ウィックスの爪痕
僕は木の上に隠れつつグランドマザークリスタルに近づく人に注目すると、懐かしいメンバーがいた、僕たちの元パーティメンバー達だった
先頭にはクリィヴ、後ろにはレーマとミーキャ
どうやらクリスタルの捜査と採掘を目的に動いているな……
それにしてもこの光景は懐かしさを感じるな……僕は彼らのパーティのエースと言われてたが実際はサポーターとして、気配察知能力、ギブバッシュによる上空からの偵察とか色々やったな……
何故戦わないのかって?そりゃ派手にやったら楽にはなるだろうけど3人のやることがなくなるからつまらない。
それに当時の僕は戦闘力を隠し続けた、再生能力と生命の生成、あと気配察知だけを表向きにしてサポーターに専念していたな……3人がヤバくなって僕が本気出した事が処刑のキッカケだったな……
「ここら辺はクリスタルが落ちた衝撃で気性の荒い魔物が増える、万が一に備えろ!」
クリィヴがパーティ全員に喝を入れる
まぁ彼らは腐っても元最高ランクSS冒険者、僕が抜けてからは降格されたがA級クラスくらいの実力を持っている、クリスタルで魔物が強くなっていたとしてもここらの魔物に負けるはずが無い、よって僕が出る幕は無い、帰ろっ!
◇
クリィヴ一行の道中
「……こんな時にウィックスがいれば……」
「全くクリィヴ……逃げた男のこと考えてもしかたないわよ」
下を向くクリィヴにレーマが励ます
「いや……ただ今の状況ならウィックスが辺りを偵察するだけで目的地までの道のりがかなり楽になる、俺はウィックスの抜けた穴を埋めるため感知スキルを習得したがウィックスには遠く及ばない……」
「はぁ……私たちはSSランクに対する執着は無いんだからもう少し気楽に行きなさい、それにウィックスの代わりになろうだなんてバカな事考えるのはやめにしてもっとリーダーらしくしてなさいよ、これでもギルド長なんでしょ?リーダーがネガティブな表情してると皆んなが不安になるわよ」
「悪いな……だがウィックスは俺にとっては……結構大きかったからな……」
と言いながら木に登り、小型の測距儀で目的地の距離を見定め始める……
「……でも、皆んなの前ではそんな顔しないでよ?」
「……わかってる、それと暗算だがこのペースで歩けば目的地まであと20分くらいだ」
これは良くウィックスがやっていた距離の計算、そしてこの測距儀はウィックスのお下がり
「はぁ……確かに穴埋めは必要だけど、身の丈に合わない事はあまりしない事よ、サポーターを雇うなりしてどうにかしたら」
「自分のことは自分が一番理解しているつもりだし代わりのサポーターもアテがある、だがその話は後だそろそろ行くぞ」
◇
「ウィックス……ごめん……」
「僕こそ一人にしてすまなかったよ、でも身を守るためなら仕方ないさ」
キッチンのコンロは砂利で制圧されていた、火は消えているが材料ごと砂利で埋まってしまっていた。
「掃除は僕がするよ、デボレーション」
と言うとウィックスの腕がスライム状となり膨張し、キッチンを覆う砂利を包み込む、そしてウィックスの腕が元に戻ると砂利と材料が消えていた……
「さっ作り直しだ、材料はまだまだあるからね」
「その……材料持ってくるね」
クロニーは反応に困ったが料理の続きをする事にした
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