38話 〜強襲〜
もしかしたらなんですけど、投稿ペースが落ちるかもしれません。
それだけです。
「アスピア様が行ってしまわれてから、2時間というところです。
今から向かえばきっと、間に合うはずです。」
マリアさんの言葉に、私は──
「ありがとう。必ず、連れ戻してくる。」
そう言って、翼を広げた。
さて、空から行くことにしたのはいいけど……
高度によっては見逃しそうだな。
私は鳥よりは低く、東京の高層ビルよりは高い高度を飛ぶことにする。
しばらく飛んでいると、黒い点を見つけた。
ゴマよりちっちゃく見えたから、危ないとこだった……
迷彩模様を纏った戦車群。
あのどこかにお姉ちゃんがいる。
私は急降下する。
さて、作戦はどうしよう。
流石に表にはお姉ちゃんはいない。
だからって、一台一台探し見行くわけにもいかないからなぁ……
う〜ん……
──よし、決めた。
全部ぶっ壊そう。
うん、いいアイデア。
まとめて潰せばアスピアのいる戦車だけ逃げられるなんてパターンは消える。
それに、街に天使が……戦車群をまとめて潰せる力があることを示せば、侵略を狙うこともなくなるだろう。
多分、これは政治的にも有効な判断。
私は持ってきていた弓を構える。
空からキャタピラを狙って撃つ。
大丈夫、アスピアに習った通りに撃てばいい。
こう……鉄を貫くイメージで……
そこで一瞬、迷いが生まれる。
撃ってしまったら、もう戻れない──
全てを敵に回すかも──
これを……本当に、お姉ちゃんは望むの?──
「今だっ!」
私は弦を放す。
その瞬間、私"流れ"を感じる。
アスピアの時と同じ、オーロラの流れ。
私、やっと掴んだ──
一台、一台と敵の動きが止まる。
無事、キャタピラに当たったみたい。
カラカラと回る音だけが聞こえてくる。
やってしまった──
でも、後悔はない。
マリアさんとも約束したんだから、もう迷う必要なんてない。
「敵襲、敵襲だ!!」
私の下で兵士が騒いでいる。
まぁ、人を撃つわけにもいかないし、地上に降りよう。
できるだけ勢いをつけて。
私が着地した瞬間、砂埃が舞う。
マスクを着けていなかったのか、あたりから咳き込む声が聞こえる。
「貴様、何者だ!?」
煙が晴れると同時に、指揮官らしき人物が姿を現す。
胸にいくつも付けている星のバッジが、彼の階級の高さを物語っている。
「私はファーシア。我が姉アスピアの奪還に来ました。早く、アスピアを連れてきなさい。」
私はあえて高圧的に言う。
力の差を知らしめてやらないと──
「これは契約なのだ! 貴様に──」
「それが私にどう関係するのですか?
契約書もない口先だけの契約、そんなもの、簡単に崩れるものです。」
あなた方もよくご存知でしょう。
そう付け足すと、辺りから──どころか、目の前の指揮官さんからも、ぐうの音が聞こえてくる。
やっぱり、この侵略に対し、敵方にも思うところはあったのだろう。
「わかった……ならば見るがいい。姿が変わってしまった貴様の姉を!」
その瞬間、指揮官の後ろの戦車が爆発する。
そこには──
「お姉…ちゃん……?」
そんなベタな言葉を言ってしまう。
だって、そこに──
……そこには、目に全くの光がない、私の方を見ない──私の知らないお姉ちゃんがいた。




