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14.たとえ人がやったことでも自分の責任になることもある

「武器鍛冶師になった」


「そりゃよかったね~、で?今回のお呼び出しの用件は?」



少し怪訝な顔をしているマリーオに俺は頭を下げて頼んだ



「頼む!やっぱり俺が何か忘れてる気がするんだ!俺の記憶を戻すの手伝ってくれ!」



結構ざっくりなお願いだ、断られるだろうな



「いや別にいいんだけど…どうやって?ある程度の目途も無いなら途方もないよ?」


「そうだよな…嫌だよな…え?いいの?」


「え?うん。良いけど私ほとんど本田の関わってきた人知らない」


「やっぱりお師匠様、あの爺さんが一番怪しいんだよな…」



あれはどう見ても何かを知ってる顔だった



「ん~…他に色んな人を回ってみようか」


「って言っても俺が知ってるのはシルバーベルの教会の爺さんと師匠ぐらいだぞ」


「一番近くにいる人が居るじゃん、いつも本田の話の中心にいる人たち」



誰だ…?最近の方だとお師匠様だが…



「ほら、兄弟!あんたの大好きな兄弟はどこに行ったの?ログインしてる??」


「は…?俺には弟も兄ちゃんもいないぞ?」


「…………え?」



俺は一人っ子だ、兄弟のきの字もいない



「いや、ほら。あの~…兄弟だよ?本田いつも話してたじゃん」


「だから、俺は一人っ子だっての。その冗談は俺には効かん、やめろ」


「居たじゃん!兄弟の記憶もないの?!」



マリーオの顔がどんどん濁っていく、嘘じゃないのか?いや、でも俺はバチバチの一人っ子で…



「なるほど…何となく分かってきた気がするよ。私のことは分かるんだよね?」


「マリーオサントネヨット、(スチーム)(パンク)オン(オンライン)で出会ったネットの友人。何を血迷ったのか一度リアル求婚してきたこともある変態。サラリーマンより稼ぐ方法を確立している」


「よし…ちょっと色々言いたいところもあるけど…記憶が無くなってるものの法則がちょっとだけ分かったかも」


「ふむ、その心は」


「1、特定の記憶だけが抜かれてる。2、現在進行形で無くなっていってるわけじゃない。」


「…ほう?」


「兄弟が居たはずなのに居なくなってる、あんなに仲良さそうな兄弟に関する記憶がごっそりと」


「ふむ」


「現在進行形で無くなってない。どんどん記憶が消えて行くわけじゃないっぽい。安心しな、それ以上記憶が無くなることはない」


「おぉ、それは良かった」



マリーオの考察を聞いて少しだけ安心した。



「そういえばフレンド欄見たら知らない名前とかこう…ないの?」


「ん?」



フレンド欄を開いてみると驚きの状態になっていた



「文字化け…?なんかモヤがかかってる」


「はぁ?!ナニソレ?バグ?」


「いや、この人たちだけだ…四人、あとはマンマミアさんだけだし」


「…へ?」


「マンマミア、前線組のほら。お姉さん感溢れるキャラの…」


「そ…そうなんだ…」



ん?前線組といえばこいつも確か前線組だよな…



「知り合いじゃないの?」


「え!?い、いや~…どうだったかな…」


「前線組ってお前もだろ」


「あ~、そうだね、パーティ…組んでた…」


「何でそんなにそわそわしてんだよ気持ち悪い。早くNPCのとこ行くぞ」


「ひっど~い」



マリーオと少し様子が変なマリーオを連れてとりあえずシルバーベルの教会に行く



「おぉ、大人っぽくなったようだね」



教会の神父さんが俺の耳を指差しながら言ってくる。そういえばこのイヤリングもいつの間に装備してたんだ…?



「あの、私…記憶が…」


「そうそう!この子大好きなお兄ちゃん達の記憶が無くなっちゃったの!教会の人が仕える神の魔法でどうにかならない?」


「そうだね…一応見てみようか…触ってもいいかい?」


「えぇ、別に…」



神父さんは少し困った顔で俺のイヤリングを触りながらボソボソと何かの詠唱をしている



「この者の秘めた力をお見せください『アナライズ』」



俺を中心とした半径2m程の魔法陣が足元で光りながら、俺達の前に読めない文字で無数のウィンドウが現れる


それを神父さんが読むのを待っていると神父さんがウィンドウを閉じた



「ふむ…体には特に問題はないようだね」


「呪いとかじゃないの?」


「呪いの類ではないね…記憶が無くなったのは一時的な記憶障害、頭に強い衝撃が当たったのかもしれないね」


「うそ~?ほんとに?」


「あぁ、このイヤリングもこの子の体にも呪いの類の反応はない。ただ分かったのは、このイヤリングが破壊不能ってことだね」


「破壊不能…!?」


「え、そんなに凄いのこれ」



破壊不能って結構ぶっ壊れな気がするけどゲームだと時々不壊属性とかあるしな…でもマリーオの驚き方は異常だ



「現在確認されてるアカツキのNPCから一時的に借りられると噂の英傑シリーズの妖刀でも、破壊不能なんて聞いたことない。壊れるはず…英傑シリーズより上位…?でもそんなことあって良いのかな…普通ならもっと後で出すような要素だし、英傑シリーズを超える物なんて聞いたことない。おかしい、現在の環境じゃオーバースペック過ぎる…」


「お、おい…マリーオ………?」


「ちょっと、その装備外せない?なぁに、お姉さんが解析と実験検証を全部やってそのイヤリングの正体を暴いてあげるよ~。ほら、早く!」


「落ち着け。装備解除不可能だ」


「なん…だって…?!」



足から崩れ落ち、四つん這いになったマリーオに馬乗りしながら次の場所、師匠の元に行く



「師匠」


「【本田】、無事か?」


「え?あ、はい。ピンピンしてますとも!」



マッスルポーズを取りながら話を戻す



「師匠、私特定の記憶なくなっちゃったっぽいんですけど…記憶を戻す方法とか少しでも知らないですか…?」


「……!」


「ホイ来たァ!」



マリーオが馬から人間に戻ったせいで俺は尻もちをつきながら師匠を見ていた。酷い顔をしている、これは何か知っているな…?



「【本田】、俺がお前に頼んだことは………覚えている…か?」


「おうふ…」



待て、俺はなにか頼まれ事されてたっけか?これで変なこと言ったら好感度爆下がりとかないよな…!?


思い出せ…思い出せ…!!



「覚えてない…よな」


「おじさん、何か知ってるね?」


「いや…もう、もうやめてくれ…これ以上はもう…!」


「お、おい。マリーオ…なんかヤバそうだぞ?」


「おじさん?!落ち着いて!ほら、ひっひっふ~、ひっひっふ~」


「お前も落ち着け!」



過呼吸気味のおっさんと変な呼吸をする激キモ女性プレイヤーと男口調ツッコミロリ、圧倒的カオスである



「…?おじさん、この宝石なぁに?」


「それに触るな!」



少し豪華な装飾が施された棚の上に大事そうに置かれている顔ぐらいのデカさを誇る宝石、それをマリーオが触ろうとした瞬間、取り乱していた師匠が鬼のような剣幕でマリーオの腕を握って抑えた



「イタタタタタタタ!痛い!痛いって!え!?聞こえてないの!?!?痛いって言ってるじゃん!」


「あ、あぁ。すまない。それには触らないでくれ…」



パッと手を離した師匠はマリーオに頭を下げて頼んだ。あの師匠が?あの滅茶苦茶頑固マンみたいな師匠が人に頼んだ…だと?



「それよりほら、この宝石。本田のイヤリングと同じ宝石だよ多分」


「…は?」



ウィンドウを出して自分のアバターを見ながら宝石と見比べてみると確かに、オレンジの半透明な宝石で輝きも似ている気がする



「そういえば、記憶が無くなったって言い始めたのはこのイヤリングをつけ始めた時からだね?」


「あ~、言われてみれば」



マリーオの話を聞いて色々整理してみるとそんな気がしてくる



「つまり、この宝石は記憶喪失と深い関係があるはず!さぁ、おじさん。吐いてもらおうか」


「………分かった」



それから師匠は所々詰まりながら記憶消去のワイバーンについて話し始めた



「うわぁ…こりゃまた酷い。それでこうやって記憶消されてそれに悩んでる師匠の元にきた本田も酷い」


「何でだ!俺だって好きで記憶を消された…わけじゃ…ない…………あの、その…ごめんなさい」


「お前は何も悪くない。それに巻き込んだのは俺だ」



師匠は俺の頭を撫でながら少し悲しそうに笑っていた



「まぁ、次こそワイバーン君をどうにかしてやりますよ。兄ちゃん達の記憶がないのも中々やばいので」


「すまない…頼んだぞ」


「私も何か手伝おうか?」


「いや、あのワイバーンは警戒心が高いらしい、複数人居ると出てこない。ここは本田に任せるしかない」


「なるほど…ユニーク関係でソロ限定。難易度鬼高そうだけど大丈夫なの?」


「どうにかするしかない。私の記憶を戻すためにも」



もう諦めてしっかり攻略するしかない


そう思っていた俺だが、この時点では気付いていなかった。俺の影響力、そしてそれによって動いていたアホ共の行動力を







「おいおいおいおい…!なんなんだよこのワイバーンは…!」


「複色竜…!?単色竜しか居ないんじゃなかったのか…!?!?」


【我々の同胞を殺し尽くす貴様らに、裁きの鉄槌を『電竜(でんりゅう)』】


「2...4...6...!七体の…ワイバーン!?」


【去ね、群れることでしか戦えない劣等種共め『水竜(すいりゅう)』】


「無理無理無理無理!ぎゃあああああああ!!!」










夜飯を食い終わった直後、マリーオから通話が掛かってきた



「あ~、待て喋んな。今スピーカーだし親が前に居るから」


『おっけ~、自分の部屋に行ったら教えて』


「え?彼女?」



アホなのかな…父さんも彼女とか言い始めてめんどくさいし…



「いや、友達。部屋に籠るわ、おやすみ」


「ハイおやすみ」



父さんの話が飛躍しないうちに部屋に逃げ込む



「お前はアホなんか?」


『ごめんじゃん。無意識だったんだよ』


「で、用件は?」


『ちょっとこの記事開ける?』


「ちょいまち…タブレットで開くわ」



ベッドの上で充電器を差しっぱなしのタブレットを取って椅子に座ってからリンクを開くとそこには驚きの記事が載っていた



「突然現れた複色竜…各地に危険地帯がサイレントアップデートで設定された」


『な~んか嫌な予感するよね。記憶ワイバーンとかそこら辺に絶対関係してるよ』


「そうか…?目撃者の報告をまとめてる内容見てると『同胞を殺し尽くす貴様らに』って言ってたらしいぞ?」


『飛竜種狩りにブチギレてたってこと…?でもなんで今になってブチギレて…』


「ふむ、確かに。絶妙なタイミングだよな。俺達が記憶ワイバーンの話をした後…ん?」



飛竜種狩り…記憶ワイバーン…そういえばマリーオと出会った時もマリーオは飛竜種狩りしてたな…



「『あっ…」』


『ねぇ…これってまさか………』


「言うな…言うな…!」



マンマミアがスレ板でワイバーンの情報を俺が欲していると言ったせいで色んなプレイヤーが飛竜種狩りを始めた。それにより、マップ全体の飛竜が極度に減少…



「ああああああああ……!頭痛い…!」


『状況の早急解決を要求します』


「善処します…」




単色竜

よく皆が戦っている紅飛竜などの1属性の竜のこと。限定種とはまた別の括りで、単色竜の中に限定種がある。


複色竜

今まで確認されていなかった複数の属性を併せ持つ竜のこと。詳細は後々の俺、任せた…!

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