ねこの思い出3「冬に風邪を引く理由」
18歳8ヶ月で逝ってしまったねこの思い出をつづります。
そのねこは、最高にかわいい容姿と最悪な性格をしていました。
寒い冬は人間と一緒に寝るのに限る。
そう思ったかどうかは知らないが、ねこは寒くなると私と一緒に寝るようになった。
ひねくれたねこのことだから、私と一緒に、というよりも、本当は私のベットに付いている電気毛布が狙いなのかも知れない。
ねこと寝るようなって、私はよく風邪を引くようになった。
理由は明確だ。
寒い朝、私は、壁際30センチに追いやられ、布団から半分出た状態になっている。
そして、凍えた私がそこから見るのは、枕をして真ん中で堂々と寝ているねこの姿なのだ。
こんなのねこを退かせばいいじゃない、と、人は言うだろう。私も友人に言われた…
でも、私は、電気を消したら5秒で寝て、朝まで起きない人間。
ちょっと言い訳をさせてもらうと、私は、眠気が耐えられなくなるまで本を読んでいるため、すぐ眠ってしまうのだ。
朝まで何故起きないのか、の理由は不明ではあるが。
そんな私も、ある冬、インフルエンザにかかって三日三晩眠り続けた。
そうなると、さすがに私でも眠れなくなった。
でも、身体はだるいので、休むために横になり電気を消した。
そこで、驚愕の事実に気がついたのだ!
その事実とはこうだ。
電気を消して5分。
私の横で寝ていたねこは、おもむろに起き上がり、私のほほに鼻を押し付けた。
ねこの濡れた鼻は冷たい。
私は、思わず顔をそむけた。
そむけて空いた場所に、ねこはグイグイと身体を入れてきた。
その勢いで、私は、枕から頭が落ちた。
ねこは、枕の場所で丸くなった。
そして、その丸くなった場所から、大きく伸びをしたのだ。
その伸びの両手両足は、私の顔に当たっている。
これは、伸びをしているというより、私を端に押しのけている…
今まで、ねこのやることをそのままうけとめていた私も、そこでようやく抵抗した。
押しのけても動いてやるものか。
何度もグググーッと伸びをするねこは、そこであきらめなかった。
大きくグーッと伸びをしたら、そこで、チョコッとツメを出した。
イテ! 思わず顔をそむけると、ねこはそこにまた、身体を入れた。
そして…何ということだ!
電気を消して10分。
私は、壁際30センチに追いやられ、半分布団から出た状態になっている!
風邪を引く訳だ…
これに気付いた私は、電気毛布と布団の位置を壁際ぎりぎりまで持ってくるようにした。
そのおかげで、風邪を引く回数は格段に減った。
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