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序章
雨が降っている。
冷たくて、寒くて、身体が震える。
頬を伝う透明な水は赤黒い地面に落ちていった。
ーー嗚呼、いかないで
冷たい冷たい氷のような。
固い固い石のような。
ゆっくりと・・・
雨は強くなる。
もうどれくらいの時間が経ったのかは分からない
只々想う。
愛しい貴方の事を。
きっと私の生涯で唯一愛した人。
--嗚呼、逢いたい。
降り続く雨に貴方を想うのです。
あの時ああしていれば、なんて何度思った事か。
その時は一度しか訪れないというのに。
全ては終わってから気づくのです。
--嗚呼、申し訳ない。
枯れない涙を流しながら、暗い空に謝ります。
そしていつも思うのです。
--この雨はいつか貴方に聞いた“遣らずの雨”なのだろうか