ディモーレ 酒場
紹介
魔物:各地に生息している。種族は多様に存在する。普通の人が魔物を退治するのはとても大変。
『んー・・・依頼、かぁ。面倒なのはごめんなんだがなぁ』
とアリアは考えていると、ルルがオーナーに先を促した。
「最近、近くの山に棲んでいる魔物が、荷物や食料を運ぶ馬車を襲うようになってね。この状況が続くと、物流も途絶え、この町が廃れてしまうかもしれない」
「あぁ、それが原因だったのね」
今の説明でアリアは、この町の問題を察した。
「それで、兄さんへの依頼の内容はなんでしょうか?」
『・・・(私たち)ではなく(兄さんへの依頼)と来たか・・・』
ルルが笑顔でこちらを見てくるので、わざとそのように言ったのだろうことがわかる。
そして、出来れば力になってあげて欲しいと言っていることも。
『まぁ、人助けはいつものことか。優しいんだから、ルルは』
一つため息をもらし、アリアは苦笑いを浮かべながらルルの頭を撫でた。
ルルは気持ちよさそうに、おとなしくしている。
そんな、いろんな意味で兄妹には見えない二人を見ながらオーナーは
「魔物が馬車を襲うようになった原因を探ってきてくれないか?できれば、解決もお願いしたい」
さらっと全部任せたいと言ってきた。
どうして俺たちにここまで言うのかと思い、聞いてみると
「旦那たちが呼び止めた店員がいるだろう?あの子は私の娘でね、人を見る目があるんだよ!」
ガハハと豪快に笑って自慢話をしてきた。
「もちろん報酬は用意する。町の問題だから少なくない額になると思うが、どうする?」
ちらっとアリアの方を、正確には懐あたりを見たオーナーは、アリアが財布の中身を気にしているのを目撃していたのかもしれない。
報酬に釣られて承諾するのもどうかと思いながら
『まぁ、稼いでおきたいと思っていたし丁度いいか』
と割り切り
「そうですねぇ、原因も分からない以上、どの程度やれるかわかりませんが、それでもいいなら引き受けますよ」
と誠実な対応をとった。
実際問題、町の危機なので町総出であれこれ対策をうったことだろう。それでも解決できないでいるのだから、アリアたちが引き受ければ必ず解決できるという当ても、あるはずがなかった。
「よろしく頼むよ。詳しいことは店を閉じてから・・・だと遅くなるし、明日の昼くらいにでもまた来てもらえないだろうか?」
依頼成立。
「わかりました。それじゃぁルル、宿屋に戻ろうか」
勘定を済ませ、店の外に出ると辺りはすでに暗くなっていた。
アリアとルルは手をつないで宿屋までの道を歩く。
風が少し冷たいなと感じ、大丈夫か聞こうとアリアが口を開けるのと同時に
「兄さん」
ルルが何か言いたげにアリアを呼んだ。
「んん?」
まずはルルの話を聞こうと思い、ルルを見る
「依頼を引き受けてくれてありがとうです。きっと兄さんなら解決できますよ」
微笑みながら、そう言った
その可愛さから思わず頬が緩んでしまう。
「まぁ頑張ってみるよ。それより、風、冷たくないかい?」
繋いだ手に少し力を入れ、二人は仲良く歩くのだった。
私の作品を見に来てくださり、ありがとうございます。
文章も拙い部分が多くあると思いますが、そこを含めて楽しんでもらえれば幸です。
最後に、1話1話の文字数ですが、私の場合 少なすぎるでしょうか?
少しアドバイスを頂けたら嬉しいです。
まだこのサイトを使いこなせていないので、どんな機能があるかもわかっていませんが・・・。