爆ぜた胸、剥き出しの心臓
鳴り響く悲声に汚泥が巻き上がる。
その偽善と偽悪は粘り着き、人の形を象る。
理解出来ずに不感症だろ?
偽りで何を欲している?
叫び、踊る、犠牲達。
禍者に操られる。
茫漠とした無の罪を重ねていく禍者は、無感情に感情を曝け出す。
夢を見るような虚な瞳で嘔吐した言葉、紅蓮地獄のようだ。
そして、犠牲達は何故、痛む傷から流した血で他を汚す。
涙が落ちては溶かし、激情の向かう先を探している。
汚泥の波が血を染めていた。
禍者と犠牲の汚泥の果て、空さえ飲み込む。
壊れた胸が爆ぜていく。
脆い心臓は自らに針金を差し込み、誰も近付けぬようにと笑っていた。
儚く沈む太陽の淡い橙……深紅に描け。