表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
twinkle  作者: みはる
9/11

twinkle―――小2 夏


幼稚園ではずっと一緒だった純一郎も翠も、小学生にあがるとクラスもバラバラになり、それぞれ友達を作っていった。


それに比べて……



「今日の体育のかけっこ、お前またビリだったなー」

「のろのろカメみたいに走ってたよなー」

「女子だから、男子には勝てないんだよな?」

「またベソかいてる!ほんと女子みてー!」



背が低く痩せていて、女の子に間違われる容姿をしていた俺は、友達をつくるどころか、クラスの男子数名からいじめられることが多かった。





―放課後―



(みーちゃんが待ってるのに…)


いつもは三人で登下校しているが、純一郎が風邪をひいて、この日は翠と二人で帰ることになっていた。


それなのに、クラスの男子たちは、帰ろうとする俺をひき止めて、いつものように「女子だ!女子だ!」といじめていた。



「知ってるんだぜ!今日は純一郎が休みなんだろ」

「今日は辻村と帰るんですかー?」

「よかったなー、友達がいて」

「あ、光は女の子だから、女友達がいて当たり前かー!」

「女同士で何の話をして帰るんですかー?」



いつもなら黙って耐えられるが、純一郎や翠の名前を出され、気持ちが抑えられなくなっていた。



(僕は女の子じゃない…だから…だから………)


「みーちゃんは友達じゃない!」


(女同士の友達じゃない…僕たちは幼なじみだ…)



「あ、辻村…」



一人の男子の声に、彼らの視線を先に目を向けると、泣きそうな顔をして立っている翠がいた。


「やべっ!」「帰ろうぜ」などと口にしながら教室を出ていく男子たちを気にすることもなく、翠は俺を見ていた。



「みーちゃ…」


「光くんと私、友達じゃないの?」


「違っ…」


「友達じゃないって言ってた!」


「それは…」



自分が女子みたいだといじめられていることを、翠に話す勇気がなく、ただ黙ることしかできず…



「友達じゃないんだね…」



泣きながら背を向け、教室を出ていく翠に、何も言えなかった。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ