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3.初戦闘は大体決まった敵だったりする

「ふむ…取り敢えずギルドに来てみたはいいものの…」



ファンタジー系の漫画でよく見る大きなボードに貼られている紙に住民からの依頼っぽいものが大量に張られている、戦闘対象と報酬も一緒に書いてあるな…前の巨漢共が大きすぎて後ろからだと少し見づらい



「ん~…!初心者向けのクエストぉ…!」



背伸びしたりピョンピョンとジャンプしながらクエストボードに貼られている物を一個一個確認していると一人の巨漢が俺に気づいて、どんどん近づいてくる。あ、ちょっと威圧感やばいんでちょっとそこら辺で止まって…貰えないですよね分かってましたはい



「嬢ちゃん、クエストを探してるのかい?」


「え、はい…」


「見づらいだろ?」


「まぁ…はい」


「少し触るぞ?」



わぁお、視点が一気に上がった。その代わりに結構恥ずかしさも増した。いや、恥ずかしいとかいうレベルじゃねぇ…!公開処刑だ!おい俺を抱えてるおっさん!おめぇだよ!早く降ろせ!はずいだろ!お前がライオンキングみたいに持ち上げてるせいで巨漢達が左右に寄って道作ってしまったじゃねぇか!モーセか?お前はモーセなのか?!



「あ、あのぉ…」


「どうした?まだ見づらいか?」



そう言ってどんどん俺が持ち上げられて逆に見づらくなってきてるまで来たところでおっさんの手から強引に降りる



「違います、初心者用クエストがどれかわからなかったから聞きたかったのと、そんなに持ち上げられたら逆に見づらいです」


「あぁ…すまん、でもその身長じゃあ上まで見れないだろ?」


「肩車はお願いできます?」


「え…ご褒美です」


「え?」


「え?」



まずい…まずいぞ、変な巨漢に関わってしまったかもしれないぞ…まぁ今回少し関わる程度だろうから構わんが…



「おいしょ…ありがとうございます。見やすいです」


「どうだい?良さげなのはあったかい?」


「そうですね…これにします」


「お、良いクエストを選んだな。それは非戦闘職の初心者向けのクエストだぜ」


「あとはこれも受けようかな…」



俺が取ったのは鉱石採取のクエストとゴブリンの討伐クエスト、非戦闘職の初心者向けクエストと戦闘職の初心者向けクエストの二つだ。やっぱり戦闘も少しはしてみたいしな。ひらひらと二枚のクエストが書かれた紙を肩車している巨漢に見せたら顔が少し真面目になって俺に忠告をしてくる



「嬢ちゃん。ゴブリンは止めておきな」


「え?何でですか?」


「あいつらは多数で襲い掛かってくるからな、パーティで倒しに行くのが普通だ。一人じゃリンチだぜ?なんなら俺が着いて行ってやってもいいが…「あ、大丈夫です」…。そんなに食い気味で言わなくても…」


「死んだりしてペナルティとかあります?」


「特にはないな、特殊クエストは時間制限があったりするが嬢ちゃんが選んだそれは常設クエストだから制限はない」


「なら大丈夫です。ボコられてもパターンを読んでゆっくり倒せばどうにかなるので」



普通のプレイスキルが無い俺にできるのは相手のパターン把握と一瞬のスキを突く弱攻撃のようなものだ。昔やっていたゲームでは「狡い」だの「舐めプ」だの言われてきたがこれが俺の本気であり全力だ、俺には兄ちゃん達のような圧倒的才能は無いんだから



「気をつけろよ、これは選別だ」



肩車をしてくれていた変態(巨漢)は少しクエストボードから離れたところで俺を下ろしてインベントリの中から回復ポーションを取り出して俺に渡してきた



「頂いていいんですか?」


「良いんだよ、その代わり今後嬢ちゃんが初心者を案内するようなときには同じようにしてやってくれ」


「かっこよ…ありがとうございます」


「お、おう…」



思わずポロっと褒めてしまったのが聞こえていたのか巨漢は顔を赤らめて小恥ずかしそうに頭を掻きながらクエストボードの方に戻ってしまった



「さて…初クエストだ…!」



そうやって最初の街、シルバーベルから出ようとしたその瞬間



『受注しているクエストに必要な道具が足りません。それでも街から出ますか?』



目の前に赤い三角の中にビックリマークの入ったマークと共に忠告文が出てきた


おっと…どういうことだってばよ…?クエストに必要な道具、俺が受けたのは鉱石採取クエとゴブリン討伐…初期装備の中に武器はあったから鉱石採取の方か。あ、ピッケル



「どこに売ってるんだろ」


「本田」


「はい?」



後ろから声を掛けられてまた振り向くと二人の男女のペアに話しかけられていた。このパターンは…



「兄ちゃん?」


「ん、今回はロリにしたん?」


「これまた可愛らしい見た目になったもんで」



女性アバターに盾と剣を持った赤髪長髪が長男の動かす【和呂凛濡(ワロリンヌ)】、その隣に居る明らかに剣というよりは鈍器だろみたいなクソデカい大剣を背負っている傷だらけの男アバターが次男の動かす【name】



「じゃろ、ピッケルってどこ売っとるん?」


「えっとね、確か武器屋の隣の道具屋の方だったかな?」


「一緒に行くべ」


「うい」



流れるようにパーティに参加してピッケルの売っている道具屋まで一緒に歩いていく



「あ、フレンドフレンド。忘れん内にやっとかな」


「そうやね」


「素で忘れてたわ」



『プレイヤー:和呂凛濡からフレンド申請が届きました。フレンド登録しますか? はい/いいえ』


『プレイヤー:nameからフレンド申請が届きました。フレンド登録しますか? はい/いいえ』



両方ともに「はい」で答えてから話を進めていく



「そういや今回は非戦闘職なんやね」


「まぁ、たまには良いかなって。鍛冶師だから装備類全部任せて」


「今の装備より上作ろうと思ったらトップ帯まで行かんと作るのは多分無理かも?」


「えぇ…!マジか、熟練度稼ぎに使おうと思っとったんに」


「作った武器をそこら辺のプレイヤーに売ってもいいんじゃね?金稼ぎにもなるし熟練度は稼げるし無駄にはならん」


「確かに…!それだわ」



そうこう話しているうちに件の道具屋に着いた、ピッケルっぽいのも色々な種類があるな…




ボロボロなピッケル

見た目通りのボロボロのピッケル。鉱石採取などに使うのが主、使うと確率で壊れてしまう。所々無理やり補強されているのが見て取れる


耐久度:10

値段:100シグ




普通のピッケル

見た目通りの普通のピッケル。鉱石採取などに使うのが主、使うと低確率で壊れてしまう。一般的な炭鉱夫が使うピッケル


耐久度:50

値段:1000シグ



高級なピッケル

見た目通りの高級なピッケル。鉱石採取などに使うのが主、使うと極低確率で壊れてしまう。施された装飾は特殊な効果が付くこともあればつかないこともあるとか…


耐久度:100

値段:5000シグ



華美なピッケル

明らかに無駄な装飾が施されているピッケル。鉱石採取などに使うのが主、使うと確実に壊れてしまうが狙った鉱石を確実に手に入れることができる


耐久度:1

値段:1000万シグ




「ファーwww、華美なピッケルやば。そんなに超絶レアな鉱石でもあるん?」


「まぁそれもあるけど、普通に鉱床が固いところもあったりする。高級ピッケル何本か溶かした人が居るらしい。そんな鉱床も一撃で割れるから結構いいんだってさ」


「まあ、明らかに高級ピッケルをなん十本も買って叩いてた方が出る気がするのは言わないお約束」


「へぇ~…」



でも絶対にいつかこいつを持っていてよかったってなる場面が出てくるんだろうな、今じゃないだろうけど…いつか金に余裕ができてきたら買うことにしよう。二本くらい



「んじゃあ高級なピッケルを3本ください」


「はいよ」



道具屋の店主のNPCが返事をして俺の持っているお金と三本のピッケルを交換した



「え、もう金あんの?」


「あ~、変なおっさんに100万シグ貰った」


「「???」」



流石に端折りすぎたか…



「なんかこれぐらい幼女には普通出来ないんだってさ」


「あ~、なんかスレ板で騒いでるやつが居たな」


「あれは【本田】だったんか」



ちょくちょくネットの人の前でもリアルネームで話しかけてくる奴らが居るが兄ちゃん達はしっかりプレイヤーネームで呼んでくれる、まぁそのせいでリアルであった時も時々「本田」って呼んできたりするけど



「確か初期の所持金が3000シグだったから、初心者の中では超絶お金持ちなんじゃね?」


「よかったじゃん、大体の初心者装備は買えると思うけど。まぁステ足りないとかになるだろうけどさ」


「さては…これ装備するときに必要ステータスある感じ?」


「そりゃあるよ?男性アバターのほうが全身鎧とかは条件クリアしやすい、女性アバターはアクセササリー系の装備条件クリアしやすい」


「はへぇ…アクセも作れるんかな…」


「作ってる人いたよ、馬鹿みたいに希少価値の高い素材だけを使って永続毎秒0.5%体力回復とかあった気がする」


「いかつ、うまく立ち回れば無限体力やでそれ」



200秒もすれば全快とか普通にあたおかだろ、こういう自由探索系は特に移動のほうが時間が多かったりするものなのに



「クエスト手伝おうか?」


「いや、最初のクエぐらいは自分でやる。兄ちゃん達は別でクエスト受注してて」



結局パーティに入ったままだと兄ちゃん達の経験値まで入ってしまうようで一瞬でパーティから離脱してしまった、だってあの人達今のところ実装されているストーリー系は全部終わらせた攻略ガチ勢組なんだもんよ…レベル1の俺がその経験値を貰ったら一気にレベル上がりすぎてマジでPS(プレイスキル)が伴わないお荷物非戦闘職(悲しきモンスター)が産まれてしまう



「さて…改めて行くぞ~」



今度はしっかりと街を出られた。一旦あばよ、シルバーベル。少し強くなってから帰ってきてやるよ


そう思って橋を進んでいるとエリアが変わったのか目の前に『シルバーベル平原』と大きめの字で表示された



「さて、ゴブリン君はどこに居るのかな?」



そこらへんで戦っているプレイヤーの相手はスライムだったり蜂のモンスターだったりでゴブリンではない、少し森らへんまで行ってみるか…?



「ふぅむ…こんなにもゴブリンがデカいとは思わなかったな…」



俺と一緒か少し高いぐらいの身長の、目の前に居る()()が世の中ではゴブリンと言われる魔物(モンスター)だ、俺からしたら「何処が()鬼やねん、クソデカいやないかい」案件だがまぁ俺が小さすぎるだけだ



「さて…いざ尋常に勝負!」


「gyagya」



グギャグギャと鳴きながら三匹の内の一匹が飛んで俺に持っている木の枝を振り下ろしてくる、予備動作も大きいし動きも少し遅い、流石初心者向けモンスターってところだ。サイドステップで横に避けてすぐに初期装備で持っていた短剣でゴブリンの首元を切りつける



「gyagya!」



仲間がやられたのを見て怒ったのか今度は二匹同時に飛び掛かってくるがこれもバックステップで避ければ問題ない、右側の方が少し体制を崩しているから復帰までに時間が少し長いと予測して先に左側のゴブリンの首を切ってすぐに右のゴブリンも切りつける


「よし、この戦法なら勝てそうだ」



あの巨漢野郎嘘こきやがったな…?こいつならどんな初心者でもソロ攻略簡単だ。初手から勝てない敵なんて置くわけないだろと少し考えればわかる話だ。まぁ、所詮は俺もレベル1。例え急所でクリティカル判定の首を狙おうが一撃で倒せるほど俺にとってゴブリンは弱くないのは知っている、さっきと同じ挙動で最初に襲い掛かってきたゴブリンがまた飛んでくる



「馬鹿の一つ覚えみたいだな…それしか行動が設定されてないのか?」



今度は飛んできているゴブリンに避けずに首を狙ってみる。ものの見事に外れた



「…はっず」


「gyagya」



変なサイドステップの踊りを俺にしながら明らかに煽ってきている。こんの雑魚共…!さっきまで攻撃当てられなかったのはどっちかわかってないみたいだな…!良いだろう、やってやんよ。手足から切り落としてやっても良いんだからこちとら…!



「死ね…!」



しかと見て受け止めよ、ゲームだから出来る。ゲームのステータスだからできるアクロバット首狩り…!



シンプルにこのゲームで使うスキルは二つに分けられる。


1.システムの中にあるスキル。所謂スラッシュとか名前が付いてるシステムが動きを補助してくれるスキルだ。一般的には戦技ともアーツとかいろんな呼ばれ方をされている


2.プレイスキル。システム外スキルとも言われ、VRゲーム史で最も戦闘で大事と言われてきたスキルでシステムの補助なしの動き全般を言う



俺が今決めたアクロバット首狩りはステータスで上乗せされた身体能力で無理やりそれっぽい動きをして相手の首を切り落とす、昔やっていた過疎ゲーで手に入れた俺の数少ない攻撃のためのPS。これを喰らった者は死ぬ、と言いたいところだがそんな確殺みたいなチート能力ではない。これを使えるのはまさにゴブリンのような動きが単調で耐久が低い雑魚敵やPvPでちょっと相手を混乱させたいときぐらいだ



「ふ…造作もないこと、よ!?」



三体の首を一瞬で飛ばして最後まで言い切る前に背中に矢が刺さった、10あった体力の内2は持ってかれたぞ!



「gyagya」


「あんにゃろ…!」



木の上から矢を撃ってゲスな笑いをしているゴブリンに少し大きめの石を投げて木から落とす、着地点まで走ってすぐに首を落とそうかと思ったがゴブリンは受ける体勢がうまく作れなかったのか頭から落ちて首が変な方向に曲がってポリゴンになって消えて行った


『レベルアップ!ステータスポイントを5ポイント獲得しました!』


「…」



何とも言えないこのやりきれない感。まぁ勝ったから良いんだけどね?その…ねぇ?ドロップ品を拾ってインベントリの中に適当に突っ込んでイラつく心を静めながら次のクエストの鉱石採取の場所に向かいつつステータスを確認する





本田

Lv.2

JOB:鍛冶師

所持金:988000


HP:11/11

MP:10/10

STR:6(+4)

DEF:5

DEX:6

AGI:7

LUK:5


SP:5



装備

頭:なし

胴:始まりのシャツ

腰:始まりのズボン

脚:始まりの靴

アクセサリー:見習いのエプロン

アクセサリー:なし

武器:懐かしい短剣




ふぅむ、the初心者って感じ!


始まりのシャツ

この世界に舞い降りた人全員が最初に着るシャツ、少し簡素な作りだが動きやすい


始まりのズボン

この世界に舞い降りた人全員が最初に穿くズボン、少し簡素な作りだが動きやすい


始まりの靴

この世界に舞い降りた人全員が最初に履く靴、少し簡素な作りだが動きやすい


見習いのエプロン

生産の道を歩み始めた者が身に着ける見習いの証、耐熱性などの耐久面は折り紙付き


懐かしい短剣

この世界に舞い降りた人全員が最初から所持している短剣、初めて見るはずなのにどこか懐かしい





日本はロリコン率が少し高いそうですね(だからどうしたって話

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