35話 〜選択〜
結構初期とキャラが違う!ってなることが多くなっちゃう……
アスピアとか初期案ではツンデレっ娘だったのに……
私は一旦、指揮官殿のところに向かうことにした。
「ベイリーさん!」
「民間……お前か。どうしたんだ?」
私はちょっと息を整えてから言う。
「人質の件、どうするんですか?」
「悪いけど、犠牲になってもらうつもりだ。街の技術を失うことは商品を失い、街の経済が回らなくなる可能性があるからな。」
「そうだとしても─」
「お前は気にせず誘導に──」
「アスピア! ここにいたんだ!」
突然、後ろから声がした。
振り返るとファーシアがいた。
「貴様誰だ? 民間人は早く避難し──」
「彼女は私の妹です。」
私の言葉にベイリーさんは苦虫を噛んだような顔をする。
「そ、そうか……まぁいい。人質は犠牲にするしかない。上の決定なのだから、私にどうにもできない。」
そう言って、彼は顔を前線の方に向けた。
「犠牲にって……アスピア、人質の扱いに対する条約とかってないの? こういうの、普通はあるんじゃ?」
慌てたファーシアが聞いてくる。
「昔はあったわね、昔は。ただ、今は技術格差が大きくなりすぎたから、守られてないのよ。」
「格差?」
彼女はどう言うことって顔をしている。
「相手は技術を求めて侵略してるの。まぁ、こっちも戦争の技術はそこまで発展してないからこんな状況になってるんだけどね。」
ファーシアは納得いかないと言う顔をしている。
「アスピア、何か方法はないの? 人質を逃しつつ、技術も取られない方法。」
そんなもの……あったらとっくに使ってるわよ!
そう、言いたい気持ちをグッと我慢して考える。
「……ダメ。何にも思いつかない。」
「そんな……」
私が出した答えに、彼女の顔には絶望が浮かんだ。
そんな顔しないでほしい。
散々あなたは苦しめられてきたの。
だから……もう絶望してほしくない。
……でも、これ以上私にできることも見つからない。
「本当に、私はあなたに何にもできない。」
「アスピア?」
「私、お姉ちゃん失格ね。」
一瞬、空気が重くなる。
残り時間は3分を切ろうとしていた。
「そんなこと言わないでよ。お姉ちゃんはお姉ちゃんでしょ。」
ファーシアがキレた。
彼女の手は震えている。
「お姉ちゃんは弓を教えてくれたし、飛び方も教えてくれた! 天使になったばっかだった私になかったものを教えてくれたのはお姉ちゃんでしょ! だから──」
彼女は泣き出してしまった。
私は何にもできずにいた。
「お姉ちゃん失格なんて……言わないでよ…… もう、家族を失いたくないの……」
そう……そうだったわね。
そういえば、あなたの……ファーシアの家族になってあげるなんて言ったのは私の方からだったわ。
それを途中で放棄するなんて……
うん……絶対に嫌だ。
「ごめんね、ファーシア。私、ちょっと迷ってた。」
私はファーシアに必要か、なんてくだらないことで。
「うん……」
彼女は静かに応える。
「諦めずに頑張ってみる。だから、ファーシアも手伝ってくれる?」
「……うん!」
彼女は笑顔を浮かべた。
さて、じゃあどうしようか。
流石に今から助けに行く!ってのは無理があるし……
そこである一つのアイデアが浮かんだ。
私でしか遂げられない。
ファーシアがいなければ遂げられない、そんなアイデアが。
「ねぇ、ファーシア? 誰1人傷つけずに救う方法があるって言ったら、実行する?」
「……あるの!?」
うん……そりゃびっくりするでしょうね。
ファーシアは今、翼をピンと立ててこちらの話を聞こうとしている。
……でも今言うわけにはいかない。
「じゃあ、ベイリーさん。私に拡声器を貸してくれませんか?」
「あ、あぁ……いいが、なにに使うんだ?」
「大丈夫です。見ててください。」
私は、戦車から取り出された拡声器を受け取り叫ぶ。
時間まで、あと1分と言う時だった。
「交渉させてくれませんか!」
私の言葉に、周りがザワザワする。
ファーシアを除いてみんな。
「お前らの提案を受け入れることに、なんのメリットがある! 早く技術者を連れてこい!」
そりゃそうなる……だろうけど、敵も私の提案を受け入れるはず。
私はもう迷わない。
「私は天使のアスピアです! 技術者の代わりに私を連れて行きなさい! そして人質を解放しなさい!」




