『遠距離恋愛特急発車しまーす!』。
僕と彼女は離れ離れに住んでいる。
僕は○○県の○○の人里離れた山奥に住んでいて、電波もないような
ところで1人で住むことにした。
もともと、都会暮らしに疲れていて何時かはのんびりと田舎暮らしを
したいと思っていたのだが、まさか!? こんなに早く願いが叶うとは
思っていなかった。
自給自足の毎日で、畑を耕して自分で作った野菜を毎日食べている。
他の食材は、近所の方々から物々交換と言う形で、野菜の代わりに
卵や肉やいろいろ交換してもらっている。
近所の方々は、若い僕に物凄く親切だ!
近所のおじいちゃんが、こんな事を言っていた。
『若いもんは~ みんな都会に出てもうてなぁ~ お前さんみたいな
若いもんがこんな田舎に来てくれたのは嬉しいでぇ~』と。
おやおや? 言い忘れていたけど? 僕の名前は 『ひろ』34歳だ。
そして彼女の名前は 『奈央』27歳。
そもそも、本当は奈央も一緒に連れて来るつもりだったのだが......。
彼女は、仕事が出来るキャリアウーマンでしかも? 仕事大好き人間だから
僕が田舎暮らしをしたいと奈央に話した時......。
『あのさ~ 突然なんだけど...? 実は田舎暮らしをしたいと思ってるんだよ
ねぇ~ 奈央にも一緒についてきてほしいんだけどな? もしそうなったら?
どうかな?』
『ごめん。ひろの事は好きだけど...? 一緒には行けないと思う。』
『そっか! でも別れたくないから、【遠距離恋愛】になるけどいいのかな?』
『そうなったら? 仕方がないよねぇ~』
『うん。わかった!』
...とその話はそこで終わっていたけど......?
まさか!? まさかの!? それから1年後、僕は田舎暮らしをはじめた。
奈央と離れ離れになるその日の会話も。
『今日から、僕は田舎暮らしをはじめるよ~』
『うん。』
『どうした? 奈央元気ないな~ 大丈夫か?』
『こんなに早く、離れ離れになると思っていなかったから。』
『そうだねぇ~ やっぱり寂しいよなぁ~』
『うん。』
『でもさ~ ちゃんと毎日連絡するから! 大丈夫だよ、離れ離れになっても!』
『ひろ好きだよ。』
『僕も!』
『じゃね!』
『うん。じゃ~ね!』
その会話が、会って話す最後だった。
◇◆◇◆
あれから2年が経った。僕も田舎暮らしに慣れてきて毎日が楽しい。
奈央も都会で仕事バリバリこないしていて、毎日大忙しなんだって!
毎日、仕事が充実してるとか? それに大きな仕事を任されたりして
奈央は奈央で幸せなのだろう。
でも、お互いちゃんと連絡を取り合って順調に遠距離恋愛を楽しんでいる。
その日1日、何でもあった事を話し合う。
ひょっとしたら? 今の方が付き合っていた時より上手くいっているのかも
しれない。お互い好きな事をしているしね!
それに、奈央には田舎暮らしはムリだし。
僕も都会は合わない!
今の関係が僕たちにとって幸せな選択だったのだろう。
そして、時間があればお互いどちらかに会いに【特急列車】に乗って会いに行く。
最後までお読みいただきありがとうございました。