7話 じっとしてはいられない。
そろそろ外出させます。
これは夢じゃない。
さっきまでとは違う現実感に俺は支配されていた。
いや、これは現実感とゆうより危機感か?
思えば朝起きるきっかけになった怒号の原因はこれだったんじゃないのか?
俺は四つん這いの状態からぺたりと座り込んで外を眺めた。
人の気配がまったくしない街並み。
時間的に通勤通学の時間帯のはずなのに。
この辺は普段、抜け道になっていてけっこう車も通る。
なのに一台の車の姿もない。
そりゃそうだ。
落ちたんだみんな。
外にいた人間全員あの空に落ちたのだ。
車も電車も全てあの空に飲み込まれたのだ。
どんなタイミングでどうゆう風に世界がこうなってしまったのかわからないが、あの時
外にいた人間は全て残さず空に落ちたのだ。
おびただしい数の人間が死んだのだ。
一瞬で。
なんの痕跡も残さず。
俺は…どうすればいい…
ただ外を眺めた。
少し離れたマンションの一室に人の姿が見えた。
外にいた人間は死んだかもしれないが、
中にいた人間なら…
とりあえず病院へ行こう。
母さんが病院にいたのらまだ生きているかもしれない。
病院に行けば…
俺はわずかな期待を胸におもむろに立ちあがるとスボンのホコリをはらった。
「痛っ」
手のひらを少し切っていた。
割れた窓ガラスがこの辺りにも飛び散っていたみたいだ。
キッチン辺りに転がっていたミネラルウォーターでざっと洗い残りは太もものポッケに突っ込んだ。
「これは軍手いるな。」
外に行くなら必要になるだろう。
確か物置きにあったはず。
そのままリビングを出て玄関横の倉庫を物色する。
赤のラバー軍手を見つけ装着。
他に使えそうなのはダクトテープとビニヒモくらいか?
部屋から持ち出したザックにダクトテープ二本とビニヒモ一玉突っ込む。
懐中電灯とかは…無いか。
非常時に対する危機管理がなってませんねこの家は。
もしかしたらあの物オタクな母さんなら持ってるかもしれないがあの部屋を物色していたら日がくれる。
念のためリビングを物色し未開封のお茶二本とシーチキン三個、袋入りの餅(正月の残り)をいくらか突っ込んだらもうザックがイッパイになってしまった。
ん~いらんもんばっかり入れてしまった気がする。装備としては不自由極まり無いが致し方ない。
あっ携帯どうしよう。
朝飯の時に癖でいじろうとしたんだが
電波が入らないんだよな。
電気なんか止まってそうだし時計くらいにしかならないか?
まぁ何かの役にたつこともあるかもしれないしね。
ってわけで鞄に予備バッテリーと携帯を突っ込んだ!
さて、準備は出来た!(万全とは言ってない)
けっこう恐いが、ここでじっとしてるわけにはいかない。
いざ!外へ!
俺は玄関の扉に手をかけた。
「待ってろ母さん!」
やっと部屋から出ます。