表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
龍の目玉  作者: 馬之群
8/9

エピローグ

「薄氷、庭の椿が虫に食われているんだけど?」走馬燈が朝から大声を出す。

「はいはい、ただいま。」薄氷は面倒そうに言いながら庭に向かう。まだ使用人としての暮らしに慣れていないのだ。

「薄氷、若様にそのような物言いは…。」百目鬼がたしなめるが、時忘が止める。

「構わん。こいつは使用人である前に走馬燈の友達だからな。」

「時忘様、奥方がおよびです。奥の間にいらっしゃって下さい。」時忘に告げるのは則明だ。こちらは使用人としての評判も上々だ。

「どうせ家具の配置への文句だろう。気に食わないなら勝手に動かして欲しいよな。」ブツブツ言いながらも走って向かう。

「いえ、今回は箪笥の下から女物の螺鈿細工の櫛が見つかったとか…。」則明の声が追い駆ける。

『何だかんだ言って愛妻家だよな、走馬?』返事はない。

そうだ。走馬はもういないのか。結局あの戦いから全く声もしないし、入れ替わりも起きなかった。恐らくもういないのだろう。それでも暫くは黒彼岸から貰った薬を飲まなかったが、前に進むために飲むことにした。お陰で左目ははっきり見える。

失ったものも大きかったが、家族三人で平和に暮らせていることが、本当に幸せだ。

「走馬燈。」奥の間から声がする。

「今行くよ。」走馬燈は駆けていった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ