12.感覚派の奴は説明が下手だが感覚が共有できたらほぼ無敵
恋愛もの書いてみたくてちょっと書いてました
ごめんなちい
「本田~?氷結飛竜の素材持ってきたけど…ってお~い?」
「…ぉ?」
「どうしたの?さっきからボーッとして」
「いや…」
アカツキでマリーオサントネヨットから氷結飛竜の素材を受け取りつつ少しだけ疑問に思ったことがある
「なぁ、俺っていつ大鬼山から大鬼の素材とって帰ってきたんだっけ?」
「え?ボケてるの?」
「いや、真面目に」
「何ぃ…?昨日の目撃情報的に結構遅くまでやってたみたいだし…寝不足でぼーっとしてるんじゃない?今日は早く寝て日曜日に備えた方がお姉さん良いと思うな」
「うん、そうする…」
いや、おかしい…あの大鬼と戦って死ぬ覚悟をした瞬間からの記憶が無い…インベントリの中には大鬼の素材はあるし…一応倒して帰ってきてるんだよな…?
「ん~…何でだ?」
「職業クエスト進めるんでしょ?早く行っておいで。」
「あ、あぁ…」
「てかこのイヤリングはどんな効果?いつ着けたの?」
「え?ほんとだ、付いてる。効果は知らん」
「えぇ…ほんとに大丈夫?」
背中をポンと押されてお師匠様の所に向かって歩き出すがやっぱり何か引っかかる。何か忘れてるような…いやでもついさっきまで起こってたことを忘れることあるか?もう高齢の健忘症が来たかもしれないな…
「も~…!ほら!お姉さんも着いて行ってあげるから…!シャキッとせんかい!」
「…」
背中をグイグイと押しながされながら考えても結局わからないままお師匠様の元に着いてしまった
「お爺ちゃん!この子がなんかシャキッとしてくれない!どうにかしてくれない?」
「…!お前まさか…!」
「お師匠様?」
「ヤツに会ったのか?!どうなんだ…?」
俺の肩をガシッと掴んで迫真の顔をしている。え、なんか怖くない?ちょっと力入ってるよね?ちょっと落ち着きなはれ
「ん~?ヤツ?」
「分からないです…大鬼山に行って大鬼と戦ってたはずなのに、気付いたらアカツキに居て…」
「やられたな…お前。飛竜のこと何処まで覚えてる」
「え?何でワイバーン?背中の鉱床を叩いたら怯む、喉を潰したらブレスが吐けなくなるとか?」
「…そうか」
お師匠様が悲しそうな顔をしてる。何かやっぱりおかしい気がするんだよな…ん~?なんでだろ
「あの…お師匠様?」
「なんだ」
「何か、ありました?」
「特に無い、準備しろ。修繕依頼を終わらせる」
「…はい」
ん~…!明らかに何かあるだろぉぉ…!顔が、顔が物語ってるやん…!
お師匠様が装備を打っている途中で俺に向かって少しキレ気味で注意する
「集中」
「ごめんなさい」
「考え事は悪いことじゃないが鍛冶をしているなら鍛冶以外のことは考えるな、鍛冶に失礼だ。これ以上この工房で失礼なことをしたら今後一生鍛冶をやめてもらう」
「…ごめんなさい」
しまった、NPCの好感度を下げることをしてしまった。それ以外にも師匠から職業クエスト中に聞いていたのに忘れていた
「本田、俺の師匠が言っていた言葉だがお前にも聞かせてやろう」
「謹聴します」
「鍛冶をするときに他のことを考えるな」
「…はい」
「あまりピンと来てないだろ?」
「はい」
「俺もだ。そこで失礼な俺は詳しく聞いた」
「お師匠様はなんと?」
「「鍛冶をするということは人を支えるということ」だってよ」
「…?」
「ハハハ、俺もお前みたいな反応をしたがこれ以上は教えてくれなかった。だが今の俺にはわかる、師匠が何を言いたかったのか。本田なら師匠に会って会話をするとわかってしまうかもしれないな」
「お前ならこんな時、何を使って修繕をする?」
今から修繕する装備を俺に渡してきて問いかけてくる
いや…使われている鉱石はドラゴ鉱石、ドラゴニア山脈にある鉱石の一種だし、ドラゴ鉱石一択だろ。ドラゴ鉱石との親和性とかは言わずもがなだしそもそもドラゴ鉱石で出来てる装備だぞ?
「ドラゴ鉱石で直します」
「不正解だ」
「え、でもその装備は」
「竜鉱石…よそんとこの言い方だとドラゴ鉱石で出来てるのは誰にでも分かる。この装備の状態は?ちゃんと見たか」
「はい、所々欠けている状態から見て…腐蝕系とかですかね」
「違う、全体的にダメージ蓄積から特にもろかった部分から欠けている。氷系の魔法でのダメージだな」
「なるほど…そこまでは分かりませんでした」
「ここで使う素材は次も氷系の敵と戦うことを見越して氷に強い素材且つドラゴ鉱石と親和性の高い氷結飛竜の牙だ」
「そこまで考えて素材を取りに行かせてたんですか?」
「もちろんだ、いかに使用者のことを考えるかが鍛冶の本質。実際に戦っているのは使用者だが使用者が戦うのに使うのは鍛冶師が打ったものだ。命を預けられていると言っても過言ではない」
「だから「鍛冶をするということは人を支えること」…か」
これは中々良いことを聞いた、今後意識をしていくことにしよう
「お爺ちゃんイケメーン」
「部外者は黙ってろ」
「は~い」
「よし、今日の仕事は終わりだ」
「あ~クソがッ!」
「幼女ちゃん口悪くなってるよ~」
「ちょっと黙って?」
終始お師匠様のクイズに正解できなかった。マリーオサントネヨットは色んな鉱石に親和性が高い素材やその系統が聞けてホクホク顔だが俺からしたら褒められることは一度もなく、ずっとお小言を並べられている感じでイライラし続けているだけだ
「お前の技術は少しは上がっただろう、次の段階へ進む気はあるか?」
『職業クエスト:武器鍛冶師への道を受注しますか? はい/いいえ』
「はい、それはもちろん。けど少し待っててください」
受注だけしてクエストは後に回そう…もう今日は疲れた
「マリーオ、今何時?」
「今?今は18:30だよ」
「今日はもう落ちる。後で別ゲーでもやろ…」
「私が持ってる奴なら参戦してあげても良いよ?」
「大乱闘兄弟」
「出来るじゃん。私いつもの配管工で」
「好きすぎかよ…またね」
「またね~」
手を振りながらその場でログアウトした。うん、疲れた。こう…疲れた、リアルの体を動かしているわけじゃないからな、リアルの体は全然元気なわけだが精神すり減りすぎてヤバいわけだ
「今日の夜飯は何~?」
「うどんちゃんです、何をトッピングいたしやしょう!」
「わかめと海老天ととろろで」
「へい!いつものね~」
父さんがいつもの大将スタイルでうどんを作って俺の前にどんぶりをドカッと置いて明らかに量が多いことを確認してから父さんに改めて聞いてみる
「え、大将これ何玉?」
「3玉だよっ!よいしょ!」
「いや、よいしょ!じゃないが」
3玉て、どんな運動部だ。俺が運動してるのはゲーム内でだけで現実の体は動いてないからあまりお腹空いてないと思うんだけどな…
「え、でも兄ちゃん達は全員食べよったよ?」
「う~む!運動部の兄を持つときの弊害…!普通の帰宅部高校生は2玉で十分です」
「まぁ…残ったらお父さんが食べるけん」
「いただきます」
「あいよぉ!」
まぁ、食べきれるけどさ。もうお腹はち切れそうなほどパンパンだし今すぐにでも吐きそうだ
今後は冗談でもこの量が出てくることが無いことを願いながら適当な飲み物を持って自室に戻るとしよう
「じゃ、わしはもう部屋にこもるけん?」
「昨日みたいにゲーム遅くまでやらんよ?」
「流石に二日連続はきついしもう今日はあのゲームしないから大丈夫」
「ならいいけど、お休み」
「おやすみ~」
部屋に入ってスマホでマリーオサントネヨットと唐揚げに適当にメッセージを飛ばしつつ久々に握るコントローラーを動かして少しだけキャラの動きを慣らしていく
少しした頃、マリーオサントネヨットがゲーム内で作っていた部屋の中に入って来るとともに通話に招待をしてきた
「あ~、音量おっけー?」
「大丈夫だよ~、こっちはオッケーだよね?始めようか」
「勢い、勢いが凄いから…久々に動かすからお手柔らかに」
「それは私もだから大丈夫。いつもの配管工で受けて立つ」
「…とも少……待って………いい?」
「あ、唐揚げさん声小さすぎてマイクが音拾ってないよ~」
「もっと腹から声出せ」
「ごめんなさい」
「別に怒っては無いんだけどな」
唐揚げは口調は男性なのに声が女性なせいでこいつが謝るとなんか罪悪感がマシマシになるんだよな…
「二人とも少し待ってもらっていい?ちょっとやることあって」
「やることって何?」
「そーだそーだ!この通話に入ってきたからには長時間は待ちたくないぞ~!」
「宿題」
「「…」」
「よし、マリーオは配管工だっけ?俺は脳筋魔王使うから」
「はーい」
「待て!待てって言ってるじゃん!?」
関係ない、行け
二人で大乱闘を始めその中で唐揚げの話を聞き進めていく
「ほう、良く分からないところがあるから教えて欲しいと…」
「まぁ、端折ればそうなる」
「でもバカだね~、中学校の時に仲良かったメンバーで高校前最後に遊んでたら風邪ひくなんて」
「それで学校に行けなかったら最も子もないだろ、アホか?」
「だから…!それは確かにそうなんだけども…!」
「あ、メテオうま」
「久々にやったけどメテオまでの流れは素晴らしく美しいぞ俺」
「あの、早く教えてもらってもいい?」
「そう言うのはマリーオお姉さんに教えてもらえ。俺の学校は中学数学から始まって新しい内容に入るのは二年からだ」
「「使えねぇぇぇぇぇぇぇぇ…」」
「うるさ」
と、言うわけで俺とマリーオは一旦ゲームをやめ、マリーオは唐揚げの勉強を、俺はPossibleの情報を集めていた
「あ、そこは確かこう…どぎゃーんってやればいい」
「あ~!凄いな…!」
「え、今ので分かるのキモくね?」
「いや、マリーオの手元見てれば分かるって、お前もビデオ通話オンにして自分のカメラだけ切っておけばいいだろ」
「名案じゃん、一緒に私の説明聞いておいた方が後々の勉強楽だよ?」
「…少しだけ聞こう」
スマホの内カメを一応指で塞いでおいてビデオ通話の方をオンにする。あ、外カメで天井写っちゃった。まぁいいか、こいつらは別に特定とかする以前に住所をお互いに知ってるし…
「あ、電気一緒。ほら」
「そういういらん情報増やすな。早く説明を進めてもらって」
「じゃあテキスト12Pを開いて?」
「先生教科書ないっす。その教科書うちじゃ扱ってないんで」
「じゃあ、隣の席の…唐揚げ。見せてあげて」
「は~い、ほら。写真送ってやったから」
「あ、これか。あんがと」
唐揚げから飛んできた教科書の写真を見ながらマリーオ先生の授業が始まった
ふむ、何とも分かりやすい。いや、まぁ擬音だらけで音声だけだととてつもなく分かりづらいが画面ではわかりやすく途中式から何からすべて書いて説明してくれている
「…で?だからこう…ベンベケベンなわけで」
「ほうほう…」
「ベンベケベンかぁ…」
「もしもし?あ、おはよう。どうしたの」
「ちょっと勉強教えてもらっても良いかなって」
「お前な…人にPossible進めるぐらいなら先に勉強終わらせておけよ…。まぁ良いけど」
「この問題だけだから、すぐ終わると思う」
「あ、そこはこれがこうなってベンベケベンってやっておけばいける」
「ベンベケベン?」
「あ」
唐揚げが同級生の世界線も存在したらしいです
私の周りも私自身も感覚理解派で、中学の頃、根本理解派の友人に質問攻めされてみんなで悲鳴をあげた記憶があります




