拒絶された理由
僕はウィックス、パーティから、そしてギルドから追い出された可哀想な男。
決してギルドやパーティの方々が酷い人だったからではない、むしろ良い人で常識がある人ばかりだった、そして僕の優れた能力値を買われてそこそこ歓迎してくれた
だけど僕の存在は世界に拒絶された
◇
「クリスタルアーキテクト」
僕は街からすこし離れた場所、そこでスキルを発動する、すると地面から青く輝く結晶が生成され家の形に変わっていく……
もう僕は人間社会じゃやっていけない事を認めてここでひっそりと生きよう……
そもそも今行ったスキルは異例中の異例もいい所、そもそもこの世界では魔法だけで長時間残る構造物を生成することは不可能に近い、他の作品でも魔法だけで建築するシーンは少ないはずだ(筆者の偏見)
「さて、雨風防ぐ家は立った、後は」
ザッ!
僕は背中に翼を生やした、その姿はまさに悪魔そのもの、直後、熊の魔物の首が落ちた
何が起こっているか分からないと思うから説明すると、僕は生物の気配を察知したので一瞬でそこへ向かい、今のように熊に攻撃をしている所だ、ついでに今は魔法なんて使ってない、素の身体能力でこの速さを実現している。
これが僕が拒絶された理由の一つ、戦闘形態の異様さと異常なまでの気配察知能力、さらにこの暴力的な速さ、まだまだ他にも理由があるんだけど例えばこういうの
「デボレーション」
ウィックスの全身は液状化し熊の全身を覆い尽くすと消えた、まるでモノをハンカチを被せたら消えるマジックのように消え失せた
これが僕の食事だ、口からでも食べられるけどこっちの方が時間的にも栄養的にも効率が良い
「次は安定した食料の確保だな…クリスタルアーキテクト」
家の次は柵を生成する
「ギブバッシュ」
僕は魔法を発動させると地面から羊が生成される…
僕は生き物を作る事が出来る、本来生物は必ず子を産むためのプロセスが必要だがそんなもの僕にはない、しかし僕が作る生物は魂がない、ゾンビとかに近い傀儡である
この生物としてのルールを逸脱した能力の数々、拒絶されるに決まってる
「クリスタルアーキテクト、ギブバッシュ」
さらに畑も作った、これで食料には困らない、そもそも僕という存在に困ることは人間関係以外ほぼない、ハハハ!
……寂しい……さっさと羊から羊毛取って家帰ろ
◇
よし……あとはベッドを作って後は家に運ぶだけ……
家の中には入った、その時だった
ぐちゃっ
「い"い"ぎぃや"ア"あ"ぁっ!がっ"!」
部屋の角に小指をぶつけ、壮絶な悲鳴と共にその小指が飛んだ
その痛みに耐えきれずベッドを地面に落とし地面にうずくまる
僕の体はなんせ防御力が意味がわからないくらい低い、スライムといい勝負が出来る自信がある。
戦闘ならシ○アの「当たらなければどうということはない」理論でなんとでもなるが不意の事故だけはどうしようもない
そういえばギルドにいた頃、仲間と飲みに行っていた時背中を叩かれて思いっきり血を吐いて倒れたな…
早く痛覚を切るんだ……
僕の痛みは消える、僕は自在に痛覚をシャットアウトが出来る、たださっきは唐突な痛みに気が動転していただけだ。
にょき……
そして吹っ飛んだ小指は再生した、もう何が起こっても驚かないと思うが防御力を代償に再生能力はめちゃくちゃ高い、なんならもげた腕もニョキニョキ生え変わる。
もう寝るか……小指が飛んだ痛みでヘトヘトだ……
僕は作りたてほやほやのベッドに横になった……
結晶魔法
クリスタル〜で始まる魔法で発動後も恒久的に残る性質を持つまた常に生命の源マナを生成し周囲に散布し続ける特徴を持つ、ウィックスの再生能力の高さは莫大なマナの生成能力によるもの
登場人物
ウィックス
身を守ることと常識的な行動以外はなんでもできる男、生きる世界をギリ間違えた男
趣味 寝ることと農作すること、本を読むこと
好きな言葉 晴耕雨読
名前の由来 第一次世界大戦前に100隻以上量産されたアメリカ駆逐艦、量産型の名前で大丈夫か?
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