最強の剣豪
吉岡一門を打ち倒した猿の助はある宿に身を置いていた。とても晴れた良い天気であった。
そこに突如一人の男が猿の助を訪ねてきた。
謎の男「猿の助殿で間違い御座らんか?」
猿の助「あんたはもしや...。」
猿の助はその男を見たとたんに震えを覚えた。しかしそれと同時に自分の旅がここで終わりを告げることを悟った。
謎の男「拙者、七人侍の一人、堀部すけべえと申す。代官様より直々に御主を討ち取れとの命を承った。故にここに参った。」
猿の助「そうか、あんたが最強の剣豪と謡われた堀部すけべえ殿か。」
猿の助は一目ですけべえの実力を悟った。団十郎よりも遥かに強いことも。
すけべえ「こうやって御主の前に現れて言うのも可笑しいが拙者はこの命が不服だ。」
すけべえは団十郎が倒され吉岡一門が消滅した出来事を聞かされたとき代官に猿の助を七人侍の一人に推薦したことを話始めた。
すけべえ「だが、代官様は首を縦に振ってはくださらんかった。そして私にこの役目を与えられた!」
猿の助「気を使わせてしまったかな?」
すけべえ「拙者は誰よりも御主の実力を評価している。その事に嘘偽りは一切無い。だが剣に生きるものは剣に従わねばなるまい、御主もそうであるようにな。分かってくれるかな?」
猿の助「俺は今まで沢山の人を斬ってきたが死への恐怖だけはたちきれんかった、あんたに会うまではな。それが何故なのか直ぐに分かったさ。それは...!!」
会話の途中で突如猿の助が斬りかかった!
バヒュンッ
猿の助「ばったやああっ?!」
すけべえ「それは俺たちが最強を目指す剣豪だからであろう。」
首を斬られた猿の助は血を噴き出しながらその場に倒れた。
すけべえが刀を鞘に納めると間髪入れずに数人の男が入れ替わりに入って来て猿の助の亡骸を運び出し始めた。
数日後、猿の助の首は町に晒し首となって一週間さらされたあとすけべえの計らいで丁重に埋葬されたという。
猿の助 享年31歳 その死に顔は何かを成し遂げたような安らかな顔であった。
人斬り猿の助の話はこれでおしまいです。読んで下さった方有り難うございました。




