42話 〜予想外〜
頭痛くて投稿するどころじゃなかった……
「ファーシア様、起きてください!」
まだ太陽が出切っていない朝。
マリアさんに叩き起こされた私の視界はまだぼやけている。
でも、彼女の顔に焦りや、戸惑いといった感情が浮かんでいるのだけは見える。
「街が襲われてるんです!」
……え?
「何に?」
「昨日の軍隊にです!」
──どうして?
確かに、撤退するって言ってたはずじゃ──
「わかった。すぐに行く。」
私はベットから飛び降りる。
……のだけど。
「──ください!?」
気がつけば、マリアさんに身体を支えられていた。
……どうして?
「──シア様、起こしておいて──らした──かもしれません。」
「待って──」
私は一旦、ベッドに腰掛けた。
まず、現状を把握させてほしい……
身体は別に痛くない。
意識は一応は、覚醒している。
眠くない。
問題は──この立ちくらみ。
さっきから、意識が点々と抜け落ちている。
寿命を迎えた豆電球……というより、十字路に置かれた黄色信号のような……
私は一度、深呼吸する。
少しだけ、点滅するまでの間隔が広くなった気がする……
そういえば──
「そういえば、お姉ちゃんは?」
「アスピア様は、住民の避難誘導兼、敵の殲─を行って──。しかし、この──こちらの軍隊の到着は──れるでしょう。」
なるほど?
つまり……大ピンチってことだね?
「私も行くよ。」
「いえ、ファーシア様に無─をさせるわ──は……」
点滅する視界の中で、不安そうにしているマリアさんの顔だけが見える。
昨日、アスピアを連れ戻しに行く時なんかよりも暗い顔。
まぁ……今の私は明らか病人だし……
「大丈夫、少しずつ治ってきたから。多分、もうそろそろ歩けるように……」
私はベッドから飛び降りる。
一瞬転けかけたけど、すぐに体制を立て直す。
「でも……ファ──様に……」
「私は大丈夫だから。あれだよ、授業聞いてて眠い時、話を聞きながら目を閉じてるあれ。あの感覚だよ。」
多分──そう言って誤魔化す。
マリアさんも。
私も──
「……わかりました。─けど、私のそばから離れない───さいね。何があるか、わかりませんから。」
「わかった。」
私は歩き出す。
3歩目で崩しかけた体勢を、無理やりにでも治す。
教会の出口に出るまでも、気が遠くなるほどの時間がかかる。
でも止まらない。
教会を出たところから、マリアさんに支えられながら歩く。
足元が瓦礫で不安定だから。
……もはや介護されてるじゃん、私。
遠くで戦っているアスピアの姿が見える。
とりあえずあそこまで行こう。
そう思った、そのとき──
「お姉様!?」
「貴女は逃げなさい! ここは私が──」
路地裏で、二人の子供と一人の兵士が対面しているのを発見した。
金色の髪で、同じぐらいの身長。
多分、双子なんだろう。
「イッタッッ、何すんだお前。」
まずい──
双子の姉の方が兵隊さんを蹴り上げた。
なんというか、子供のキックの勢いとは思えない速さで。
私は走り出す。
点滅してる視界なんて無視して。
もしかしたらもう点滅していなかったのかもしれない。
「撃ち殺してやる!!」
ほら見たことか。
なんとなく、察してたよ。
私が到着する前に、火薬の破裂する音が響く。
銃弾が双子の姉に向かって走る様子。
それが、私にはスローモーションに見えた。
「待って!」
そう叫んだ時、不思議なことが起きた。
銃弾が私の方に、曲がってきて──
「痛っ!?」
私のオデコに命中した。
その瞬間、私の意識は落ちて──




