3角関係の恋 若葉は肉食!?
大地目線で書きます。
僕はテレビ出演してこそ、人気が上がるものだと思っていた。
でもそれは違った。
テレビに出るからとかの考えじゃなくて、歌や歌詞、すべてが100%がんばれば
必ず誰かが見てくれることだと気づいた。
「あのさ、テレビ出演は今月は控えてみない?ラジオを主にやって」
と千葉が提案をした。
ラジオ活動だけだと、1週間がオフだらけで
ぐうたらな日々が続く気もしたけど、今まで千葉のいうことを聞いていると
いつも良い方向へ行っている気がする。
だから僕らは
「いいんじゃない?」
それしか言えなかった。
そして5月2日に入り
今日は仕事がない日で、CD作成も歌詞作成も特になく
3階の大きいテーブルのあるところに全員で座ってた。
だけど、全員違うことをしている。
でも、相談や仕事の話がすぐに出来るので中々自分の部屋に
行こうとしないメンバーたち。
僕はふと、あのことが気になって、若葉を別の部屋に連れ出した。
「千葉とはうまく行ってるの?」
「え?どうして、今聞くの?」
「いつも2人は笑ってるけど、付き合ってる気がしなくて」
最近は2人を見ていても
仕事に関してで笑っているところは見ているけど
オフのときはちっとも一緒に居ない。
イチャイチャしてるところなんて1ヶ月ぐらい見てない。
「千葉と一緒の寝室でしょ?だからそのときに・・」
「イチャイチャするの?」
「イチャイチャするわけないじゃん。」
イチャイチャってそもそもなんだろう。
そう思い始めたけれど、そのまま話を進めた。
「で?」
「キスもないし、抱きしめるのもないよ~。」
「ふ~ん」
なんだ、つまらない・・。
そのまま、テーブルのあるところへ戻った。
そういえば、聖夜・・最近、姿を見せていない。
心配になった僕は聖夜の部屋へ向かった。
「どうしたの?」
「・・・・・・・・・・・」
何を言っても返事が返ってこない聖夜。
ちょっと顔色が悪かったので
3階に連れて行き、薬と水を飲ませて、ソファへ横にならせた。
当然新も心配になり
「大丈夫か?」
千葉は1階に行っていたので聖夜の状態に気づかず・・。
若葉は僕のさっきの質問をしたせいで
自分の部屋へ戻ってしまった。
「俺、具合が悪いだけ・・部屋に戻るから・・」
「俺もついて行く!」
そういって新と聖夜が聖夜の部屋に向かっていった。
誰もいなくなった、リビングに1人、テレビを見る。
なんか、こんな日、なつかしいな・・。
昔、インディーズ時代の時はこんなもんじゃなかった。
もっと暇で、やることなくて
ゲームとかばかりやりにいってて・・。
「はあ~」
そうすると千葉がリビングにやってきた。
「仕事終わったの?」
「仕事なんてないさ~仕事なんてないさ、」
歌いながらソファに座り、昨日にマネージャーからいただいた
音楽雑誌を読み始めた。
そのとき、僕の携帯に1件のメールが入った。
「明日、急遽、北海道に行って、緊急ライブを開きます、運動や発声の練習よろしくおねがいします。」
緊急ライブはたまにあって、今まで出したシングルを歌うだけの短いライブのこと。
いつもスケジュールが暇な日にやってくる。
これもメジャーデビューしてから経験することが多くなった仕事。
「だってさ」
「よし!何キロか走ってこようかな~」
千葉は最近、体を壊しやすいため、ライブ前には必ず走るようにしている。
「おれさ、ラジオをレギュラーにしてもらいたいんだよね。」
「え?今さら?」
「だって、暇っていう日がひとつなくなるわけでしょ?」
「いいんじゃない?」
そういって、動きやすい格好をして、走りにいってしまった。
その間に、曲のちょっとしたアレンジと
コメントやおしらせがあったかなどを自分の部屋で調べた。
現在は春。なので、春っぽいゆったりした音に多少変えてみた。
これは千葉に頼まれたことで、自分の意見だけで変えたことではない。
そこに新が部屋に入ってきた
「聖夜の部屋に持っていったコップ、また割っちゃったけど、いいのか?」
「若葉に買ってきてもらおう。明日は緊急ライブになったんだ。」
「そうなのか?」
「千葉は走りに行った。若葉は何やってるんだろう・・・。」
気になったので、若葉の部屋に入ってみた。
ライブのことを伝えるために
「若葉?」
「な、何・・??」
「緊急ライブが明日入ったから、準備よろしくね。」
すぐに部屋から出た僕だけど、なんか違和感を感じた。
いつもの若葉じゃないっていうか・・か弱いオーラを出しているというか・・。
階段を上ろうとした時、若葉が僕に抱きついてきた。
「大地、わたしは大地が好き。」
一瞬、何があったか、分からなくなった。
若葉は僕のことが好き?
千葉は若葉が好き?
そして僕は誰が好きなのかな?
この3つの疑問が重なったとき、僕は言葉を失った。
「あ、あのさ・・・千葉、もうすぐ帰って・・。」
千葉が目の前にいた。
ジャージ姿で立っている千葉。
「やっぱり、恋愛は禁止にしない?無理だよ、幸せ者だけってのは。」
その日から恋愛は禁止になった。
ブログにもホームページも炎上したコメントがずらりと・・。
マネージャーも削除作業を丸1日やった。
それでもコメントはすべては削除しきれず・・。
こんな状態で緊急ライブを開いた。