16話 〜お師匠様〜
曲が……全然書けない!
早く公開できるぐらい上手くなりたい……(独り言)
私たちはお師匠様?のいるかニュートラに到着した。
街並みとしては私たちの街と同じようなレンガ造りの建物が続いているけど、工業化が進んでいない様子。
車がないどころか馬車が走っている。
「私たちのところは割と独立気味だしねぇ……車も街中でぐらいしか使わないし。戦争のせいで。」
そうアスピアは語った。
私たちは大通りを歩く。
道中、ハンバーガーとか売っている出店がある。
絶対アスピアの影響だな、これ。
私たちは30分ぐらい歩いて、教会にたどり着いた。
「でか〜!」
私たちの教会の2、3倍は大きい。
それにステンドグラスとかも大きくて……
何これ、お城かな?
「ね、すごくない? 私のお師匠様! 街の人たちも信頼してるんだよ!」
アスピアの話によると、過去に大きな山火事が発生した時、大雨を発生させて鎮火したとか。
それで神様として崇められているらしい。
本人は天使だけど……
そういえば、雨を発生させられるってどれぐらい高位な方なんだろうか?
少なくとも下位の天使には使えないらしいし……魔法自体。
「お師匠様〜! 修行! 受けに来ました〜!」
アスピアはそう言って細かい装飾が施されているドアを叩く。
すると、屋根の方から高身長で私たち以上に色白な女性が降ってくる。
え……降ってきた!? 着地とかどうするの!?
そう思っていたらストンと着地した。
「やあやあ、アスピア。よくきたね〜。どうだ? お茶でも飲んでかないか?」
そう言ってノータイムでアスピアの頭を撫でる。
そして、撫でられている本人も抵抗しない。
これが二人の間では普通なのかな?
「さて、どうやら招かれざる客がいるみたいだが?」
そう言って、“お師匠様“が私のことを睨みつける。
その眼は全く笑っていない。
「何の用だ、堕天使。貴様がアスピアを唆したのか?」
うん……そういう反応になるよね……
向こうからしたら私は裏切り者、弁解しても意味なんてなさそう。
というか、唆すって何!?
なんもしてないけど!?
「悪が嫌いなアスピアが貴様のことを許すわけなかろう! まさか、アスピアの弱みを握って……」
あー、そういえば初めて会った時も、私に助けられて“お嫁に行けない“って言ってたっけ。
天使が結婚することはほとんどないらしいけど……
「やめてよお師匠様! ファーシアは私の妹なの! それに堕天も冤罪で……」
「何! 貴様、この子に催眠でもかけたのか!?」
「私はそんなこと……」
私の言葉を遮ってアスピアが答える。
「だから違うって〜。 信じてくれないなら、なでなで禁止だよ?」
「待って! それだけはやめてくれ! 半年ぶりに会えたのにそれは禁断症状が出る!」
……何? 禁断症状って……
「わかった、話ぐらいは聞いてやる。教会の中に入れ。」
そう言ってドアを開ける。
その後、教会の中に入って今までの経緯を説明した。
「アスピアがここまで言うってことは本当だろうな。しかし冤罪か……」
彼女は手に顎を乗せながら言った。
「アテナ様のことになると暴走するなんて、実にゼウス様らしい! まぁお前もゆっくりしていきな!」
そう言って彼女は笑っている。
「ゼウス様らしいって…… 過去にもこんなことがあったんですか?」
「あぁ、数世紀前にも似たような事例があってな……」
そう言いながら紅茶を持ってきてくれた。
……思っていたよりかは頻度は少なそう。
てっきり、ゼウス様はいつも暴走気味なのかと思ってたけど、そんなわけでもないみたい。
「さて、自己紹介がまだだったね。私の名前はネロニア。アスピアから聞いてるだろうけど、水の天使さ。」
彼女はさっきまでとは違う、穏やかな顔でこちらを見やる。
アスピアの頭を撫でながら……
「水……それが魔法ですか?」
ネロニアは困り顔になる。
「魔法……というにはそんな便利でもないけどねぇ。一人一属性が限界だし、突然発現するから自分の好きな効果を選べるわけでもないし。」
「大体のことはファーシアには話したから! 早速使い方を教えてあげてよ! 天粒の使い方と増やし方!」
アスピアが顔を上げて言った。
相変わらず太陽みたいな笑顔だなぁ……
「よし、愛弟子のお願いには応えないとな! じゃあ昼ごはんを食べたら早速開始するぞ!」
ネロニアさんはそう言って教会の奥に行ってしまった。
アスピアはそれを見た後、私の方にウィンクを飛ばした。
「待たせたな! ちゃんと食べて力を蓄えろよ!」
そうして出されたのはフルーツの輪切りを挟んだパンとホットミルク。
「あっ、そうそう。悪いけど、これからもこれぐらいしか用意できないからな。なんせ信者が時々持ってきてくれるのが余っててな……」
あぁ、そういうこと……
私たちはそれを食べ始めた。
酸っぱい果汁が硬いパンをちょうどいいぐらいにふやかしてくれている。
どうやら蜂蜜も中に入っていたらしく、酸味が甘みと調和し始めた。
これは……美味しい。
こんな食べ方したことなかったな……
フルーツサンドウィッチとか高くて手を出せなかったし。
私たちが食べている間、ネロニアさんは笑顔でこちらを見ていた。
そんな感じでのんびりしていた私はまだ知らなかった。
これから始まる奇妙でめんどくさい修行のことなんてーー。
天使は大雑把に下級、中級、上級という区分がありますが、これは天粒のレベルによって決められているところが大きいです。
下級では天粒の制御がうまくいかない段階。
中級では水を生成する、火を起こす、と言った基礎を使える段階。
それを経て、上級では独自の魔法を使えるようになる。
中級で覚える基礎を魔法と呼ばないのは奇跡を起こせるレベルではないから。
人から見れば火を起こせるのも奇跡ではあるけど、効能が薄く弱い。
代償を払い、引き換えに高い効能を発揮することができるようになりやっと魔法と認められるようになるのです。




