0話 生前
とある鉄道会社に入社し
4年目となった山内良介は
車掌として働いていた。
その日はもう少しで仕事を終えるところだったんだが
あんな悲劇が起こるとは、、、
しかし彼の物語はそこから始まるのである
(疲れた、、、)
その思考がひたすら続く
いつもと同じ仕事だからこそ
時間が経つのが遅く感じるものである。
そんなことを考えながら車掌としての業務をしている。
会社からは安全を守るために注意する意識を常に持てと
言われてはいるものの
安全管理が徹底されている今のご時世だ
危ないと思った場面に遭遇したこともない
いつも通りの動作をいつも通り行うだけ、、、
機械が正しいことをしてくれるが
アナウンスは肉声がいいらしい、会社の方針だ。
おっとそろそろ案内放送をしなければ
「間もなく終点です。忘れ物にご注意くだ、、、」
ん?いつもの番線と違うぞ?
何かあったのか、、、
そんなことを考えていると
線路から悲鳴のような嫌な音が聞こえはじめ
列車が傾き始めた
やばい、、、!
脱線どころか列車が横転する、、、
お客様の命を守らなければ、、
そう思ってはいるが傾き始めた列車に対して車掌が
出来ることなどない。
今更非常ブレーキなど意味がないことはわかっている。
ならせめて目の前のお客様だけでも!
列車が横転するその直前に
小さな子どもを抱え自らをクッションとして守ることを選んだ。
(これでこの子が助かるかはわからないが、、ないよりは、、、、)
これが彼の現世での最後の思考だ。




