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twinkle  作者: みはる
5/11

twinkle―――光side



変わらない日々が続く。

何も変わらない。


そう思っていた。



少しずつ、少しずつ、

動き出していく。






昼休み時間。



「翠、今週のラジオ聞いた?」


「聞いたよー」



今日も、少し離れた場所からいつもの会話が聞こえる。

盗み聞きしてるわけではないが、それを聞きながら昼食を食べることが日課になっている。



「盗み聞きはダメだぞー」



少し遅れてやってきた純一郎が、ニヤニヤしながら目の前に座った。



「盗み聞きじゃない…」


「聞こえてきたから、って言うんだろ?」


「うん…」



聞かないようにするなんて、無理だ。

自分の話をしてるのだから、尚更。


あの話が面白かったとか、こんな話が聞きたいよねとか、二人の会話を参考にして、ラジオで話す内容を考えたりする。


(十分、盗み聞きだよね…)



「光、翠とは話したか?」


「え?話してないよ?」


「は?せっかく共通の話題があるのに話しかけてねーの?」


「共通の話題?」


「ラジオだよ、ラジオ!」


「…話せるわけないじゃん」


「なんでだよ?」


「僕はリスナーじゃない。コウ本人だ」


「そう言えばいいじゃん」


「やだよ」


「なんで?」


「知られたくない」



そう。知られたくない。


(辻村さんには、特に…)


学校ではこんなに遠い。

だけど、ラジオを通すと近く感じる。




・・・・・



『あ、叔父さん』


『光、久しぶりだな。元気か?』


『元気だよ』


『ラジオ、楽しいか?』


『楽しい』


『紹介して良かった。お前に合ってると思ったんだ』


『うん。叔父さんには感謝してる』


『それに、最近どんどん良い感じになってきてるぞ?』


『ほんと!?』


『お前から話しかけられてるように感じるときもある』


『………』


『始めた頃は台本を読むだけだったもんな(笑)』



・・・・・




学校では話しかけられない。だけど、ラジオ越しなら…



「話しかけられてるように、かぁ…」


「あ?」


「なんでもないよ」


「お前、見た目も暗いのに独り言なんて、もっと暗く見られるぞー?」


「純ちゃんさ、オブラートに包むことも覚えたほうがいいよ?」


「本当のこと言っただけじゃんかー」


「そんなんだから、彼女にもフラれるんだよ」


「っ!?やっぱりそうなのか?俺にはオブラートが足りないのか!?」


「今度、オブラート買ってきてあげるよ」


「おぅ!よろしく!…って、本物のオブラートは恋愛に必要ねぇよ!」


「ははっ(笑)」




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