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策略の女の合コン②

良かったら、読んでいって下さい。


前作の

"ドキドキの異世界合コン、デビュー戦"

が、掲載されています。


こちらを読んで頂くと、より楽しめるかなと思います。


”あなたは世界で一番強いヒーローになりたいですか?(注)ただしアホになりますが・・・”も完結しました。


どちらかと言えば小説よりも、コミカライズされた方が良い作品かもしれないという、ヒーローものです。


良かったら、他の作品もよろしくお願いします。




「それじゃ、乾杯!」


女性リーダーの回復士が、笑顔で音頭を取る。男メンバーは仕方なく、グラスを手に取る。が、他の女性メンバーは誰もグラスを持たない。


太った女性は食べるのに夢中だ。老婆は耳が遠いらしく、気が付いていない様だ。暗い女性はボソボソと何か言って、不気味な笑みを浮かべている。


俺は予想外の展開に固まってしまう。横の男達を見ても同様の反応だ。ノリノリなのは、俺の目の前にいる女性リーダーだけだ。


「それじゃ、順番に自己紹介してよ。まず、貴方からね」


そのノリノリの女性は俺を指差し、再び仕切り出す。俺は戸惑いながら、自己紹介を始める。


「サークって言います。剣士をやってます。宜しくお願いします」


「貴方、他のパーティーの仲間は?どれくらいのレベルなの?収入は?お金はどれくらい持ってるの?」


その女は、俺にズバズバと質問攻撃をしてくる。失礼な女だなと、俺はムッとする。だから、質問に対し適当に答える。


「何だ、見た目通り大した事ないのね?じゃ、いいわ。次の人、お願い」


その女は、俺の隣の魔法使いの男を指差す。誰が大した事ないだと、大魔王を倒した勇者様たぞと、俺はイライラして来る。


隣の指名された男も、動揺しながら自己紹介を始める。そして、その女は文句を言いながら、次々と尋問の様に男達に質問していく。


「これで、全員ね。まぁ、こんなモノでしょうね。じゃ、貴方達のお待ちかねの私の自己紹介をしてあげる。ちゃんと一言一句、聞き漏らさないようにね」


その女はまた、ノリノリで場を仕切る。空気読めよ、誰も貴様の自己紹介など待っておらぬわと、俺は正直思った。


「私の名前はズーウよ。回復士をやっているわ。私の理想のタイプは、イケメンで貴族でお金を持っている人ね。さぁ、私に関する質問タイムよ。何でも聞いてね。でも、いやらしい質問はダメよ」


その女の言葉に驚いて、俺は持っていたフォークをテーブルに落とす。この女、どれだけナルシストなんだと、怒りの感情が湧いてくる。


「他の女性の方の自己紹介は?」

気を使って隣の魔法使いの男が、手を上げる。


「いいのよ。あの子達の話は。どうせ、貴方達、私狙いなんでしょ?聞いても仕方ないでしょ?」


ズーウという女の言葉に、俺は確信する。この女、心理学で言う、コントラストの原理を使って来ていると。


つまり、ルックス査定Eランクばかりがいると、Dランクのズーウが美女に見えるという策略だ。


だから、自分より見た目の悪い女性を揃え、自分を引き立たせるように仕組んで来たのかと、俺は考えに至る。


ズルい、それは誠実ではないぞ。そんな事、許されないぞと、俺はまたイライラしてくる。男メンバーに対しても、他の女性メンバーにも失礼な事ではないのか。


俺が怒りで震えていると、ズーウも機嫌が悪くなり、文句を再び言い出す。


「ちょっと、質問タイムだって言ってるのに、全員黙っているなんて、どういう訳?貴方達、合コンしに来たんでしょ?もっとやる気出しなさいよ。私達に失礼でしょ?」


俺は開いた口が塞がらない。やる気が出ないのは、貴様のその態度の為だと、叫びたくなる。


「貴方達、それでも男なの?ここにカワイイ女の子がいるのよ。どうにかしたいとか思わないの?ホント弱い男達ばかりね。今日の合コンはハズレね」


それから、ズーウの長い説教が始まる。男達はしばらく我慢して聞き続ける。みんな、よく耐えたと思う。しかし、俺の我慢の限界が訪れる。俺はズーウを睨み付け、言い放つ。


「あんた、いい加減にしろ!こんな合コン、茶番だ!男達をバカにし過ぎだ!俺は頭にきた。もう、帰る!」


俺は席をバッと立ち上がる。おぉと言う他の男性メンバーからの尊敬の目が俺に注がれる。あんた、よく言ってくれたよという目だ。


「ちょっと、何よ!もし、貴方がここで帰ったら、合コン組織委員会に言い付けて、永久追放してもらうから。こんな失礼な事ないわ!女性に恥をかかせるなんて」


ズーウも立ち上がり、俺に向かって叫ぶ。俺は永久追放と言う言葉に恐怖し、無言で静かに座る。


男メンバー達のガッカリした視線が俺に突き刺さる。頼むからそんな目で見ないでくれ。仕方ないだろ、永久追放は嫌なんだから・・・。












読んで頂き、ありがとうございました。

あなたと僕の小説力が、向上していきますように!

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