野獣咆哮
闇の中に二人の男が向かい合っている。猿の助と団十郎である。
団十郎「貴様、一体何をした?」
猿の助「初めて戦ったあの日俺が放った突きは確実にお前の甲冑に傷を負わせていたんだ。もっともそれに気付いたのは今の戦いで初めに放った突きが命中したときだがな。」
団十郎「くくく…なるほど、確かに変わって無かったのは俺の方だったらしい。だがな、お前一人殺すのに足は使わずとも十分だ!」
猿の助「そうかい、ならこれならどうだあ!!」
猿の助は腰の胴田貫を抜き素早く団十郎に斬りかかった。
団十郎も引き摺った足を庇いながらこれを迎え撃つ!
団十郎「ほざけっ雑魚が」
ガキン…パキ!
ザシュ
団十郎「?!!」
切れた。団十郎の胸を猿の助の刀が横凪ぎに切り裂いていた。更に団十郎の刀はポッキリと折れ根元しか残ってはいなかった。
猿の助「どうだ、斬られた気分は♪」
団十郎「貴様、まさかわざと俺に岩を砕かせたのか、俺の刀を折れやすくするために!?」
猿の助「そうだ、俺がこそこそ逃げ回っていた時、既にお前は俺の作戦に乗せられていたのさ!」
団十郎「ぐおぉぉぉーっ!!」
くそおおおおぉー!!
団十郎の咆哮が辺りにこだまする。しかし猿の助にはそれがとても心地よかった。足を引き摺り刀を失った団十郎はもはや猿の助の敵では無かった。
猿の助「言い残すことはあるか?」
団十郎「死ね!!糞野郎が…」
ザシュ
ぐほっ
ズズン
猿の助「はあ、はあ、去らばだ、団十郎!!」
死闘の末に奇跡的に団十郎を倒した猿の助。しかし手の震えはなかなか収まらなかった。
更に勝利の余韻も束の間この後に激しい戦いが猿の助を待っていたのだった。




