表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/4

おしまい

 怖い。

 全身がガチガチに凝り固まってしまったようだ。


 それでも、ンジャヤは死なない為に必死になった。


 敵をしっかり見ること。

 無理はしないこと。

 大丈夫そうだと思えた時にだけ、攻撃すること。

 辛抱すること。


 ンジャヤにとってはいつだって、それだけが全てだった。


 目の前には大きな、大きな魔物。リュウと呼ぶそうだ。


 周りには怪我人、死人もいるかもしれない。

 叫び声が、うめきが聞こえる。


 正直、今まで経験した全てにおいて、一番酷い状況に思えた。

 リュウが口をかっと開いたので、ンジャヤは攻撃が当たらなそうな所まで逃げた。

 それからまた、隙を見て攻撃する。逃げる、隠れる、攻撃する。


 どのくらいの時間が経ったのだろう。


 気づいた時、ンジャヤはドシィン、とリュウが倒れる姿を見ていた。


 怖かった。

 怖かった。

 とても怖かった。


 ガタガタと震える体を抱きしめ、ンジャヤはその場にへたり込んだ。

 歓声は生き残った兵たちのものだろう。


 暗雲が晴れていく。

 臭くて臭くてたまらなかった空気に、どこからか花と草の香りが紛れていた。


 ンジャヤは二度と戦いたくない、怖かったし感触は気持ち悪かったし、最悪だったと思いながら、ンジャヤの為に用意された、よたよたと帰りの馬車に乗り込んだ。


 役人が言う。


「ンジャヤ様には国王様より褒美がもたらされます! 」


 役人が言う。


「望めば王族と結婚することもできましょう!」


 役人が言う。


「広場に銅像を建てる予定があります!」


 ンジャヤは首を振り、ああ大変な目に合った、と与えられた宿まで昼寝をすることにした。


たぶん、ンジャヤはこの後村に戻って普通に暮らします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ