3話 〜暮らしには慣れた?〜
多分これからは、今投稿している別作品と交互に投稿することになりそう。
二日目 ハイカルさんと一緒に書類を崩したけど、終わらなかった。
ハイカルさんは、きっちりと仕事をこなしていた。
三日目 ステラさんと一緒で終わらなかった。
やっぱり終始ドタバタしていて、昨日より仕事の進みが遅かった気がする。
四日目 ハイカルさんと一緒にやって、なんとか終わった。
ご褒美にアイスを買ってもらった。
……美味しかった。
そして迎えた五日目。
仕事の繰り越しがなかったために、いつもより早く終わった。
ついでに今日は掃除の日でもある。
今日の掃除場は三途の川。
その橋は地上での夕方になると人通りが少なくなるため、その間に掃除してしまうと言われた。
夕方って言ってもピンク一色の空模様には特に変化ないけど。
現世と時間はリンクしてるけれど、こっちの空は動かない。
……星が見えないのは、ちょっと残念。
早速掃除をし始める。
ここの持ち場は私一人。
ぱっと見、橋自体は別に汚れてはいない。
だけど、ところどころ亡者が落ちかけていた。
わりと餓死とかだと、霊になってもふらついているらしい。
天に着くまではまともな食にありつけないとかで……
そういえば亡者って、川に落ちてたら地縛霊とかになるんだっけ?
なんかハイカルさんが言っていたような……
そう考えながら引っ張り上げていた。
……魂だけの存在のはずなのに重い。
高校生ぐらいまでの子供は軽いのに、お爺さんになると引っ張り上げるのも一苦労。
もしかしたら、生きてきた年数による“想い“の重さなのかも。
30分後やっと掃除が終わった。
死者リストに載っている人は結構来ないことがあるって聞いていたけど、それでも8人近く助けた気がする。
あと、橋の現世側は結構汚れていた。
幽霊に足はないのに、どうやって足跡をつけるのかな……
現世でいう夕方になり、夜時間の人と交代で帰宅した。
部屋で昨日と同じアイスを食べる。
天国の料理……わりと日本でも食べてたやつ多めだけど、それと比べてもこの“アイス“がお気に入りになっていた。
ハイカルさんには呆れられていた。
「よく同じ味を食べ続けれるね……」
……だって美味しいんだもん。
今日の夜ご飯はラーメン──ってやっぱり天国にもあるのね、ラーメン。
ハイカルさん曰く、現世の文化も最近になって取り入れ始め、服やご飯は完全に現代仕様。
だけどパソコンとか、電子機器は天国では使えない、使えても真空管が使われていた時代のものらしい。
「せめて、代わりになるものは……」
「ない。あったら苦労してない。」
「そんなぁ……」
って会話をさっきしていた。
ラーメンは普通にラーメンって感じ。
ただ、日本のと比べたら、スープのコクも何も負けている印象。
……私もあんまりラーメン食べる人ではなかったけどね。
「さて、明日はファーシアも門番するんだから、早めに寝ときなさいよ。
門番の途中で寝落ちしたら、怨霊どもが侵入してくるかもしれないし。」
「えっ?明日から門番?
しばらくは書類仕事と雑用って……」
「どういうつもりかわからないけど、上司、てか神様がそうしろってさ。
私にも訳わからないよ。」
なるほど、神様からのお告げ。
見たこともない神様からのお告げかぁ……
「神様ってどんな人なんですか?」
直球に聞いてみる。
「うーん、神様って言っても結構いるから、説明するにしても、どこからかなぁ……」
えっと……そんなにいるの?
「まず、ここら辺の部門の管理をするのは“アテナ“様かな。
アテナ様は冷静でいて、なおかつ大胆な人ってイメージかなぁ……」
「アテナ様……ってあの神話の?」
「そうだね。そういえば、地球じゃ有名か。」
アテナ──確か、星座の図鑑に書いてあったっけ?
勇者ペルセウスに“アイギスの盾“を貸し与えたって話。
もしかして、あれって神話じゃなくて実話!?
……いや、神様が関わっているなら神話か。
「でも、地上は“大国主命“様とか、“フレイ“様とか、各地に神様が点在してる感じかな。」
………ん?
この後の話を要約すると各神話の神様が各地の管理を行っていて、ここはどちらかというとヨーロッパ寄りの部署とのこと。
話の途中で私は寝ちゃっていた。
なのでそれ以上のことは覚えていないーー
「それで“ヘル“様は意外と気前がよくて……あれ? 寝ちゃった?」
私、ハイカルはファーシアに神様についての説明をしてた。
だけど、目の前の少女は完全にシャットダウンしている様子。
まぁ、あれだけ働いた後だし、仕方ないかな。
私は少女をそっとお姫様抱っこして、彼女の部屋で寝かせた。
これぐらい、天使ならお安いご用。
去り際に、「おやすみ……」と呟いたのは、彼女には届かない。
でも、私の心には温かいものが流れていた。




