8話 廊下、そして上階へ
おうちでアドベンチャー廊下階段編です。
玄関開けたら目の前には手摺ががぶら下がっていた。
手摺の向こうには逆さまになった隣のアパートの屋根が見える。
その下には空が広がっている。
ありえねー。
落ちたら死ぬって経験したこと無いわ。
やっぱ行くのやめようかなって気持ちがむくむくわき上がるが、軍手した両手で顔を叩いて気合いをいれる。
行くしかないだろ!
玄関を跨ぎ廊下の天井へ移動する。
足場になる天井は室内と違ってコンクリで、しっかりしてるんが足元に手摺が無いのが
どうも不安だ。
ラ○ュタでパズーよくあんな風にズンズン歩いてたな。
飛び移ったりなんて出来ないぞ。
もう○ルス唱えたい。
それにしても、うちのマンション、外廊下に天井あってよかったわ。
最上階だと無いとこあるしな。
無かったら出ることも出来ない。
いきなり終了だった。
廊下に出されたチャリやプランターが散乱している中を足場を確かめつつ、檻の様に左手に天井からぶら下がっている手摺に手を添えながら廊下を進む。
途中で蹴っ飛ばしたプランターが転がり廊下から空に落ちていった。
普段だったら下にいる人の心配をするシチュエーションなんだけどな…
今は明日の我が身をプランターに重て震える。
さっさと下の階…じゃないな、今は上の階まで行こう。
廊下の端にあるエレベーターと階段があるところまでたどり着いた。
エレベーターは押してみたが電気がつかない。
そりゃそうだ。
予備電源があるような立派なマンション様じゃない。
まぁ動いたとしてもこんな状態で乗る気にはならないけどな。
ビビりな俺はもちろん階段を使うんだが、そもそも階段なんて無い。
正確には階段だったものがある。
階段の裏側も階段の形になってるやつなら良かったんだけどな。
きれいに斜面が延びていた。
剥き出しのコンクリとかじゃなくて、
なんかツルツルした素材でコーティングされている。
ペンキで塗るとこうなるのかな?
滑り台だよこれじゃ。
昔のバラエティー番組みたいな嫌な角度だ。
勢いよく滑って落ちれば廊下をスルーして
空へまっ逆さまだ。
ガキの頃ならテンション上がる遊びだが
あいにく今はガキでもないし遊びにもならない。
普通の難関だ。
「よし!」
軍手した両手で再び顔をパンパンと叩き、
気合いをいれる。
とりあえず手摺に掴まりつつ登り始める。
手摺といってもぶら下がっているため強度も心配だし、あまりこころもとない。
が、ないよりまし。
何度か足を滑らせながらも、ほどなく踊場到着。
えっと…マジで怖い。
たった10段分くらい移動するだけでも恐い。
もう帰ってもいいですか?
こんなおっかなびっくりな感じで大丈夫なの俺?
進む度に不安を募らせながら俺は1階へと向かったのだった。
話を進めるの中心でディテール荒いとこが散見されるんで、
暇を見て詰めて行こうと思います。
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20170708
加筆訂正してみましたが原文がえらい短いとこで切っちゃってるんでいかんともしがたいな。