プロローグ
※二作目です。
※2人で書いてます。
※毎度同じく拙い文章すみません。
※ゆっくりのを書かずにこっちを書くとは何事だ!と思うかもしれませんが許して下さい。
※打ち切りにしたりしません。
※プロローグだから短いですけど次からは沢山書きます!
僕は御手洗 大知、高校生だ。
期末試験も終え、僕等は夏休みに入ろうとしていた。
夏休みだからといって楽しみがある訳でもない…
去年の僕ならそう思っていただろう!
なんと言ったって今年の夏休みは小学生の頃からずっと好きだった幼なじみの日紗霧 愛莉と出かける予定があるのだ!
そして、その日、僕は想いを彼女に伝える。
断られても後悔はない……いや、断られたら落ち込む。
まぁ、そんなことはさておき、二人で出かけるというのが言葉では表せないほど嬉しいのだ。そうだ、服装も格好良いものにしないとな。準備するものは……なんて遠足前の小学生かと思うほど準備の段階で興奮していた。
そんなことで浮かれてると、突然後ろから
「夏休み楽しみだね!」
と愛莉が声をかけてきた。
「うわぁぁぁぁぁぁ!」
驚いた僕は後ろを振り向くと同時に尻もちをつく。
「なんなの、私が化け物みたいじゃない」
と愛莉が言う。
「いきなり声をかけられてびっくりしただけだよ…」
と返す。
「意外とビビりなのね」
と愛莉にからかわれ、
「ははは…」
としか僕は返す言葉が思いつかなかった。
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夏休みに入り、愛莉との約束の日となった。約束までの間に、ファッション雑誌を読み漁り、ネットでも話題沸騰中の服装を調べてきたため、オシャレには今回自信がある。
張り切って集合場所の駅前の広場で愛莉を待っていた。約束の時間まであと五分となっても一向に彼女の姿が見えない。
内心不安でいっぱいだったが、
「遅くなった〜」
という彼女の声が聞こえた。愛莉は可愛らしいワンピースを身にまとい、肩まであるセミロングの髪を風に靡かせて、小さめのバックと少し高めのハイヒール姿でいた。一言で言えば"可憐"だった。いつもの二倍、いや百倍と言っても過言ではないほど綺麗なその見た目に魅了された。
「だ、大丈夫だよ」
緊張気味に僕が答える。
「それじゃあ行こっか!」
と彼女は言い、僕の一歩手前を既に歩いていた。
それからは本当に幸せな時間だった。オシャレなカフェでパンケーキを一緒に食べたり、遊園地で一緒にジェットコースターとかメリーゴーランドに乗ったり、夢にまでえがいた情景がここに広がっていた。最後は僕のリクエストでこの辺りで一番高い山に行った。高いと言っても登山用の道具が必要なわけではなく、普通に誰でも登れる高さの山だ。頂上に登りきった僕等の目の前には、木の低いフェンス越しに、街の風景と夕景が映り込み、鮮やかな景色を生み出していた。
夕日で照らされ、紅く染まる君の頬を見て、緊張と恥ずかしさで赤面する僕は覚悟を決めた。どんな結果でも後悔はない…はず。
思い切って言葉を発する。
「あ、あの!」
その一言を言った瞬間に心臓を吐き出しそうなくらいにドキドキする。
逃げてはダメだ。
ここで全て決めるんだ。
「僕と…!」
さらに心臓は鼓動する。可憐な彼女の頬はさっきよりも紅みを増す。恥ずかしさで本当に胸がいっぱいだった。
「……どう、したの?」
彼女の一声でまた心臓が高鳴る。
ここで決めるんだ。
ここで決めなきゃ意味が無いんだ。
「つっ……」
この一言を発しそうになった瞬間、辺りが一気に禍々しい光に包まれる。
「え…?」
足が引きずられる感覚に陥った。思ったように声も出せない。はち切れそうな痛みが全身を襲う。
あぁ、クソ。
力も出ない。
何も出来ない。
朦朧とする意識の中、愛莉の言葉が聞こえた。
「た、いち…」
その声を最後に僕は完全に気を失った。