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婚約破棄からの死亡フラグを折るために  作者: 焔姫
第1章〜1年前〜
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前世の記憶(3)

 エリューシオン聖王国は、約500年前、魔王を封印した光の勇者と聖乙女が建国した国だ。


 『聖乙女の祈り』では、第1部はエトワール学園を舞台として恋愛を展開し、第2部では復活した魔王を封印するため旅に出る。


「魔王復活のとき、第1部で攻略したルートに登場した令嬢が魔王に殺されるなんてあんまりですわ!」


 私は唇を噛み締め、拳を震わせた。

 第2部オープニングで、復活した魔王が聖乙女であるリディアと恋人の前に現れ、恋人である男性が魔王を攻撃する。

 しかし、魔王の反撃によってリディアもしくは恋人が危機に陥り、それを庇って令嬢が命を落とすのだ。

 精霊王ルートのみ精霊王が姿を消すという形からスタートするが。


「リディアがカーティス様ルートを進めば私が殺され、他の方々のルートを進めば私の友人たちが殺される……」


 攻略対象となる5人の男性の内、精霊王を除いた4人のルートでは、それぞれヒロインと独自の関わりを持つ令嬢が登場する。

 恋敵として妨害したり、友人として応援したりと立場は様々だが、ゲームの中では攻略難易度を調整する脇役に過ぎなくても、現実となればひとりひとり生きているのだ。


「3人とも私の大切な友人たちですもの、なんとかしなくては! でも、どうやって……リディアが精霊王様のルートを進んでくれれば良いのだけれど、隠しルートは全キャラ攻略後ですから無理、ですわよね?」


 ゲームと違って、ここは現実。

 上書き保存で何周もすることは、決して出来ない。 


「魔王は最終的にリディアが封印するとしても、第2部が始まれば必ずひとりは死にますわ。そして、魔族や魔物によって民が苦しむ」


 王とは民のために生きる者。

 王の隣に立つ王妃になるための教育を受けた私にもまた、その意識は根づいている。


「リディアがどなたとも親密度を上げず、聖乙女として覚醒しなければ、魔王によって国は滅びてしまう……魔王復活を阻止出来たとしても、我が国のためにも聖乙女は必要ですわ。でも、その場合でしたら、カーティス様以外のルートを進んで頂きましょう」


 幸い恋敵として登場するのは私だけだ。


「そもそも魔王はなぜどこで復活するのかしら?」


 魔王は第2部のオープニングで初めて現れ、その後聖エリューシオン王国の北方にある魔王城で聖乙女によって封印される。

 しかし、当然ながら現在魔王城の存在など確認されていない。

 あれは冒険の終わりに突然現れるのだ。


「ルートが確定するのに最短でも約半年ありますわ。半年の間になるべく記憶を取り戻すこと、そして魔王について調べること」


 私は瞳をそっと閉じ、小さく呟く。


「何も手掛かりが得られなければ、私が私の恋を諦めること……」

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