違和感
「こんな所で、終わってたまるかぁ!」
男は勢いよく山谷に飛びかかった。体格差があったため勝てるとても思ったのだろうか。
「ふっ、狂ったか。」
男は右手で山谷の顔面を殴ろうとした。が、山谷はそんな攻撃なんか簡単にかわせる。避けると同時にカウンターに切り替えた山谷の右ストレートが男のみぞおちを捉えた。男はもがき、地面に倒れ込んだ。
「帝国軍人を舐めるなよ。」
男はまだもがいていたが、お構いなしに山谷が引っ張っていった。
「あっちはひと段落した様だし、そろそろ本題に入るか。」
俺がこの子供にお願いしたいことがあると言ったのの続きだ。
「まぁ、簡単に言うと、ここの仲介人をして欲しい。」
「?」
「うーん、なんて言ったらいいかな…。要するに、国からコメが来るからそれを受け取ってこの村に分配して欲しい。」
「!?…ぼ、僕がそんな重要な役割を…む、無理ですよ。」
「いや、できる。根拠はないけど、俺の勘が言ってる。大丈夫、上には伝えておくから。」
「勘って…」
「まぁ、物は試しだ!やってみろ。」
「は、はい…」
「ん?あの子は?」
山谷の声がする。男を上層部に受け渡し帰ってきたのだろう。
「あぁ、もういったよ。」
「頼みたいことって何だったんだ?」
「えーっと…」
俺はあのこと話したことを全て話した。
「あーなるほど。いいと思うよ。」
俺もこの考えは結構いいと思っている。
「よし、事件もひと段落したし、行くか!」
「おう…」
「?…なんか元気ないな。」
「ん?あぁ、少し考えてて。」
「え、何を?」
「この村の人口って何人だっけ。」
「えーっとねー、約5000人くらい。」
「そうか。」
俺がずっと抱いていた違和感が明らかになった。人口5000人。村にしては多いい方だ。それを踏まえてこの備蓄米の量…少な過ぎる。到底5000人分あるとは思えない。あ、そうか。そう言うことか。
「なぁ、山谷。俺、大変な事実に気づいたかも。」
「?…何だ、大変な事実って。」
「おそらくだが、ここにあるのは国からこの街に支給された備蓄米全てだろう。だとするならば、備蓄米が、全国民に行き届かない。と言うことが起こりやすくなる。今回の様に一人じめではなく、シンプルに数が足りない。と言う事態が起こるかも。」
「なるほど。食糧不足が加速するってことか。」
「まあ、そう言うこと。」
次回参謀本部。乞うご期待