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α-5 クランゲームとゲームの終わり

今回で過去編第一は終わります。一気に話進みすぎだろ!ってなるかもしれませんがご容赦くだせぇ…

「あ、あの…!」


「どうした!って『みみみ』のクラン長じゃねぇか!」



わからない…なんでこの人たちはあの人の一声でそんなにやる気が出るのか…



「なんで…!なんで、【本田】さんの一言でこんなに沸いてるんですか?!」


「お?聞きたいか?!そうか!そうだよな〜…」



少し嬉しそうにしながら話し始めた内容はあまりに驚く内容が多かった



「俺たちのクランの大元は【本田】さんがスカウトされた数人しかいなかったんだよ」



それがこんな規模に…?でもなんで…



「しかも、1位になるまでにはそう時間はかからなかった。2ヶ月ぐらいだな」


「へっ…?!」


「まぁ…あまり詳しく話すと長くなるから省くが…【本田】さんとその兄姉、今の幹部陣が初期メンバーでな」



ほんとに少数しかいない…私のクランでさえ初期メンバーは20人を超えてたのに?いや、ありえない…そんなクランが2ヶ月でサーバー1位…!?



「そして、始まったのは…オープンチャットによる勧誘だ」


「はぁ…?」


「ピンと来ねぇだろ?でもな、謳い文句に惹かれて大勢が集まったんだよ」


「謳い文句…ですか?」


「おう、「私のクランでは『自由に好きなことを』をモットーにゲームを皆で楽しく遊べる人を募集します」ってな?」


「当たり前…じゃないですか?」


「そうか?お嬢さんはこの手のゲーム経験は少ないだろ。もしくは相当な馬鹿だ」


「ふぇ…?!」



し、失礼…!この人失礼だ…!



「クランってのは大体クラン長の命令に従う制度が多いんだよ。クラン長が右って言ったら右になるんだよ。特にこのゲームはその色が強い」


「まぁ…クラン長の命令なら従うものでは…?」



当たり前じゃないの…?それにいくらクラン長でも命令を強制するような、そんな力は……………クラン長権限?


自身のクランメンバーにだけならほぼ絶対の力…確かに命令を下そうと思えば下せる…



「うちのクラン長は違う。嫌なら嫌と言え、理由によっては考えるってな。ちゃんと俺たち一人一人の考えを聞いてくれる」


「なるほど…」


「それに、あの人本人が優しすぎるからほとんどの意見を取り入れようとするんだよ。大体近くにいるヤツらに止められてるんだけどな」


「ハハハ…お茶目、ですね」


「しかもPvP苦手だからPvPイベントには参加しねぇしよ。そうやって本人がわがまま通してるから皆も大見得切って嫌なことを嫌って言える…威厳がないって言ったらそうなんだが、それ以上に親しみやすいんだよ」


「………」


「あんたは…140人以上の名前を全部覚えられるかい?個人個人のわがままを聞いて、まとめられるかい?どんなに負けるとわかっていても皆の前に出続けられるかい?」


「…分かりません」



いや、私には出来ない。やろうと思ったら確実に途方もない時間がかかることは明白だ。なのにそれを2ヶ月で…?あの人はどんな記憶力とリーダーシップを持ってるの?



「まぁ、大体の人なら無理だな」



「それはそうでしょ」と言いたいけど今は言える雰囲気じゃない…



「たとえ優しいやつでも普通100人以上のわがまま聞いてられるほど寛容じゃねぇ」



…………



「それにゲームとはいえ死に続けることにも抵抗は少しはあるはずなんだ。それでも皆より前に出て常に引っ張ってくれる。弱いのにあの人はすげぇよ」



………



「あんな中坊みたいな体格でも、俺たちからすれば皆を引っ張ってくれる将軍様だ」



……



「しかも本人は無自覚で俺達を笑いながら家族みてぇに扱ってくれるんだぜ?」



今の言葉で全てが分かった。本田さんがなんであんなに遠いはずなのに、こんなに近くに感じるのか…


あの人はよく笑ってくれるんだ



「まぁ、結局長く話しちまったが要するに…俺たちはあの人がどうしようもねぇほど大好きなんだ」


「…!」



こんなにも自信満々に言えるものなの…?



「だから俺たちはどんな状況でも戦えるし、どんな場所へでも行ける」


「す…凄いですね…!」



その人は少し恥ずかしそうに頬を撫でながら恥ずかしいのを隠すように少し大きめの声で話し始めた



「ハハ!今日は協力してくれてありがとよ!元々は俺達がわがまま言ったのが原因でこの戦争は起きてるからな!」


「え?えぇ?!」


「面白いだろ?クラン長は少し嫌そうな顔してたがな〜ワハハ!」


「おいおい!あの人も少し笑ってたろ!」


「楽しそうだしいいよな?!やるぞおめぇら!」


「「うおぉぉぉぉぉ!!!」」



このクランは…私の理想形だ!皆が楽しそうにしててお互いがお互いを尊重してる…!



お前ら、1位の力を示せ



悪童のように笑いながら言った一言がみんなを駆り立ててたのはこういう理由があったんだ…!














「っしゃ!突撃ぃぃぃぃ!」



何となくで走って真っ直ぐ敵陣へと行こうとすると後ろから引っ張って方向転換をさせられる



「え、なになに?!」


「あなたはみんなを引っ張る役目があるんですから道を間違えないでください!」


「え?!ここ真っ直ぐじゃなかった?!」


「真っ直ぐはうちの本拠点です!道は続いてないです!」


「あれ、そうだっけ?」


「そう責めてやんなよ幹部さんよぉ!【本田】さん!PvPイベントに顔出さないから覚えてないんだよな!」


「フォローありがたいけどなんか心が痛いなぁ!?」



精神的に削られつつも領地の奪取をせずに通り過ぎてどんどん先に進んでいく



「敵陣発見!進めぇい!」


「「おらぁぁぁぁぁ!!!」」



え?お前は敵と戦わないのかって?後ろの皆様が倒しながら着いてくるからいいのいいの。俺は先に進み続けて死ぬ役割だし?



「クラン長、予想外のことが…」


「何が起きてるの?簡潔に」


「マップを見たら分かりますが、うちの攻めるメンバーが思ったより少ないみたいです」



なにぃ?マップなんぞ開いて何がわかる…ってすげぇ!赤丸が敵、青丸が味方かこれ?!いや、青丸後ろに固まりすぎだろ!攻めないなら領地全体に良い感じに広がれよ…!これじゃあただ参加しただけだろうが…!



「いやまぁ…ランキング自体低めのところが多いし仕方ないけどねぇ…。けど4位のクラン長まで動いてないのは許さん…!」



お小言言いに行ってやる…!



「よし!皆!あとは頼んだよ!?」


「任せてくださいよ【本田】さん!」


「今回も派手に行ってやれぇ!!」



後ろのみんなの活力が俺に力を与えくれるのがわかる…!いける!いけるぞ!



「みんな見てろよ!?私ってば最強クランのクラン長だし!?実はめっちゃめちゃ強いんだかんn…ぶっっっっへ!!!!!」


「「「【本田】ざぁぁぁん!!!」」」



天丼ネタになりつつある特攻をかまして即死した俺は本拠点にデスルーラした



「よぉし!皆!もう少し前に出ようか」








「はぁ…はぁ…!あとどれ位だ…?」


「あと…10分だ…!」



残り10分…?!もう20分経っていたのか?いやそれよりも…20分間、俺たちは相手から1度も領域を奪えてないのか…?!



「本拠地しか残ってねぇよ…」


「それも、もう守るので精一杯だろ…?」


「N3S…分かっていたがこんなにも圧倒的なのか…?!」


「ハハ…こんな圧倒されるとは思わなかったな…もう降参した方がいいだろ…」


「えらい喋ってはりますな〜?もう少し頑張った方がええんとちゃいます?」


「「あぁ…はい……」」







「テキノミナサマニツゲール、アナタタチハホウイサレテイルゾー!」


「声声、声裏返ってるから。もっとやる気だしなよ【本田】〜」


「クラン長!俺が引っ張ってきますよ!」


「え?あっ…」



止める前に行ってしまった…あ、上手く攻防戦を避けて敵陣に入れてる…!


あ、お前…!【妖狐】さんだけ引っ張ってこようとするな!








「こら!【妖狐】さんが困ってたでしょうが!」


「で、でも…あの人、部下にやらせるだけやらせて自分は動かないんですぜ?」


「まぁ…気持ちはわかるよ?リーダーならみんなの前に立てって気持ちはね。けどあの人もあの人なりに考えてるんだから。謝ってきなさい」


「…嫌です」


「私も一緒に謝りに行くから…」



スキンヘッドアバターのうちのメンバーを連れて、敵本拠地前で行われている戦闘を避けて本拠地の中に入る



「大変、ご迷惑をお掛けしました…」


「すんません…っした…」


「よし、帰るぞ!」


「ヒャッハー!」



後ろから飛んでくる魔法と矢から逃げ回りながら元に位置に戻る



「何してんの…」


「いや、この人が【妖狐】さん困らせてたから…謝りに?」


「煽ってるだけだからねそれ」


「だって…あの人動かないし…?謝るなら本拠地まで行かないといけないし…?」



立てこもり事件みたいになってるけどこのままだと俺たちの勝ち確定なんだよな…いや、それでいいんだけど。良いんだけど…!なんというか、こう…コレジャナイ感が酷い



「それにあの本拠地を落とせたら強制終了じゃん?あの人倒したら相手の士気も下げられるし少し追いかけてきてくれるかなって…思ったんだけど、来なかったね」


「めんどくさいし…じゃあもういっそ、精一杯煽って動かそうか!」


「え?やめた方が…」


「やーい!クラン長のクセに弱すぎだぞ〜!」


「ヴッ…!」



あ、あれ…?


そして【マリーオサントネヨット】の声に呼応するように、相手のクラン長に対するヤジは全体に広まり始めた



「そうだそうだ〜!もっと相手を倒してリーダーの威厳を示せ〜!!」


「ぐふっ…!」



おかしいな…【妖狐】さんに言ってるん…だよな?



「もしかしてPvP苦手なのか〜?!」


「そ、そうだ…そうだ〜…」ボソボソ


「苦手と言うより弱いから戦いたくないんだろぉ!!」


「うっっっっ…!?」



なにか大きなものが胸に刺さったような痛みが俺を襲ってくる。思わず地面に崩れ落ちてしまった



「「「ほ、【本田】ざぁぁぁん!!!」」」


「誰だ…!?どこから攻撃された?!」


「どこからというか…み、味方から?」


「味方…?!裏切り者がいるぞぉぉぉぁ!!」


「いや、裏切り者はいない…」


「ど、どういうことですか…?!裏切り者はいない?!」


「わ、わかったぞ…!【本田】さんはたとえ味方に攻撃されて裏切られても…「俺たちは同じ仲間だ」って…!「地球上に居る人間はみな家族」的なことを言いたいんだ…!!」


「「「ほ、【本田】ざぁぁぁん!!!」」」



いやどんな美談だよ、ありえないだろ。おめぇらだよ、犯人は100%お前らだよ



「ま、まぁ…やじ飛ばすのも程々にね?」


「任せてください!()()、ですね?!」


「絶対わかってないよね?!そんなに息吸わなくていいよね?!」



その後、このクランゲームはタイム制限により終了した。本拠地の守りが硬かった為、マップ全域に渡るほどの音量でヤジが終わるまで相手のクラン長に飛ばされ続けた



「HAHAHA、これが鯖1位の力だ…!」


「【本田】さん、なんだか萎れました?」


「ハハッ…【妖狐】さんに飛ばされてたヤジが被弾したんだ…気にしないで」



『みみみ』のクラン長も少し自信が付いてるようで良かった良かった…


うん、なんで?今回特に重要な役割任せた訳じゃないし、なんならほとんど関わってないぞ?



「【本田】さん!いつもの締めの言葉お願いします!」


「お?もうそんな時間か…じゃ、ちょっと着いてきて」


「え?私ですか?」


「うん。あとみんなの前で一つだけお願い事するね」



用意されたお立ち台前にみみみのクラン長を引っ張りながら登壇する



「いぇ〜い!皆お疲れ様〜!!」


「「「うぉぉぉぉぉ!!!!」」」


「ひぃぃ…人が多いですぅ…」


「大丈夫、すぐに慣れるよ」



よし…言うぞ…言うぞ…



「私!クラン『N3S』クラン長【本田】は!クラン『みみみ』と同盟関係を申請します!!」


「……へ?」


「「「うぉぉぉぉぉ!!!!!」」」



クランの同盟。言い換えると協力関係だがこれには大きな利点がある。お互いのクランメンバーが自分のクランメンバーの判定にもなる。つまり、事実上の合併のようなものである



「返事、頼めるかい?」


「はいぃ…!」


「じゃ!ここで登場、『みみみ』のクラン長!【クロノス】〜!!!!」


「「「うぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」」」




もうみんな適当になってきてるだろと言わんばかりの同じ反応だがみんなの目は輝いている。よし、この子は希望の星だ。俺の隠れ蓑になってもらおう



「こ、こちらこそっ!よ…よろしくお願いしま…す」


「…」


「「「…」」」


「へっ…!?うぅ…」



【クロノス】は皆がいきなり静かになってしまったせいで縮こまってしまったが安心しろ、この沈黙は嫌がらせで黙ってるんじゃない。やつらがこういう時に黙るのは、現状の処理に時間がかかってるだけだ。少しラグいPCと変わらん



「シャイっ娘来たァァァァァ!!!」


「可愛いぞぉぉぉ!!!」



ドワッと寄せられた歓迎のメッセージ。それは俺が話している時の倍以上の音量で、地面が揺れていた











時は流れて数週間後…


俺たちはとあるイベントレイドボスを討伐しようとしていた



「ひぃぃぃぃっ!アヒャヒャヒャヒャ!」


「ふざけんなてめぇぇぇ!!!」



【魔王討伐者:レオン】、文字通り限りなく倒せる要素を潰したボス。その性能は全イベントボス過去1を誇り、攻撃は全て回避不能の確定ヒット、更にド派手な演出で目潰しも掛かっていると来た。そんなレイドボスを倒す最中、仲間を討伐しようとしている者がいた。マリーオサントネヨットその人である



「じゃ、じゃあ次…フフ…鈍足付けていこうか!」


「死ねぇぇぇぇ…!」



俺は投げナイフを投げ、マリーオの回避中に視界から外れて一気に距離を詰めて首を飛ばしにかかる



「おうふっ…」


「「「【本田】ざぁぁぁん!!!」」」


「ハヒャヒャヒャヒャ!ヒィイィ…!お腹痛い!お腹痛いぃぃぃ!」



必死の攻撃も虚しく、マリーオに逆に首を飛ばされリスポーンする。



「ちゃんとやれぇい!」



べシッと頭を叩いてくる別のプレイヤーにキレながらもマリーオを指さして抗議する



「サンドウィッチ…!お前も分かるだろ!あいつだよ!あいつが邪魔してんだ!」


「言い訳無用!」


「【唐揚げ】さん!見てよ〜!あの馬鹿の滑稽な姿!超面白いよ一緒に?本田殺す勢いで行こう?」


「お前らに誘われて始めたばかりだからパ〜ス。てかやめたれよ」




その後、本田、マリーオサントネヨット、唐揚げ、サンドウィッチの4名はそのゲームで姿を現すことは滅多になくなった。特に前半2人はクランの働きで語り継がれ、未だにそのゲームをプレイする人達からは噂されているという



時間軸は現代に戻り、この過疎ゲーでは…


N3Sは【本田】の気まぐれによる解散という形で解体され、極一部を除いてほとんど全員が、同盟により副クラン長ポジションとして浸透してしまった【クロノス】率いる、『みみみ』に引き取られた


クラン長【クロノス】の配慮により、クラン名が『みみみ』から『no name new みみみ』、略称『N3M』となった。意味合いはよく分からないと言われているがN3Mは全サーバー1位の規模を誇り、N3Sとは別に伝説となった




「皆さん…今回のイベントも…お疲れ様…です!」


「今日も可愛いぞぉぉぉ!!」


「お…俺は【本田】さん派だ…!こんな…!こんな…こんな、可愛い人に屈しないぞぉぉぉぉぉ!!!」


「ハハッ、意志弱いな〜あいつ」


「ガハハハ!楽しけりゃそれでいいんだよっ!」


「【本田】…N3Mの結成の発案者であり、あの伝説のクランゲームを起こした伝説のプレイヤー…か。面白そうだ」

クロノス

みみみのクラン長であり、伝説のクラン『N3M』のクラン長。おどおどとした性格とは考えられないほど自身から皆の前に立ち、イベントやレイドボス等全てを率いる事で「ギャップが凄い」とメンバーから言われている。クロノス自身はあまり強くなく。本田よりも総戦力値は遥かに高いらしいが「もし、2人が戦ったら間違いなく勝つのは本田だろう」と言われるほどプレイスキルがない。だからこそ戦闘で皆の前に立ち続ける勇気と恐れない心の強さを評価されている



本田がPvP弱い理由は…………この話はやめておきましょうか



まぁ…その…前にやっていたゲームでクラン長の命令絶対みたいな風習あったのでそれに対抗したくてみんなが自由にやっている場面を書いてみたかったというか…(※書いていない)

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