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29話 〜帰還〜

今回遅れてすみません……

私はアスピアの元に駆け寄る。

「お姉ちゃん、毒は!?」


すると、彼女は顔を上げる。

そして、いつも通りの笑顔を浮かべて言う。

「大丈夫、もうだいぶ分解できたから。」


「よかった……」

安堵していると、力が抜けてくる感覚がした。

思わず尻餅をつく。


「ファーシアこそ大丈夫なの?」

「大丈夫、怪我はしてないし。」

そう言って立ち上がる。


「ところで……」

「……何?」

「立たせてくれないかしら……まだ脚が痺れてて……」

そう言うと彼女はゆっくりと腕を伸ばしてくる。


わかった、そう言って私は彼女をおんぶしようとする。

「ちょっと、ファーシア!?」

「ん、なに?」

「何じゃなくて、恥ずかしいのだけど!?」

彼女は顔を赤らめている。


「だからってお姉ちゃん、絶対やめる気はないからね?」

……今までやめてって言っても妹扱いしてきてたのに、自分が不利になったら待ったは都合が良すぎるし。


アスピアがまだ喚いているけど、私は街に向かって歩き出す。

彼女だけでも精一杯なのに、ダチョウの卵を取りに行くなんて無茶はできない。



「そういえば、ファーシア。どうして急に私のことをお姉ちゃんって呼ぶようになったの?」

私はびっくりというか、ギクっとする。

だって、アスピアをお姉ちゃんだって認めた理由なんて、聞かれると思ってなかったし。


「それは……アスピアに死んでほしくなかったから?」

慌ててアスピア呼びに戻す。

指摘されたらなんだか、負けたような気がしたから。


「あっちょっと! だからっていやって意味じゃないのよ!?」

「はいはい……」

無視して歩いていく。



「おかえ……りなさい、ファーシア様アスピア様!? どうされたのですか!?」

教会に着いて早々、マリアさんが出迎えてくれた。


「あぁ……マリアちゃん……ちょっとキマイラに襲われちゃって……」

「キマイラにですか!?」

私がアスピアを下ろしている間、二人がそんな話をしている。


「キマイラってそんなに有名なんですか?」

私が聞くと………

「有名なんですかって、ファーシア様知らないのですか!? この前もキマイラ一体に戦車五台が破壊されたと聞きましたよ!?」

「………えっ?」


マリアさんの話ではキマイラは生態系に属していないモンスターらしく、ここ数年では討伐隊が編成されるようになったとか。

それもキマイラ自体が繁殖方法も、生息域も不明。

急に現れて急に消える災害みたいなものだから分布できないと。

そう、教会の中にあるダイニングテーブルに着いて話していた。


「そりゃそうじゃない? だって、キマイラって他の星の生物だし。」

アスピアが突然、そんなことを言い始めた。


「他の星って?」

「キマイラって普段は他の惑星に住んでるの。普段は天使が監視してるんだけど……」

ん? 普段は“天使“が監視している?


「その天使の中にアスピアって……はいってたりする?」

「えぇ……そうだけど?」

彼女はきょとんとする。

どこから出したかわからないけど、紅茶を片手に。


「負けてたじゃん。」

「いや……だって!! その……」

私の言葉に、彼女はバツの悪そうな顔をする。


「は……初めてだったの!! キマイラと遭遇するなんて!!」

「ちなみに……飛んでこないようにすることは?」

「できるけど……」

「してきて、お願いだから。」


ちょっと怒りをぶつける。

と言うか、カッとなって言ってしまった。

アスピアには……死んでほしくない。


「お、お師匠様に会うときにお願いするから!」

そう言うと彼女は席を立ち、逃げていってしまった。


「よいのですか? アスピア様を追わなくて?」

マリアさんが尋ねてくる。


「だって、そんな危険も何も教えてくれない方が悪いし。

まぁ……お姉ちゃんが無事だったからいいけどさ。」

私の言葉にマリアさんが固まる。

……なんかおかしいこと言った?


「今……アスピア様のことをお姉ちゃんって言いました!?」

あっ……そこかぁ……

アスピアの前だから嫌なだけで、マリアさんの前ならいいかなって思ったんだけど……


「いつからですか? きっかけは? もしかして今朝のあれも!?」

だめだ。これ、ネタを与えてはいけないタイプのオタクかもしれない。

私は、これから密着取材(個人的)が始まるのを覚悟するしかなかった。


この世界では、ギリシャ神話のキマイラも他惑星から地球にやってきてるかも。

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