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カラーイメージシリーズ

傲慢な剣士が王座に座る話

作者: リィズ・ブランディシュカ



 あるところに、凄腕の剣士がいた。


 剣帝。剣神。剣鬼。剣聖などと呼ばれるような男が。


 その男は、とても剣の扱いに秀でていた。


 だから剣士として男の右に出る者はいない。


 何人も男に挑戦したが、その全てが敗れ散った。


 だからだろう。


 その男は、傲慢になっていた。


 傲慢になった男は、自分の剣の力でどこまでの事ができるか試そうと思っていた。


 さっそくその剣士は、他の剣士に指図をして、人々を困らせた。


 男が望んだのは、女、金、食い物。


 エスカレートしたら、権力、土地。


 など。


 様々な物を、力で奪い取っていった。


 自然と、お尋ね者になった男だが、そんな男に従う者達も大勢いた。


 おこぼれをあずかろうという目論見で。


 ゆえに、配下の剣士たちは、増えていった。


 というのも、配下の剣士たちは困っていたからだ。


 数年前までは、、戦で仕事がたくさんあったが、今は平和になっていた。


 だから、職につけなくなった剣士が、ごろつきと化して、野盗のような行いに手をそめていた。


 力のある物につけば、おこぼれに多くありつける。


 そう考えたのが理由だった。


 やがて、凄腕の剣士は、国を手に入れようと考える。


 国を手に入れるためには、王を倒せばいい。


 そう思い、平和な時代を終わらせ、戦をおこすことにしたのだった。


 指図された剣士たちは、凄腕の剣士の言葉を聞いて行動を起こす。


 村や町を襲って、略奪したり、近くの国がいがみ合うように、互いの国の兵の仕業だと偽装した。


 彼等の目論見は成功して、戦は起こった。


 大勢の血が流れ、憎しみが蔓延し、死体がうまれ、武器が製造されていった。


 凄腕の剣士は、いつも戦では一番に飛び出して、戦場で暴れまわり、血しぶきで真っ赤になった。


 戦場から帰るのは一番遅く、帰らずに次に戦場へ向かう事もあった。


 凄腕の剣士は、見る間に拡大していく戦火を見ながら、大喜びした。


 己剣の腕を持って活躍した剣士は、やがて一つの国の英雄となった。


 敵対する国の王の首をはねて、王座を奪ったからだ。


 そして、一つの国が滅んだ。


 結果、戦に勝った国の人々は喜んだ。


 だが、そのわずか数日後に、自分の国の王様を失う事になった。


 剣で綺麗に首をはねられていた。


 その王に、息子や娘はいない。


 なので、人々はやむおえなく戦を勝利に導いた英雄を、王の座へ座らせることにした。



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