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美女勇者とチャラい勇者の合コン④

よろしくお願いします。

おいおい、暴力行為は合コン規約違反で即、登録抹消だぞ。俺は、そのバカコンビに冷たい視線を送る。


「二人とも、止めて下さい! 合コン、退席になりますよ!」


美女の勇者カナルが、語気を強める。その言葉により、バカコンビは大人しく席に座る。悪ガキが大人に叱られた様な、そんな顔をしている。


おぉ、美女のキツい言葉は男達にスゴく響く。俺は少し感心しながら、カナルの方をチラッと覗く。ちょっとムッとしているが、綺麗だなと俺は見とれてしまう。


そして再び、バカコンビのチャラい勇者と重装備の戦士の方を見る。こいつら、ホント大したことねぇな、絶対弱いだろと俺は断定する。


恐らく強さで言えば、この美女勇者の方が断然強いだろうなと、俺は皮肉な笑みを浮かべる。


場の悪くなった空気を変えようと、美女勇者カナルが気を使って、俺に話し掛けて来る。


「サークさんは、どの辺りで冒険してるんですか?」


俺は一瞬答えを躊躇う。ムーア大陸にいたと言うのが、正直な答えなのだ。だって、俺がホントに大魔王を倒したのだから。しかし、それではあのチャラい勇者と同じになってしまう。


「あ、俺もカナルさんと似たような感じです。この辺りを散策してて、ムーア大陸に挑戦しようかなって思ってた所なんです」


俺は、嫌われないように嘘を付く。誰も傷つかない嘘ならいいだろ、俺はそう思った。


しかし、その答えに意外な反応をした人間がいた。俺の正面に座っている、あまり可愛くない魔法使いの女の子だ。


「えぇ、そうなんですね。サークさんって強いんじゃないですか?私達のパーティーに入ってもらおうかな?ネッズ、どう思う?」


その女の子は、相方のポニーテールの美女にキャアキャア言ってる。


「私は、サークさんが良かったらいいと思うよ」

ポニーテールの美女回復士ネッズが答える。


あれ、流れが変わってる。ひょっとしたら、美女勇者より美女回復士の方が脈アリなのか、俺はまた迷い始める。


「え、やった! ホント? じゃ、ちょっとサークさんの事色々教えて下さいよ。レベルはどれくらい何ですか? 武器は何ですか?」


ルックスがやや劣る魔法使いの子は、俺に艶かしい視線を送って来る。いや、これも想定の流れじゃないぞと、俺は困惑する。


しかし、気のない子にアプローチされたからといって、無下にすると、他の女の子の心証がスゴく悪くなる。俺は前回の合コンで、すでに学んでいる。この女性に対しても、俺は優しく接する様に努める。だから、丁寧に質問の受け答えをし、会話を進める。


「シノさんとネッズさんは、どの辺りで活動をしてるんですか?」


俺は狙いではない女性二人を見ながら、社交辞令的に話し掛ける。


「私達はそんなにレベルが高くないので、安全なこの辺りの森とか山とかですよ」


魔法使いの女の子シノが、申し訳なさそうな顔で俺に答える。俺はいえいえと手を振りながら、チラッとポニーテールの美女ネッズを見る。


「僕で良ければ、一緒にパーティーに入って、お二人のレベル上げのお手伝いさせて頂いても構いませんよ」


イケメンの魔法使いターンが、会話に加わって来る。ここ、第一希望じゃないんだけれど、入ってこられるのはちょっと困りますと、俺は複雑な気分になる。


「でも、パーティーに魔法使い二人ってバランス悪くないですか?」


シノは苦笑いしながら答えている。自分より優秀な魔法使いが、同じパーティーに入って来るのは困るという感じかと、俺は解釈する。


「あ、僕は剣の方も少しは出来るので、前衛をやりますよ」


イケメン魔法使いは爽やかに答える。そして、チラリとポニーテールの美女ネッズを見る。この視線、間違いない。こいつ、ネッズ狙いだなと俺は確信する。


「えー、どうする? ネッズ? お願いしよっか?」


また、シノは相方のネッズに困った感じで聞いている。ネッズは好きにしなさいという風な顔で聞いている。


俺は、そんな様子を見ながらチラリと狙いの美女カナルの方を見る。チャラい勇者ゼンツが、カナルに猛アタックをしている。


しまった、出遅れた。こんなことをしている場合ではない。


俺は動揺する。そして、カナルとゼンツの間にどうにかして、割って入ろうと画策していた。






読んで頂きありがとうございました。

これからも頑張ります。

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