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剣豪伝  作者: 苦痛笑虫
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団子

遂に猿の助と股うえもんの立ち会いが始まった。


股うえもん「言うまでもないがこれは闇試合だ。勝負に勝った者は負けた者の骸を人目に付かぬ所に埋めること!いいな?」


猿の助「いいだろう、だが俺が勝ったらお前の金を貰うぞ。」


股うえもん「好きにしろ!どうせ死ぬのは貴様だからなあ」

先に股うえもんが斬り掛かった。


びゅんっ


斬れた、猿の助の肩を浅く負傷させた。更に畳み掛ける股うえもんの追撃の突きがくる、足を狙う嫌らしい突きの応酬。何とか踏みとどまり応戦する猿の助だが足下に繰り出される連続した突きをいつまでも交わし続けれるものではなかった! バランスを崩した猿の助は後ろによろめき尻餅をついた。

股うえもん「はははっ、残念だったな。俺はいうえもんのようにはいかんぞ、死ね」


股うえもんがトドメの上段の構えになった時、猿の助は持っていた愛刀同田貫を反射的に股うえもんに投げつけた。刀は股うえもんの顔に当たり鈍い音がした。

刀の鍔が股うえもんの鼻に当たり鼻からわずかに血が流れ出した。


とっさに背を向け鼻を押さえる股うえもん。


股うえもん「こっこのくたばりぞこないがぁ!」


この時、背を向けた一瞬を猿の助は見逃さなかった。背中に背負っている竹槍を瞬く間に構えると股うえもんに向かって勢いよく突き出した。


猿の助「うおおおぉぉっ」


股うえもん「貴様ぁ」


猿の助の動きに合わせて振り向いた股うえもんの眼前には竹槍の先端部が映り口の中に食い込んだ。

がぼおっ!


真っ直ぐに突き出された竹槍は股うえもんの口に突き刺さり後頭部を僅かに貫いていた。


猿の助「ひいぃぃ。」


余りの惨状に悲鳴を上げたのは猿の助だった。

股うえもんは白眼をむき立ったまま死んだ。いや、口に突き刺さった竹槍が前のめりに倒れる股うえもんの体を支えまるで立っているように見えるのだ。


怖くなった猿の助は股うえもんの金を奪うと股うえもんの骸をそのままに急いで立ち去ってしまった。


時を待たずして発見された股うえもんの死体はその残酷さと異様な格好から後に串団子斬殺事件として有名になることになる。



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