緒に入ることにした。

 まぁ俺はどっちでも大丈夫だからな。


「さぁ、それではこの石版に手をかざすが良い」


 案内された先には、光る石版があった。

 石版から上空に一本の光の筋が伸びている。

 なんの力が働いてるんだろう。神の後光てきなやつかな、ちょっと考えても分かんないな。


「よっしゃ! じゃあ俺から行くぜ!」


 ジャムソンが意気揚々と、前に進んだ。

 そして石版にバッと手をかざす。


「さぁ、どうだ! これで何か分かるのか?」


「ふむ、ふむふむふむ」


 男のうちの一人が石版を凝視していた。

 石版には文字が浮かび上がってきていた。凄い仕組みだな。


「よしわかったぞ。お主の能力は『トイレが近くなる能力』じゃ!」


「え、な、なんだよそれぇ」


 ジャムソンは爆死したらしい。

 まぁそんなことだろうとは思ってたよ。てかその能力ってデメリットよりの能力な気がするんですが。大丈夫なのかな。


「あ、あぁ、なんだか腹が痛くなってきた……」


「能力が効いてきてるんじゃない?」


「あ、ああああ…………う」


 ジャムソンはなんとかこらえようとしていたが、途端にスッキリとした顔になった。

 ズボンを見てみれば、なんとなく後ろが盛り上がっているような気がする。


「く、臭い!」


「なんじゃこの匂いは!?」


「こ、こいつが原因じゃ!」


 男たちは余りの臭さに飛び上がっていた。

 ジャムソンは外につまみ出されていた。

 あーあ、かわいそうに。でも便をパンツで受け止めるような奴と友達でいたくないから、もうさようならだな。またどこかで会おう。


「さて、お次は君の番だ」


 そしていよいよ俺の番が回ってきた。

 はぁ、やっとか。どんな能力でもいいけど、せめてデメリットにならないような能力にしてくれると助かるな……大丈夫かな。


 俺は恐る恐る、石版に右手をかざした。

 そしてしばらくしないうちに文字が浮かび上がってきた。


「む、むむむむ……とう!」


 男が文字を読み取ったようだ。


「よしわかったぞ。お主の能力は……えーっと……『世界第三位の能力』……? じゃ!」


 男が若干首をかしげながらも能力名を告げた。

 ……え、ちょっと待って、よく聞き取れなかったけど、世界第三位の能力って聞こたんだけど……。


「あの、もう一度教えていただけますか?」


「ふむ、やはり何度見ても間違いない、お主の能力は『世界第三位の能力』じゃ!」


 お、おう、やっぱり聞き間違えじゃなかったんだ。

 世界第三位の能力……なるほどな、うん、さっぱり分からん。何度考えても、逆さまにしてみてもまるで能力の詳細が読み取れない。


「え、えーっと、すみません。世界第三位というのは、何が世界第三位なのでしょうか……?」


「さ、さぁな。我もこのパターンは始めてでな。ちょっと理解できない」


 なんじゃそりゃ。神の信託補佐の人が理解できなくて、どうして俺に理解できるというんだよ。本当に意味が分からなすぎる……


 俺はとんでもなく謎の能力を引き当ててしまい、途方に暮れるしかなくなってしまった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ