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惺空に  作者: ロサナ
1/1

キチガイな野望

 プロローグ


 1:もうこんなとこやだ!! 助けてドラゴン!!



 林羽美は生粋のゲーマー気質だった。好きな数字はなんだ、と女子集団から問われたとき、即座に考え迷い切った末答えた答えが「2」だったのだ。その「2」を宣言した後、「羽美ってかっこいいの? 意外だね」と言われた。その後『あれ……? 今ので私は失恋不可避なのか……?」と思っていたのだ。羽美はどうしても失恋はしたくなかったのだ。

 ところが、ネットの男性に告白をしたら、あまりの恋愛の内容の拙さに、失恋をしてしまった。関係を持ったのは中学一年の頃だった。その頃から、「私なんて、もう戀も終わってるし、最悪だ……生きてる価値が、ないんだ……」と思っていたのだ。その思案こそが、本当に失恋をした人として最高の恋愛を遂げる伏線―――だった。まだ羽美は失恋2回目回避不可避というわけではなかったが、なにかその恋愛の現実味にも違和感を感じていた頃だった。

「なにか、強力な話は、無いのかな……」

 羽美は、不安に駆られていた。学校でも勉強を演じている自分がいて、そんな毎日にうんざりうんざりしていた。この世界は、強制、決まりがあるから腐っていくのだと、思った。その決まりに守られているのは、自分なのに。

 羽美は働ける自信が、無かった。0パーセントの能力と、思い切っていた。

(私にも、輝きが欲しい……!)

 そう思った矢先

 学校にあるテレビで、占いについて語られていた。この学校は、支援学校だったのだ。融通がいくらか効いて、正直残念なことを言うと、一発逆転に賭ける人しか居ない人々の集まりだったのだ。その占いの取り扱われている不思議な力、引力に自然と吸い込まれるように羽美はそのテレビに集中、釘付けになった。

テレビ「フェニキッスという名前のSNS”ツイッター”で殺人を潜在意識だけでするロサナという人がいます。彼は、ポケモンを極め、SNSであるツイッターのツイットで”因縁の相手に「ちょっと死ね連投されただけでその逃げ腰かよ」「あの時受け止めてればまだ話もあったのに」「あの時お金をたんまり渡してればこんなことにはなってなかったのに、残念やったな」と生の生贄……? を確保するためにツイッターで長い病院生活を2年と2カ月後後、その頃にその絶縁ツイットを二人を晒し首にしたのです。我々はその事実を知った時、驚愕しかありませんでしたが、そんなロサナさんの”ゲーム極めから占い師になった道”を今でも四柱推命だけに頼らず偶然運だけで貫いているロサナさんのスタンスに、惚れている人も居るわけです。これを機に、多くの方々は占いに興味がある場合、占い師を目指してはどうでしょうか。これまでのしていることの罪が低い、あるいは全く無い場合、ゲームセンスや様々な感性にさえ冴えていれば、多くの形で占い師になることは可能だと思います。感染病やお金のない人で多く、困っている世の中ですが、自分の中だけで正しい結果を知りたいなら、困っているとき占いは助けになるので、気になった方は占いをしてみましょう。以上、サルパドレッカナという犯罪気質を持ったプロ占い師ロサナさんの話でした」

(!? 今のって……)

 世界の答えを丸写ししてるようなテレビだ。でも、”絶縁をツイットでした”というのが気になる。どれぐらい+アルファの害だったんだろう。

 占い師になるには、そもそもの資質に潜在意識だけでも自分から芽生える必要があるはずだ。どれだけ貧乏でも、自分の正しさや資質にさえ恵まれていれば相手からお金は発生するはずだ。当たってから、しばらく経って、相手にお金を払おう、という正義の意志さえあれば。

 というより当ててさえしまえば、占いは次々と溢れ出る根源の強みにしかならない。なった時点で勝ち、みたいなものだ。それまでの修練や地道な積み重ねは修羅を極めるんだろう……。けど

(私も、占い師になりたい……!)

 私がしようとしている『占い師』という目指す道は、イバラな道な上少しでもボキャブラリーや駆け引きに負けた時点で多大な損失が出る……ことは分かっていた。けど、私はこれまで駄菓子屋の10円のお菓子を盗んだ経歴しかない。……それが問題なんだろうけど。でも、それぐらいだったら貧しい国への募金はしてるから、許されるはず……だ。許されないんだろうけど、罪は軽い……はず。私は、そういう一回の詰みさえなければもっとすごい存在になってたんだろうけど、正直、そっちの道は私の心臓的問題で負担があまりにあったから。その10円の盗み一回により、安心の布石を置いた……ということだったんだった。

(私も、ゲームが、欲しい……けど)

 羽美はお金が現在32円しか持ってなかった貯金は14000円だった。それも、貯金は親が管理していた。貧乏に貧乏が重なっていたのだ。お年玉は、貰った瞬間抑えられない食欲に消耗されていた。特別なお祝い茶菓子が、大好きだったのだ。占いや宗教に関係のある和菓子も、食べていたのだ。その和菓子は奈良や京都で食べた和菓子だった。

(私が占い師なんて、お金がないからそもそもが無理……だ)

 直感を極めることが、私はできない。だから、サイコロでこの数字かな? と思っても大方の事は何故か私にすでに占いの気質があるからかわかるけど、あくまでそれは私が数学の点数が78点だからだ。最高では92点行ったこと、あるんだけど……

(というより犯罪をした以上、私はロサナさんのようになんとかドレ? ……になるしかないんだ……)

 やってしまった気質は、魔性のように渦まく。私は、分かっているんだ。なのに、競うのが楽しみすぎて仕方がない。

 ゲームで勝つことは、犯罪。と定義するなら、私がしようとしている野望は犯罪以外のなにものでもない。その犯罪をした上で上に立ちたいと思っているのだから、これはもう世の中が犯罪に成り立っている……と言える。

(ロサナさんは悪い正しい正義の人の予感がかなり漂ってるけど、凄い人には違いない)

 多分、世界1位にまでなんらかのゲームで行った……? んじゃないかな。最終ランキングは、何位かは分からないけど。

 私も、ゲームの戦いの世界に、入り穢れたい……!

 そう思った刹那


 バンッ


「ヒヒッ、これでお前のゲーム人生は終わりだ」

「散々くせぇ台詞ばっか言いやがって。お前にこれ以上の道などない!!」

「ああ、前々から変な奴だと思ってたんだよ。極めてることはゲーム、やってることは口だけ、実績もなければ留年とか。世界なめてんじゃねえぞ!!」


 ! この人は……

 河瀬川飛塚。

 昔、私を虐めから救ってくれた……

 あれは、私が小学生の時だった。バスケで下手くそだったところ、俺に任せろ、とささやかれボールを渡したら、劇的に逆転でき、『あのとき羽美がボールを渡してくれたから、お前はけがれずに済んだんだ』と言ってくれた、私の恩人だ。あの記憶を今思い返して、何があったのかと思った。

「ふん、二度と俺たちの視界に入ってくるんじゃねえぞ」

「お前がプロゲーマーとして改造を使っていたことは、みんなにバラしとくからな。これでお前の人生は終わりだ」

「挙句の果てに無言かよ。はっ、こんなつまんねえ奴とはおさらばしようぜ」

「……」

 同じクラスである河瀬川は、一人になった。

 …………

 ひどい。

 改造だって、手段を選んでられない世界では、使っても良い時があるはずだ。……私は、使わないけど。

 でも、時間に余裕がないなら、仕方なかったんだと思う。でも、改造を作った人の意志は残酷だから、なんで飛塚くんは改造なんかに手を出したんだろう。

 言葉を、かけなきゃ。

「あの……」

「……羽美か。俺は、16歳でプロにデビューできたが、今までの不正が天罰を下したようだ。変なノリにのっかちまう時もあったしな。これで、良かったんだ」

「……そんな」

 飛塚くんは、私に問いかけた。

「羽美はこの世界でただ生きるだけが正解と、思うか。確かに、積み重ねは大事だよな。その積み重ねだけで、答えを自分から特殊ルートを作らずに見出す人も、居るはずだ。だが、俺はもうこんなよどみばかりのゲームの世界は、ごめんだ。俺は最低限のやり込みのあるゲーム以外、羽美に託そうと思う。新品のゲーム機もある。友達から祝いで貰ったものを、箱から出してないんだ。そのゲーム機で、俺なんかの余力の端切れでよければ、貰ってくれ」

「え……」

 飛塚は、言われた通り新品同様のゲーム機ハード、新品ソフトたちを渡した。渡された羽美は、自分の思ってる事とは裏腹にミラクルすぎてなにが起きてるかが、わからなかった。

「俺はプロでの戦いでもそんなに強い方じゃなかった。6割方負けていたんだ。引退でもいいかな、思ってたんだ。縛ってたけどさ。項目は」

「”縛り”……?」

「プロの世界では無駄みてえな通れば快楽、みたいなこだわりだ。俺は元からそういう性格で、親父の影響もあってそういう勝ち方をしていくうちそのスタンスのドツボにはまって自分のやり方に洗脳されてしまったんだ。俺みたいなのは、やらなくていいからな」

「へ……え……」

 そんなすごいことしてたなんて、飛塚くんはやっぱりすごいと思った……。なぜ、プロの世界に入ったのに、その縛り……? を、したのだろう。改造も、勿体ない話だと思った。

「その……」

「ん」

「飛塚くんは、なんで改造をしたの……?」

「それはな」

 ………………

「当時のこの『パッケージシングレス』というゲームは、ポケモンより用意するものが少なくて済むんだが、改造をすることによって相手がなぜゲームをしてるかが、おまけ要素として分かったからだ」

「え……?」

 おかしな話だと思った。そんなことしなくても分かるはずなのに……

「強いて言うなら、俺はゲームだけに人生を捧げるようになっていったとき、同じ界隈で過ごすのが嫌になって、リミッターを外したいと思っただけだった。ただ、それだけだったんだよ」

 ……リミッター……?

 どんな、感覚なんだろう……

「ともかく、そんな下らない事は羽美は分からなくていいからな。その新品ゲーム機たちは、俺とは無縁のものだから、呪いもない……はず。事故にだけは、気をつけてな。じゃあな」

 言うと飛塚くんは、スタスタと放課後のロッカーを目指しに行った。

(……切ない……)

 これを機に、私のゲーマー目指しの道が始まった。私は、ゲーム機をくれた飛塚くんに恥じぬよう、また、なんとかドレ? ……気質に恥じぬよう、これからを大事にしようと、運命を覆そうとした。


 続く

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