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7.これからは一緒

――――――――――――――――

固有能力:【力を一つに】

 説明:【アクティブ】自分が仲間だと思っている人のステータスを自分に集約する、能力の対象になった者は徴収された分のステータスを一時的に失うが破壊不可能のバリアで守られる

――――――――――――――――


「この能力を使っちゃったから、前に引率してもらった人のパーティーが大けがを負って……」

「この能力そんなに危険なの?説明を見る限りじゃそんな事…ステータスを一時的に失うのは確かに危険かもしれないけどバリアで守られるって書いてあるし……」

「鷹見、おそらく問題なのは前半の【自分が仲間だと思っている】の部分だ」

「私も最初はパーティーの人のことを言っているんだと思ってました…でも、この能力は発動したら、どんな場所にいても私が仲間だと思ってるだけでステータスを奪ってしまうものでした」


 どんな場所にいても、つまり他のダンジョンで探索している時、強敵と戦っている時でも、急にステータスが奪われる可能性があるということ。


「私を置いていった先輩……パーティーではタンクだったみたいでね、私が能力を使った時は丁度上級ダンジョンに潜ってたんだって……そんな時急にステータスが消えて………」

「その事故の報告は聞いた、タンクが逃げてパーティーが大けがして帰ってきたって、まさか固有能力がらみだったとは……」

「そんなの……でも……理恵ちゃんが悪いわけじゃ……」

「私が悪いの、この能力がどんなものか調べもしないでただ私が魔物に苦戦したって理由で軽々しく使って、結果先輩のパーティーは死にかけた」

「……………」


 それでも私は理恵ちゃんにしたことを許容することは出来ない。


「それでも、ダンジョンに置いていくなんて!しかも最近ダンジョン探索を始めたばかりの理恵ちゃんを!そんなの許されることじゃない!」

「そうだ、鷹見の言う通り、許されることじゃない、それに固有持ちの引率を受け持つってことは、そう言った事故に巻き込まれる可能性もあるってことはそいつもわかってたはずだ、だから初級上位に置いていったんだろう、小鳥遊のステータスならバフを抜きにしても死ぬことはない、嫌がらせの感覚だったんだろう」

「でも実際に理恵ちゃんは死にかけたじゃないですか!!」

「スタンピードだ、本来初級ダンジョンで起こることはないんだが、あの魔物の量は間違いない」


 だから何、これは事故であって故意にやったわけではないと言いたいの?それなら理恵ちゃんだって故意にやったわけじゃない。


「申し訳ありませんが、私は彼女を許すことは出来ません」

「許せって言ってるんじゃない、処分は私たちに任せろと言ってるんだ」

「……はぁ………謹慎なんて軽い罰にしたら私は先生のことも許しません」

「……わかったよ、努力はするが重くても学園からの登録抹消くらいだと思ってくれ」


 私としては、それでも軽すぎると思ってしまうが、死刑にできるわけでもないだろうし、今はあんな奴よりも理恵ちゃんが心配だ。


「理恵ちゃん……」

「わ、私……早くエリちゃんと探索したくて、初級の敵に苦戦してるようじゃそんなのまだまだだと思って……能力を使えばって……それで…それで……」

「理恵ちゃん」

「私…固有能力が危険だなんてこれっぽっちも……この能力で理恵ちゃんまで危険な目にあったらって……バリアで守られるって言っても大きな魔物に丸のみでもされたら……」

「理恵ちゃん!」

「ッッ!!エリちゃん……?」


 震える理恵ちゃんの手を握り話しかける。


「理恵ちゃん、もうダンジョン探索怖くなった?」

「…うん…だれを仲間だと思っていいのか、だれを仲間だと思っているのか……わからなくなっちゃって……これ以上誰かを傷つけるくらいならもう……」

「なら、私だけにしない?」

「エリちゃんだけ…?」

「そう、仲間だと思うのは私だけ、たとえ友達でも、パーティーを組んでいても、先輩でも先生でも親でも、それは仲間じゃない、仲間は私だけ、それならほかの人は絶対に傷つかない」

「でもそれじゃあエリちゃんが……」

「それなら、これからダンジョンに入るときは絶対に一緒、それなら能力を使っても理恵ちゃんが守ってくれるでしょ?」

「でも私まだ引率者なしで探索出来ない………」

「先生……」

「ああ、これから許可が下りるまでは私が引率する、でもいいのか?鷹見は明日にでも許可が下りて中級以上にも入れるようになるが……」

「………大丈夫ですよ」


 そうこうしている間に朝日奈先生が呼んでくれた教員たちが到着する、私は学園に戻った後五十嵐先生に数時間にわたって説教をくらったが、朝日奈先生もいたことで大した問題にはならなかった。


 理恵ちゃんは大事をとって2日間の療養を言いつけられた、ヒーラー担当の先生が回復魔法をかけHPは回復したがメンタルの方はすぐに全快とはいかない。


 理恵ちゃんを助けた翌日私は引率者なしでの探索を許可され、理恵ちゃんが復帰するまでの2日間、その間に少しでもお金を稼ぐことにした、できればお母さんの生活費数か月分くらいは稼ぎたいが………。


「ん、なんだ鷹見、ダンジョンに潜るのか?」

「朝日奈先生、そうです、理恵ちゃんが戻るまでに少しでもお金を稼ごうかと」

「そうか、頑張れよ~………あ、そうそう金稼ぎと言えば……」

「何ですか?」

「この前初級上位で起こったスタンピードあるだろ?そこで倒した魔物が結構いろんな物ドロップしててな、後から回収された物だから所有権で争いが起きないように金にして口座に振り込んでおいた」

「そうですか……えーと?」


 スマホを取り出し、口座内の残高を確認する。


 残高合計:3256000円


「え?なんですかこの数字……」

「ん?確か数百万くらいだったと思うが……少なかったか?まあ上位って言っても初級だからな、そこまでいいもんは落ちないさ」

「ええ?これ私がおかしいんですか?多くないですかって言ってるんですけど」

「あ~、1年だからな、知らないこともあるか…ダンジョン産の武器なんかは大体一つ30万くらいで売れるんだよ、とにかく量が多かったし数百万くらいは軽く超える、上級や超級で落ちる武器なんて物によっちゃ億超えるぞ」

「ではこれは……」

「少ない方だな、まあそう言うことだ、そんじゃ私は授業に行ってくる」

「は、はい」


 とりあえず部屋に戻り、お母さんの口座に200万振り込み送った旨のメッセージを送信する、いろいろ聞かれたが探索者にとっては普通のことらしいことを説明したら渋々な様子だったが受け取ってくれた。


「どうしよう、やることなくなっちゃった……ずっと理恵ちゃんのそばにいるわけにもいかないし……とりあえずスキルの見直ししよ」


――――――――――――――――


Lv.16


HP975/195(+780)

MP 900/180(+720)


STR 480(120)(×4.0)

DEX 600(150)(×4.0)

VIT 480(120)(×4.0)

AGI 600(150)(×4.0)

INT 1000(250)(×4.0)

MND 1000(250)(×4.0)


SP 190→50


固有能力:【思いは人を強くする】

 説明:【パッシブ】自身が向ける感情とその強さで自身とその相手の能力を変動させる

スキル:new【星光魔法Lv1】new【闇黒魔法Lv1】new【火炎魔法Lv1】new【大海魔法Lv1】new【大地魔法Lv1】【回復魔法Lv2】【探知魔法】new【魔力の泉Lv1】

――――――――――――――――


「上位スキル…とっちゃったけど今でよかったのかなぁ、それに前も結構自由に使えてたけど上位スキルになって何が変わるのかな…」


 スキルをとってステータスを眺めていると、数値が見えるようになっていることに気が付いた。


「あ、見えるようになってる……う~ん4倍…正直あの時は必死だったからあまり覚えてないけど、4倍なんてものじゃなかった気がするんだけどなぁ…あとで理恵ちゃんにも聞いてみよ」


 その後余った時間で座学を受け、理恵ちゃんの様子を見に行ってその日は終わった。

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