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4.いざダンジョンへ

 現在私はクラス担当である五十嵐(いがらし)先生にダンジョン探索の許可をもらいに来ていた。


「なるほど、鷹見(たかみ)さんは早く探索を行いたいと……」

「はい、なるべく早く一人でも探索できるようになりたいです」

「………理由は聞きませんが、せめて引率者が付いている間に座学で【探索時の警戒】と【スキルの取得について】、それから【魔法型成長論】を受講してください」

「……わかりました、早めに受けるようにします」

「そうしてください、【探索時の警戒】は明日の1時限目にありますのでそこで受けるのがいいでしょう、では今日は第一学園所有のダンジョンに潜っていただきます、引率者は……朝日奈(あさひな)先生が空いているようですね、では初級下位ダンジョンへ行くためのエレベーター前で待っていてください」


 五十嵐先生に指定されたエレベータの前で待つ、ほどなくして黒に赤いメッシュの入った髪の目つきの鋭い女性がやってきた。


「今日の引率を担当する朝日奈(あさひな)(ゆう)だ、お前が鷹見(たかみ)だな?これが初めてのダンジョンなんだろ?悪いことは言わないから今回の探索が終わったらしばらく座学と訓練に専念しな、焦るとろくなことないよ」

「わかっています、でも私は早くお金が欲しいんです」

「………はぁ、じゃあまずはステータスを見せな、それで判断してやるよ」

「わかりました、どうぞ」


――――――――――――――――

Lv.1

HP 240/120(+120)

MP 60/30(+30)


STR 100(50)(×2.0)

DEX 160(80)(×2.0)

VIT 100(50)(×2.0)

AGI 160(80)(×2.0)

INT 200(100)(×2.0)

MND 200(100)(×2.0)


SP 200


固有能力:【思いは人を強くする】

 説明:【パッシブ】自身が向ける感情とその強さで自身とその相手の能力を変動させる

スキル:

――――――――――――――――


「はぁ?」「え?」

「なんだこれ……どんな量のバフかければこんなことになんだよ…てかなんでお前も驚いてんだ!」

「いえ、昨日まではここまで高くなかったもので…」

「ってことは固有能力か…それにしてもこれは……初級中位くらいのダンジョンなら余裕で踏破できるくらいのステータスはあるな……」

「そ、そうなんですか」

「……………」


 朝日奈先生は顎に手を当て私のステータスを見ながらしばらく考え込み、私にある提案をした。


「鷹見、これからソロ探索が許可されるまでの間、私だけに引率を任せてもらえないか?」

「えーと、なぜですか?」


 朝日奈先生は真剣な表情で私に説明する。


「お前のバフはこれからさらに強くなる可能性がある、そうなった場合ほかの引率者にステータスの数値だけ見て実力を判断され技術に見合わないダンジョンに連れていかれる可能性がある、引率者はみんな上級踏破者だから死ぬことはないと思うが……危険なことには変わりない」

「……………」

「私だけに任せてもらえればお前がどこまで成長したかに認識の差異がおきることもない、加えてお前と同じ魔法型だからアドバイスもできる、どうだ?」

「…わかりました、お願いします」

「よし、じゃあ、初級中位のダンジョンに行くぞ、その方が練習になるだろ」

「は、はい!」


 急遽場所を移動することになり、30分ほど歩き、ダンジョンに入るためのエレベーターの前までくる。


 エレベーターに乗りダンジョンの入り口までくるとこれから探索を行うであろう生徒が数組いた。


「ダンジョンに入る前に一つ、さっき見た限りお前スキル持ってなかっただろ、幾つかとっておけ、スキルはDタブの剣と杖のアイコンからスキルポイントを消費してとれる、どれを取ればいいか分からなかったら私に聞け」

「は、はい」


 急にスキルをとることになり驚きつつ、時々朝日奈先生にアドバイスをもらいながら私は何とかスキルを取り終えた。


――――――――――――――――

Lv.1

HP 240/120(+120)

MP 60/30(+30)


STR 100(50)(×2.0)

DEX 160(80)(×2.0)

VIT 100(50)(×2.0)

AGI 160(80)(×2.0)

INT 200(100)(×2.0)

MND 200(100)(×2.0)


SP 200→140


固有能力:【思いは人を強くする】

 説明:【パッシブ】自身が向ける感情とその強さで自身とその相手の能力を変動させる

スキル:new【光魔法Lv1】new【火魔法Lv1】new【水魔法Lv1】new【探知魔法】new【MP自動回復Lv1】

――――――――――――――――


「よし、これである程度戦えるはずだ、それじゃあ、ダンジョン探索へ出発だ」

「はい!」


 洞窟の穴のような入り口を抜けるとそこは別世界だった、入り口の見た目から洞窟の中を進んでいくものかと思ったが、ここには空も風も大地もあり、開発しつくされて自然がほとんどなくなってしまった現実の世界にはない木々の匂いや大地の柔らかさを感じた。


「どうだ、ダンジョンはすげぇだろ?」

「はい……!すごいです…!」


 10分くらいたっただろうか、その景色に見とれてしまった私を先生が呼び戻してくれた。


「見とれるのもいいが、早く一人で探索したいんだろ?ならやることやっちまおう」

「そ、そうですね、すみません」

「お、さっそく敵のお出ましだな!」

「て、敵?いったいどこに……」

「分からないのも無理はねぇ、さっき習得した探知魔法を使ってみな」

「はい、【エネミーサーチ】」


 自分から力の波が周囲に広がり、何かに当たってその波が返ってくる、そしてその波が当たったものが魔物だと脳が理解した。


「不思議な感じだろ?それが魔法を使う感覚だ、敵の位置はわかったか?」

「そこの木の陰ですね」

「正解だ、ちなみに私は常時探知魔法を使っているから敵の不意打ちを受けることはない、お前も魔法型だからいずれ出来るようになるが、今はMP自動回復のレベルが足りない、スキルに頼らない警戒方法は座学で学べ」

「はい」


 バレたと気が付いたのか木の陰から魔物がガサガサと音を立てて出てくる。


「ギャッギャギャ!」

「ゴブリンだな、初級中位はこいつが一番多くエンカウントする」

「こ、これが魔物……」

「良いか、スキルを使って奴を倒せ、それが出来なきゃ一人で探索なんて10年早いぞ」

「わ、わかりました【ファイヤーボール】!」


 相手を見て魔法を発動させる、放った火球はまっすぐとゴブリンに向かい、頭に命中した。


「ギャガガガガ!」

「当たった…!」


 火球の当たったゴブリンはそのまま塵になり、ゴブリンが消えた後には紫色に輝く石が落ちている。


「初弾で当てるとはな、なんか球技でもやってたのか?お、ゴブリンから魔石が落ちるなんて運がいいな」

「はい高校でバレーボールを…魔石ですか?」

「ああ、回復ポーションや解毒ポーションなんかの魔法薬の材料になるんだ、学園で1つ2千円くらいで買ってくれるよ、生産科の練習台にもなるからな」

「これ一つで2千円…」

「まあ、探索を続けるならこんなもんはした金だ、さあ、どんどん続けるぞ~」


 その後、昼休憩をはさみながらひたすらゴブリンを倒した、初めて味わう命を奪う感覚に最初は具合が悪くなったが、次々とやってくる魔物にそんなことを考えている余裕はすぐに消えた。


「10体ぐらいか……まあ、初めてでここまでやれんなら十分だろ、今日は1体ずつだったが次からは複数の敵を相手にする練習にするから覚悟しとけ」

「はぁ……はぁ……はい…」

「それじゃ、次からは私に直接言ってくれれば都合は合わせる、五十嵐にはアタシから話を通しておくから気にしなくていいぞ」

「わ、分かりました」


 それから、五十嵐先生に指定された座学を受けながら、朝日奈先生にダンジョンで指導される日々が始まった。

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