第1話 異世界よ、私の家に食い込むな
異世界が来ます。
「異世界転移」 最近よく聞く言葉だ。何らかの原因で異世界に飛ぶやつな。それでチート手に入れたりして無双したりさ。でもさぁ。異世界が現実世界に転移することってあるか?
突然目の前にスライムが現れた。私の家は半分になっていて、もう半分は「森の料理亭」とやらになっている。そしてゲームでよく見たステータスとかが見れるメニューが点滅している。
~マスターより召集がかかりました。30秒後に自動転移します~
スライムの粘着質な移動音が響く。メニューの点滅が激しさを増す。私は息を吸う。
「私の花のJKライフを返せえええええええ!!」
~マスターの権限により召集します。転移開始~
まばゆい光に包まれ、私と魂の叫びはその場から姿を消した。
パチリ。目を開けると木の天井が見えた。そして騒音が耳に入って来る。
「先生!美月起きました!」
懐かしい声が聞こえる。声の方に体を向けようとすると。
「痛っったあ!?」
私の体を縛っていた縄が体に食い込んだ。首はなんとか動いたので顔だけ向けると、懐かしい顔があった。
「香奈!」
星乃香奈。中学のときのクラスメートで私の中では一番仲の良かった女子だ。
「美月さん、起きたのね!先生が誰だかわかる?」
由希先生だ。中学2年のときの担任の。
「由希先生。何がどうしてこうなったんですか?というか縄といて下さいよ!!てかここどこでなんでせんせいが」「落ち着いて下さいね、美月さん。順を追って説明するから・・・」
先生は縄をほどきながら説明をしてくれた。
気が付くと見知らぬ大きな建物の前に立っていたこと。傍に香奈が倒れていたこと。ギルドを作りますかのメニューがでたこと。そして教え子だった香奈がいたので、とりあえずかつての二羽中2年5組の人をマップとスキルで探し、召集したこと。集まってきた教え子の一人が突如獣となり襲われたこと。香奈と他のクラスメートと協力して、その獣を縛ったこと。それ以降警戒して召集された子を縄で縛っていたこと。
「事情はわかってもらえたかしら?まあとりあえず・・・。ステータスを見るなりかつての級友と喋るなり、この建物から出ないで過ごしてね」
「わかりましたー」
先生の話は6割ぐらいしかわからなかったが、なにはともあれステータスの確認だ。異世界転移といえばチートでしょう!!カモンマイステータスッ!
如月美月 種族 人間 ギルド所属
レベル 42 魔術適性有
異名 自然の精霊
スキル 風魔法
な、何とも言えない・・・。
閲覧ありがとうございました!いろいろ詰め込みすぎる予定の拙い小説ですが読んでいただけると作者が喜びで踊ります。(嘘です)
次回、第2話 異世界よ、私の友達はもっといるからな
お楽しみに!