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彼方で綴る英雄戦記  作者: セイラム
終焉へ向けて
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種明かし

 ――種明かしをしよう。

 完膚なきまでに敗北したはずの人類に生まれた、僅かな希望の。


 とはいえ、起きている出来事は予測しやすいものだ。

 いわゆる王道、悪く言えば陳腐。


 行方不明となっていた特記戦力。

 

 今宮彼方。

 七宝玻璃。

 エクレール。

 リーリエ。


 その四名の帰還。

 及び生存者である軍人、英雄等の復帰。


 言葉にすればただそれだけのこと。

 戦力が帰ってきたから反撃できた。

 当然の帰結である。



 疑問に対しても答えよう。

 どうして、国民ら非戦闘員から隠れるような真似をしているのか。

 

 答えは単純、数の不足。

 文字通りの壊滅を経験した人類には、圧倒的に戦える人間が足りていない。


 故に、彼らが選択した手段は隠密行動。

 可能な限り自分たちの生存を隠し通すことで、敵の油断を誘う。

 

 以前のように敵が星喰獣であったのなら、このような偽装は意味がなかっただろう。

 だが、既に彼らは知っている。

 星喰獣の背後に存在する、意思を持った脅威を。


 ならば取るべき手はいくらでもある。

 兵の質と量で劣っているのなら、勝つためにはそれ以外で優位を取ることが必須なのだから。



 徹底したゲリラ戦によって相手の孤立した戦力を襲撃。

 優先順位の低い末端を狙い、相手が即座に対応しないように。


 無論、それは楽観的な観測とも言える。

 だがリスクなしで勝利できるなどという世迷言など、彼らが信ずるはずもない。


 リスクは最小限に。

 しかし取るべきは勝利。


 両立のバランスとタイミングは綿密に、そして迅速に。

 綱渡りのような作戦行動を毎日のように繰り返しながら、しかし破綻は皆無。


 奇跡の体現。

 それを可能にしているのは、生き残りが必然的に精鋭揃いなのも理由の一つだろう。


 逆に言えば、奇跡が途切れれば世界が終わる。

 観測できているからこそ、奇跡は連続しているとも言えるのだが。



 張り詰めた糸が切れる寸前。

 それこそが、決戦の火蓋となる。

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