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昔はあんなに近かったのに。
「ねぇ?」
「どこ行くの?」
私は、あなたにそう問いかけた。
けれども、帰ってこない答え。
最後に「じゃあ、行ってくる」とだけ言うあなた。
それが、とても切なく感じて―――――。
なんで、こんなことになってしまったのだろう?
いつもいつも、私の恋愛は冷めてしまったコーヒーのよう。
冷たくてほろ苦い、悲しい味で。
それは、誰も飲もうとは思いもしない、ただの邪魔者。
そんな私はあなたに惹かれてしまって。
恋を恋だと知った時、気付けば私はあなたを好きだった。
何をしていても、頭に浮かぶのはあなたの存在で。
一人でいても、寂しくなんてなかった。
悲しく感じたこともなかった。 生きてきた中で、一度たりとも。
けれど、あなたは変わってしまった。
昔の私が知っているあなたではなくなってしまった。
なんで変わってしまったの?
昔は、あんなに近くで感じられたのに。
なんでなの?
私の“好き”を返してよ。
心が心だと気が付いた時、私は心を失っていた。
何もかもを私から奪っていったあなたは、一体どこに向かっているの?
悲しい、二人の恋人たちよ。