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『お兄ちゃんと私』

作者: 日野 愛歌

いつもきれいに作品を読んでいただいてありがとうございます。愛歌です。


この作品にはグロテスクなシーンや暴力的な描写が多分に含まれます。

どうか、ご注意ください。

『会いたい

 会いたい

 会いたい

 会いたい』

--------------------------------------------------------------------------------



最初に。

この作品は私の尊敬する作家先生に強く影響を受けすぎた作品です。

オマージュというよりは、パクリの域に達してしまっているかも知れません。

そこだけご了承ください。



===


「ねえ?お兄ちゃん」


「なんだ 永遠とわ?」


「私ね、大きくなったらお兄ちゃんのお嫁さんになる」


「・・・。勝手にしろ」





===



『お兄ちゃんと私と懐胎信書』   錯死殺曲:日野 愛歌





さながらそれは神郷的ですらある情景だった。

数限りなく見てきた。

僕はこういった情景を数限りなく診てきた。

神経が麻痺し思考が停止する程度にはこういった状況を数限りなく見てきた。

先月も先々月もその前の月も視てきた。


しかし、その僕をして戦慄させるような。

一種興奮すら憶えかねない、そんな情景が部屋の中に広がっていた。


―いや、ブチ撒かれていたというべきか。


これは明らかに、誰かに見せることを目的とした作風だった。


魅せつけることを目的とした錯品だった。


「――永遠・・・」


僕の妹、櫃内ひつうち 永遠とわ15才の身体は白い壁にはりつけにされていた。


まるで殉教者のようだ、とその様子を比喩することは僕にはできない。


とてもじゃないが、そこからどう視覚したところでそんな生温いものではなかった。

言葉で飾っても何の意味もない。それはただの、あくまでただの、惨殺死体だった。

惨殺死体以外の何物でもない。こんなもの、こんな絶対的なもの、他にどう比喩しろというのだろう?


「・・・・・・」


その両眼、あの、太陽ようにあっけらかんと笑うような、それでいてその奥で女神のように優しく微笑むような、

その瞳は、すでにない。本来眼が納まるべきその二つの窪みにはステンレスのハサミが突き刺さっていた。

半開きになったハサミの刃が、左右に広がり、その両眼に。

ほとんど根元まで食い込んでいて、その刃先が眼奥どころか恐らくは脳髄部分に達していることは確実だった。


それだけでも生きていないと解かるのに、しかしそれだけではない。


まずは口。

だらしなく開かれた、何の生命の息吹も感じられないくらいにだらしなく開かれた口内には、

無骨としか表現の仕様がないナイフが、今、僕の胸に突き刺さるナイフなど玩具に見えるくらいの無骨なナイフが突き刺さっている。

眼球に対するハサミと同様に突き刺さっていて、それは喉を貫いて背後の壁にまで達している。

そのナイフこそ、『櫃内 永遠』を磔にしているくさびだった。


そして胸。

心臓手術でも受けたかのように、筋肉も胸骨も切り開かれている。

そこから、人間の中身が露出している。思わず目を背けたくなるような、そんな風景がその隙間からは覗いていた。

人間が肉と血の塊であることを思い知らされているような、

生々しいものが詰め込まれただけの皮袋であることを思い知らされる。


腹。

心臓部からの傷が、へその辺りにまで続いている。

ゆえに、窮屈な皮袋から解放された内臓器官が消化器官が、そこから零れ落ちていた。

どろどろと。ずるずると。


薄黒い肉の管が自己主張しているかのようにはみ出して。

強烈な匂いが離れたここまで届いてくる。少なくともこんなものを見てしまえば野菜嫌いの子供だって、

しばらくの間は肉なんて食えないことだろう。

レバーなんてもってのほかだ。恐怖よりも嫌悪感の方が先に立つ。


両の脚。

元の形がどうだったのか解からないくらいに、べきべきにへし折られている。

あちこちから骨がはみ出していてとても正規に堪えない。

被害はそれだけに留まらず、口内に打たれた楔同様、その大腿部に、それぞれ一本ずつ、太いナイフが穿たれている。

太ももの真ん中辺り。つまりあれは肉を裂いているだけでなく、骨まで砕いている。


口内の一本、左右の脚に二本のその楔。

ゆえに『櫃内 永遠』の身体は宙に浮いている形になっていた。


磔。

血塗れの妹。永遠の非通知。刹那る邂逅。


ストレートの黒髪と、足元に落ちたキティちゃんのポーチ。

そして真っ赤に染まったうさぎのパジャマが、それが彼女だと示しているだけで、

既に妹の身体は原型を留めているとは言い難かった。


そして何より『それ』を奇々怪々めかしていることに。


その肉体には両腕がなかった。何かに捥ぎ取られたかのように、肩から先の部分が欠落していた。

それがかつて『櫃内 永遠』と呼ばれていたものを更にアンバランスにアンビバレンスに、そして不自然に魅せていて、

だらりと垂れ下がったうさぎのパジャマの袖が、ますます不気味さを喚起する。


滅茶苦茶だった。本当に滅茶苦茶だった。


残酷だとか非人道だとかいう以前に、この行動の、この情景の意味が解からない。

解体ばらばら死体の方がまだ得心いく。

人一人の肉体をこうまで破壊し、破壊し、そして破壊する行為に、一体どういう意味があるというのか。


磔。

部屋中の床が真っ赤に染まっていた。妹の血だ。

既に一部は乾き始めていて、酸化によってどす黒く変色を始めている。

『櫃内 永遠』の体内にあった血液が全て零れ出したのではというくらいの惨状だった。


だけれど、そんな床よりも自然、目が行くのは妹の半壊状態の身体と――そして背後の壁。

その背景の白い壁には。既に白いとはいえないその壁には。


血文字が描かれていた。


巨大な文字で、まるで『櫃内 永遠』の肉体を飾り立てる最後の一装飾であるかのように、

この情景を飾り立てる最後の一工夫でもあるかのように、血文字で文章で描かれていた。

ところどころが掠れていて読みづらかったが、かろうじてその内容は理解できる。


それは紛れも無い 僕の妹の文字だった。







===


せつなおにいちゃんへ


こんなわたしでも、あなたは愛してくれますか?

わたしをだきしめてくれますか?

彼女を理解してくれますか?


               とわより×××












僕は。僕は妹を見た。まっすぐに。

両眼を貫かれ口内をえぐられ胸を開かれ腹を裂かれ両足を突き刺され両腕を落とされ磔にされた、

最愛の妹の≪懐胎信書≫を瞳に映して。


『櫃内 刹那』は静かに。冷たい空気を震わせる。


























「当たり前だ」


瞬間、世界が崩れる音がした。    ≪I need you≫ is the WERLD END.






--------------------------------------------------------------------------------

晩餐会


【セーラー服微幼女戦士あいかちゃんの!それゆけ!錯品壊説】

『お兄ちゃんと私と懐胎信書』-U.Nオーエンは彼女なのか?-



■今回のお話はかなり不快で深いですよー


≪人物娼壊≫


【刹那る邂逅】櫃内ひつうち 刹那せつな16才 高1 男

→「兄/フラーテル」


【永遠の非通知】櫃内ひつうち 永遠とわ15才 中3 女

→「妹/ソロル」


ジャンル:世界系  ロジック:サイコ  ボキャブラリ:☆☆☆


●この錯品のみどころはなんと言っても、これでもかと言わんばかりの生々しいグロ表現。

一切の心理描写なしに、兄が、妹の死体の解体状況だけを淡々と説明していく様は、読んでいて恐怖すら覚えます。


こいつ、最愛の妹が死んでるのに、なんでこんなに冷静なんだよwとか。


ぜんぶを解説しちゃうと せっかくの風味が逃げてしまうのであえて、触りの部分にしか触れませんが  ここまで読んでくださった、皆様に無上の感謝の祈りを捧げつつ・・・


≪中略≫


■そして、本題■

兄へと宛てた妹からの『懐胎信書』の解説。



===


せつなおにいちゃんへ


こんなわたしでも、あなたは愛してくれますか?

わたしをだきしめてくれますか?

彼女を理解してくれますか?


               とわより×××




●これはズバリ私から、皆さんへの問いかけです。


「あなたはもし、自分の愛する人が、五体不満足になってしまったら、どうしますか? 本当に不変なく、今まで通り愛すことができますか?」



 『あなたの愛は本物ですか?』 そういうことです。



そして、同時に『日野 愛歌 本人の異常性を認識した上で、彼女(私)を理解し、抱きしめてほしい』 という傲慢で切実で不可思議な願いです。


「―当たり前だ」 こう言っていただけたら最高ですね。


私の描くイラストも、お話に出てくる登場人物もみんなみんな日野 愛歌の分身なんです。 私の可愛い子供たちなんです。


彼女らは皆、ココロとカラダのどこかが欠落していて、破壊と秩序を蔑みながらも、悪意と慈愛に満ち充ちて。混沌と創造を愛し敬いながらも、愛とココロを求めています。


『どうか笑ってやってください。それだけが私の願いです』


これは100億の嘘とたった一つの真実が奏でる抱腹絶倒奇々怪々な不協和音。 素敵で不敵な喜劇です。 フィクションの中のファンクション。

徹頭徹尾、戯言なサイコロジカルな絶悪論理。



汚くきれいに。可愛く卑猥に。 


『ぜひ≪世界≫の謎を解き明かしてくださいね?ご主人様』




『ごちそうさまでした』  THE END.



≪人物娼壊≫


【刹那る邂逅】櫃内ひつうち 刹那せつな16才 高1 男

→「兄/フラーテル」


【永遠の非通知】櫃内ひつうち 永遠とわ15才 中3 女

→「妹/ソロル」


ジャンル:世界系  ロジック:サイコ  ボキャブラリ:☆☆☆


●この錯品のみどころはなんと言っても、これでもかと言わんばかりの生々しいグロ表現。

一切の心理描写なしに、兄が、妹の死体の解体状況だけを淡々と説明していく様は、読んでいて恐怖すら覚えます。


こいつ、最愛の妹が死んでるのに、なんでこんなに冷静なんだよwとか。


ぜんぶを解説しちゃうと せっかくの風味が逃げてしまうのであえて、触りの部分にしか触れませんが  ここまで読んでくださった、皆様に無上の感謝の祈りを捧げつつ・・・


少しだけサービスサービス♪ (筋肉筋肉♪的な意味で)


というか、単に私が【処女作】ならぬ、【自慰錯】をアピールしたいだけだったりー←




●まず。妹を殺したのが誰か謎ですよね。


妹の自殺のはずないんです。だって、人間は自分で自分を殺すことは出来ても


自分で自分を解体することは出来ませんもの。


●そして、ナイフが兄の胸にも刺さっているという事実。


>今、僕の胸に納まるナイフなど玩具に見えるくらいの〜



これです。

このナイフを誰が刺したのか?

兄自身か妹か第3者か?


兄はこのとき死んでいたのか、生きていたのか?

解体されていたのが本当に妹だったのか?

もし妹じゃないとしたら、この死体は誰のものなのか?


そもそも、ここは何処なのか?いつどんな状況で起こったことなのか?


5W1Hの説明が全くないですね。  はい、謎です。


●この錯品の中では、本当にその惨殺死体が、妹本人のものであると確定できる要素がありません。


ずっと兄の一人称視点だというのも、怪しいですね。

兄が犯人なのかも知れませんし、彼は気が違ってしまっているのかもしれません。


ぜんぶ、兄の妄想の世界の話である可能性も否めません。 謎ですね。



●まあ、そういう贅沢な盛り付けをしなかったのは、ここでスパッと終わらせるのが、いちばんきれい(ヘルシー)かな・なんて。

こんだけ血生臭い描写しといて、何言ってんだとか言われちゃいそうですがw


あ、ちなみにグロ描写はパクリです。サイコロジカルのオマージュ。


ありがとうございました☆

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― 新着の感想 ―
[一言] 読みましたよ〜 表現がとてもよくて見ていて楽しかったです。 それとソロルとフラーテルを見る限るサンホラが好きなんじゃないかと ふんでいますw あと自分も拙いですが小説書いているんで来てくださ…
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