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秘密の色は七色以上  作者: 織山 千蔓
プロローグ
1/2

終わりの日

こっそり投稿しております。

次話投稿まで一年以上掛かる可能性があります(-_-;)

 アリエラは、またあの日を思い出していた。

 人生を大きく変えた、長くて短い一日。あれは何年前の事だったのか、随分前に数えるのをやめたアリエラには、もう分からないが。





「これらは全て、死を覚悟の上で行ったことですから。」

 あの人との会話。


「何でもくれるって言ってたのに!だから我慢してたのに!」

 いつもは明るい人の泣き顔。


「私がお慕いしている方は、私と同い年なのですが、とても物知りで、大人とタイトウ?にお話し出来るそうなのです。」

 安易な気持ちでついた嘘。


「だって、だって不幸そうだったんだもの!私が余計なことをしたばっかりに、あの子は……!」

 幸せを願うばかりに間違えてしまった人の叫び。


「アリエラ様……いえ、アリエラ。我々はあなたを受け入れます。」

 あの人……あの人達の決断。





 嬉しいときも、悲しいときも。楽しいときも、辛いときも。いつもいつも、アリエラはあの日を思い出す。


 あれからもう、何年も経つというのに。

 これでもう、終わりだというのに。


 アリエラは、未だに忘れることができない。






 アリエラは、人気のない道まで来て、ようやく後ろを振り返った。

 直後、以前はよく目にしていた光が、所々ほつれている襟を照らした。

 アリエラはそれを見て、小さく笑った。


 アリエラは、笑いながら最後の嘘をついた。

 目の前にいる人物にではなく、ここにはいない、しかしもうすぐ会えるであろうあの人に聞こえるように。

 なぜなら、それが嘘だと分かってくれるのはあの人だけだと、アリエラは今でも信じているから。



 その時も、そう信じていたから。






 アリエラは、ゆっくりと目を閉じた。

 そしてまた、あの日を思い出していた。

次話は大分残酷です。

苦手な方は、お読みにならないでください!

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